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7話 2人

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「お兄ちゃん、ちょっとそこで待ってて」
と言いメアリーは急いで部屋に戻った
「そんなに気にしなくても良いのに」
と言いながら待っていると
「お待たせ、お兄ちゃんどうぞ、入って」
と言いながらメアリーは扉を開けた
「では、失礼しますメアリー様」
と言い僕が部屋に入ると
「ねぇ、お兄ちゃん、前みたいにメリーって呼んでよ」
と言われた
「ですが、私はメアリー様の従者なので」
と言うとメアリー様は
「じ、じゃあ2人っきりの時だけでも良いから、お願い」
とメアリー様は言った
「はぁ......2人っきりの時だけですよメリー」
と言うとメアリー様は
「やっぱり敬語は辞めてくれないのねでも、ありがとねお兄ちゃん」
と言い笑った
「困ったお嬢様ですね、メリー」
と言い僕が笑うとメリーは
「で、話は変わるけど、お兄ちゃん、アレキサンダー家から売られたって本当?」
と急に真面目な顔をしたメリーに訊かれた
「......はい、その通りです、私の属性が無属性だったのでアレキサンダー家から売られました」
と言い笑うとメリーは急に
「何で!そんな事を笑って言うの!」
と怒りながら僕に訊かれた
「何でって言われましても」
と僕が返すとメリーは
「だから、私が聞いているのは、何でそんな顔でそんな話するのって聞いてるの!!」
と言ってきた。が僕は分からずメリーに
「そんな顔と言われましても......」
と僕が言うも、メリーはさらに怒りながら
「だから!何でそんな話を笑いながらするのよ、お兄ちゃんは悔しくないの!!」
とメリーに怒鳴られ僕は
「...しぃ......悔しいに決まってるじゃないか!!」
と今度は僕がメリー怒鳴った
「だったら、何で笑いながら話なんかするのよ!!辛いなら辛いって言ってよ!!それを私にも話してよ、一人で抱え込まないでよ!!」
と今度はメリーが目に涙を貯めながら言った
「でも、僕は奴隷で今はこのウィリアム家の所有物だから我慢しないと」
と言うとメリーは僕を抱きしめて
「だから、我慢せずに私に言ってよ!!私が何とかしてあげるからもう、独りで抱え込まないでよ」
と言ってくれた
その言葉を聴いて僕もメリーを抱きしめた
「お、お兄ちゃんな、何してるの?」
と、聞かれ僕は
「……明日からは……が…頑張るから、絶対…頑張るから……今だけはお願い」
と声を絞り出す。メリーは少し恥ずかしそうに
「もう、全く困った執事だよ、き、今日だけなんだからね」
と言ってくれた
「ありがと、メリー」
と言って僕は意識を手放した


              ▲▼▲▼


私は今お兄ちゃんを抱きしめ抱きしめられていた、何でかは分からないけど話を聞いて、考えるより先に手が出てしまった
「お、お兄ちゃんそろそろ離して」
と私が言うがお兄ちゃんは
「......」
眠ってしまっていて返事が無かった
「もう、仕方ないなぁ」
と言いながら私はお兄ちゃんを起こさないように体勢を変え、膝枕をした
「こ、こんな事するの今日だけなんだからね」
と言い私はそっとお兄ちゃんの頭を撫でた、やっぱり撫で心地が良いなぁ

コンコン!

と扉が鳴った
「メアリー、ルーク君、今し方大きな声が聞こえたがどうかしたかい?」
とパパが呼びに来た
「ううん、何でもないよパパ」
と私が言うとパパは
「なら良いが、後もう直ぐ食事だから」
と扉越しに言った
「はーい、すぐ行くわ」
と私が言うとパパは違和感に気づき
「あれ?ルーク君はどうしたんだい?」
と言われた
「お、お兄ちゃんは、えーと」
と私が必死で言い訳を考えていると
「メアリー、失礼するよ」
と言いパパが入って来た
「待って!パパ」
と私が言うが遅かった
「メ、メ、メアリーこれはいったいどう言うことだい?」
とパパが凄く動揺しながら言ったが直ぐに
「あぁ、そう言う事か、とりあえずルーク君をベットに寝かせよう」
と言ってお兄ちゃんを抱きかかえ私のベットに寝かせた
「あ、ありがとう、パパ」
と私が言うとパパは
「いや、メアリー達が余りに遅いから呼びに来ただけだよ」
と言いパパは部屋から出て行こうとした時にパパが
「あっ、そうだ今日は2人で寝てね」
と言って出て行った
「うん、分かった......え?それってどう言う事?」
と私が言おうとしたがパパはもう部屋の近くに居なかった
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