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1話 奴隷、友達

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僕は自室に戻り、眠りについた。
「ルーク様、ルーク様、おきてください、旦那様がお呼びです」
と父の従者が呼びに来た。


そして、僕は従者に案内され、屋敷のある一室に案内された。


そこで父と知らない人が喋っていた、そして、僕の方を向いて
「ルーク、ここでお前に選択肢をやる、1つ目がこのまま、この奴隷商人に売られるか2つ目が私を殺して屋敷を出るの二択だ」
と父から二択を迫られ僕はすぐに決断し
「分かりました、では奴隷を選びます」
と僕は真っ直ぐ父を見て言った。
「分かった、だが今後は絶対にアレキサンダーの名を使うな」
と僕を蔑む様に父は言った。
「レイド アレクサンダー様」
と僕が他人行儀で言うと、父さんだった人は
「何だ、まだ何かあるのか?」
とまるで、早く目の前からいなくなれと言わんばかりの目でこちらを見て言った
「アドルフ様とオリヴィア様には何と申すのですか?」
と僕は心残りだった事を聞くと
「そんなの、他人のお前に関係あるか!」
と言い、怒鳴られてしまった、その後、僕は少し小さめの声で
「申し訳ありませんと」
と呟いた。


「それで、ルークはどれほどで買い取るのだ?」
と父は奴隷商人に聞くと、奴隷商人は「そうですねぇ、無属性とは言え魔法が使え、髪の色も黒という事で金貨100枚でどうでしょう?レイド様」
と奴隷商人は悪そうに笑った。
「ルーク、さっさと出ていく準備をしろ、アイリスに見つかる前に済ませろ」
と言い父は自分の自室へ戻った、そして僕も自分の部屋へ行き準備をした、主な荷物は護身用の武器であった二刀のダガーとトンファーの2つだけだ、そして、準備を済ませ奴隷商人の待つ玄関へ向かった

そして、僕は奴隷商人に売られたのだった。
だが不思議と何とも思わなかった、だから涙も出なかった

「おらっ!さっさと馬車に乗れ!」
と言われ僕は馬車に乗った。

そして、そのままリーベと言う街に向かっているらしい、何でもそこに奴隷を買いたい貴族が居るらしい
牢屋の中には僕の他に後1人僕と変わらないぐらいの歳の薄っぽい青色の髪の女の子が居た。


「君も奴隷商に......?」
と恐る恐る聞くと、女の子は
「う、うん、親に売られて、も、もしかして、貴方も?」
と女の子が震えた声で言った。
「うん、まぁね、で1つ質問していいかな?君って貴族?」
と、僕は質問すると
「貴族ですが、わ、私は売られたので、家名を名乗るのはちょっと......」
と言いまた黙ってしまった
「ごめん、やっぱりそうだよね?」
と言い僕は彼女に謝った。
「いえ、気にしないで下さい」
と彼女は笑いながら言った。
「そ、そろそろ、自己紹介をしよう、僕はルーク、よろしく!」
と僕は場の空気に耐えきれず自己紹介をした
「わ、私はア、アリアと言います、短い間ですがよ、よろしくお願いします」
とアリアはやはり震えながら言った。
「へぇ~アリアさんって言うんだ良い名前だね」
と僕が言うとアリアは顔を真っ赤にして、恥ずかしがっていた。
「あのぉ、私からも1つ質問しても良いですか?」
と今度はアリアが言ってきた。
「ん?別にいいけど」
と僕は返した。
「ルークさんの髪の色って黒なんですね」
と言われ
(そうだ、だって黒髪の貴族なんて僕達アレキサンダー家しか無いのだからだ)
「うん、多分アリアさんの予想通りだよ僕の家の家名はアレキサンダーだよ」
と真っ直ぐアリアを見て言った。
「やっぱり、アレキサンダー家でしたか、その髪の色は特徴があるから」
と言った。
「ルークさんも話してくれました、今度は私の番ですね」
とアリアが覚悟を決めたように言った。
「いや、そう言う意味で言った訳じゃあ無いから無理して言わなくても......」
と僕が言うがアリアは
「いえ、大丈夫です、私の家の家名はベルクです中位貴族の」
とアリアが僕を真っ直ぐ見ていった。


「教えてくれてありがとうでも、それ以上は聞かないよ、それより......」
そんなたわいもない話をして夜は更けていった。
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