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17話 両手に華?

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今、僕の右腕の方には
「そろそろ、離れなさいよノア、お兄ちゃんが迷惑してるでしょ!」
と言い、僕の右腕に抱きついてるメリーと
「いいえ、師匠は今物凄く喜んでいらっしゃいます。弟子として師匠の喜ぶ事をするのは当然です」
と言い、僕の左腕に胸を押し付けているノア様の2人が居る......何でこんな事になったかと言うと


ノア様が僕に抱きついいて来た後にメリーの機嫌が悪くなり、それ何とか宥めていると、今度はノア様の機嫌が悪くなり、その結果…
「あ~~、もううるさいわね、良い?お兄ちゃんは昔はノアの師匠かも知れないけど今は私の従者なの!!だから大人しくアンタは寮で勉強でもしてなさいよ」
(へぇ~、この学園って寮があるのかぁ~)
と言い、僕の右腕にしがみつくメリー、そして…

「私はいつも予習復習をしているのでそのような事をする必要はありません。それに辞めるのは貴女の方です、私の師匠を従者何かにして......羨ま......許せません、大人しく師匠を解放しなさい」
と言い、更に胸を肩に押し付けてくる、ノア様の出来上がりだ


「で、そろそろルーク君からの話が聞きたいから、メリーちゃんとノアは生徒会室に行ってなさい」
と、少し怒りながらソフィア様は言った、でもそのお陰で、僕はメリーとノア様から解放され、ソフィア様と向き合った。


「で、あの2人が居なくなったから、話しましょう」
とソフィア様はさっきまでの穏やかな顔から、凛とした表情になった。
「ですが、その前に一つよろしいでしょうか?」
と僕が聞くと、ソフィア様は
「ええ、構いませんが何を────」
と言っている途中で
僕は詠唱を始めた
「我の姿を 仮初の姿へと変えよ イリュージョン」
と詠唱し、メリーに掛けてもらった、イリュージョンと同じ姿......つまりはアルになった。

「ではまずは、アルカ君の死亡原因なのだけど、現当主は魔獣に襲われたと話しているけれど......」
と、引き出しの中にあった、紙とペンを持ちながら言った。
「その事なのですが、初めに、僕がこうなった経緯をお話します」
と言い、全属性使える事は伏せて全てのことをソフィア様に話した。


「と言う事は、レイド アレクサンダーはルーク君の事を落ちこぼれと言う理由で殺そうとしたという事ね」
と言い、持っていたペンを折りながらソフィア様は明らかに怒っていた、そして
「あの家潰すわ」
とまで言ったから、僕は慌てて説得した。


「落ち着いてください、でも......何故ソフィア様が僕の何かのためにそこまでしてくれるのですか?」
と僕が少し落ち着きを取り戻した、ソフィア様に聞くとソフィア様は
「ウ~ン、ノアの師匠と言うのも有るけど、貴族の中の貴族である最上位貴族が落ちこぼれと言う理由で自分の子を殺めるなんて以ての他!!」
と言い、更に怒りだしたが直ぐに落ち着きを取り戻し
「でも、私がこんなに起こる理由はね新しい家族の為ってのも有るわよ」
と言った。僕はその意味が分からず
「それとは、どういう────」
とソフィア様に聞こうした時
ドンッと言う激しい音を立てて扉が開いた。
そして、そこには顔を真っ赤にしているノア様と僕の方を殺意にも似た目つきで僕を睨むメリーの姿が有り、2人の間にもバチバチと音を立てて稲妻がはしっていた。


「ソフィア様っ!!」

「お母様!!」

「それはいったいどういう事ですか!!」
とメリーとノア様が同じタイミングで言った。
「だって、ノアはアルカが好きなんでしょ?」
とソフィア様が言うとノア様は顔を真っ赤にしながら
「いえ、師匠の事は好きとか嫌いとかの感情では無く、純粋に尊敬しているだけです」
と言い、首を左右にブンブンと振った
「あらっ?そうだったのてっきりノアはアルカ君の事が好きだと思ってたわ、じゃあこの縁談の話は無かった事────」
とソフィア様が言った瞬間、ノア様が
「いいえ、本当は今すぐにでも夫婦の契りを結びたい程に師匠の事を愛しております。」
と大声で言った。その後暫く学園長室に静寂が訪れたが、直ぐに
「そ、そんなのみ、認めるわけないじゃない」
とメリーがこれを荒らげて言った。


「ですが、師匠も例え従者であっても人です。ですから私が縁談を申し込んでも致し方ない事」
とノア様が言うがメリーは
「そんなの......そんなの認めない!!」
と一点張りだったが、その後メリーは
「認めない」
と言いながら、学園長室から走っていなくなった


「あらっ!行っちゃったわ」
と言うソフィア様に僕は
「ソフィア様、何故あのような事を」
と聞くと、ソフィア様は
「私は唯、娘の想い人に縁談を申し込んだだけですよ」
と言ったが僕には一瞬で分かってしまった。
(あ~この人この状況たのしんでんなぁ~)



「ですが、申し訳ありませんソフィア様、私は今はメアリーお嬢様の従者であるので」
と僕が言いメリーを追いかけようとすると、今度はノア様が
「私では無くメリーを選ぶのですか?」
と演技で涙まで流しながら言ってきた、流石にこれは厄介だなとも思ったが、今の自分の気持ちをはっきり言おうと思い
「正直縁談の話は嬉しかったですよ、ノア様」
と僕が言うと、ノア様が
「じゃあ────」
と今までで1番と言ってもいい程を笑顔で言ったが
「ですが、申し訳ありませんノア様」
と僕はハッキリと断り、メリーを追いかけた

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