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19話 王

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「あぁ、私か?私はアーサー アルスターと言う者だ」
と言った後
「お父様!!」
とノアが言い、男の方に行った。
てことは多分この人が国王だろと思っていると
「久し振りだな、ノアよ」
と国王が言い、ノアの肩に手を置きながら言うと
「はいっ!お久し振りです」
とノアが言うと、国王は少し驚いて顔をし
「雰囲気が変わったな、ノアよ」
と国王が言うとノアは
「はい!実は......」
と言った後、直ぐに
「こ、これは、国王様ご機嫌麗しゅうございます」
とメリーの手を掴んでいた男がメリーの手を離し、男の前に跪いた。


 その瞬間、俺はメリーをこちらに引っ張った、まだメリーは震えていたがが、その後直ぐにメリーも国王に跪いた
「え~と、君は...」
と国王に言われた男は
「私は上位貴族バクストン家長男のシーザー バクストンと申します」
と言うと、それには目もくれず
「で、君は......あっ、もしかしてメアリー君かな?」
と国王が言うとメリーは
「何故、私の名を......国王様が?」
聞くと、国王は
「なぜも何も君の父のウィリアムは元私の......私の友人だからな」
と言い主の事を隠した。


「まぁ、それはそうと君たちはここで一体何をしているのかな?」
と国王が目を鋭くしながら言うとノアが
「実は、私達此処で魔法の事について勉強してまして、つい熱くなってしまい」
とノアが言うと国王は
「うむ、勉学なら構わないが、そこの彼から殺気を感じたから、何事かと思いな」
とこっちを見ながら国王に言われた
(やべぇ、殺気出しすぎたか)
と思いながら黙っていると、国王が
「まぁ、それはそうと、ノアよ、お前の雰囲気が変わった事だが」
と国王がノアに聞くとノアは
「はい!それは......」
と言い、こちらの方をチラチラ見てくるノアを見て国王はさっきまでの驚いた表情とは打って変わってすごい剣幕で
「貴様っ!私の可愛いノアに手を出してみろ、その時は......」
と言うと、ノアが慌てて
「あぁもう辞めてください、取り敢えず行きますよ」
と言い、ノアは国王を連れて教室から出た。その時に俺はノアが言ったことに耳を疑った。何とノアは俺に小声で
『師匠、その男やっちゃって下さい』
と言ったのだから


そして、国王とノアが教室から出た後、俺は
「メリー、大丈夫?」
と俺が聞くと、メリーは
「う、うん、大丈夫だよ」
とメリーは言うが、まだ体か震えていた。それを見たバクストン家の長男は
「お前の近くに居るから私のメアリーが震えているでわないか!!早く解放しろ」
とあくまで、俺がメリーを怖がらせていると言い、激怒していた。
「はぁ~、そろそろ、いい加減にしろよ、お前」
と俺は静かにでもさっきよりも殺気を込めて言うと、流石に気づいたらしくバクストン家の長男は黙った。
「さっきから聞いてれば……殺すぞ」
と俺が言うと、バクストン家の長男は
「ひ、ひぃぃぃぃ」
とやっと俺の殺気に気づいたのか怯えた声を上げながら、教室から走っていなくなった。


「お、お兄ちゃん?大丈夫?」
とメリーに俺を心配そうに言われ、俺は一旦落ち着き
「はい、今落ち着きました、メリー」
と言うと、メリーは
「よかったぁ~」
と言い、その場にペタンと座り込んだ、そして
「お、お兄ちゃん、こ、怖かったよぉぉ」
と言い、泣き出してしまった。
それを見て、どうすれば良いか分からなかったが取り敢えずメリーを抱きしめた。
「大丈夫、大丈夫、メリーは強い子だから」
と僕はメリーが泣き止むまで耳元で何度も言い続けた。


「もう、落ち着いた?」
と僕が言うと、メリーは
「うん、ありがと」
と言い、立ち上がろうとするが動かない
「どうしたの?」
と僕が言うと、メリーは少し恥ずかしそうに
「足に力が入らない」
と言ってきた。僕はそれを聞き少し笑いながら、メリーに背中を向け
「それなら、おぶって行きますよ」
と言い、メリーをおんぶし、学園長室へと向かった。


僕が学園長室を着くとメリーが顔を赤く染めながら
「お兄ちゃん、落ち着いたから、もう大丈夫だがら降ろして」
と言われ僕はおぶっていた、メリーを降ろし、学園長室の扉のドアを開けると
「そろそろ、落ち着いて下さい、お父様」
と言う、ノアと
「これが落ち着いていられるか!!、私の可愛いノアに悪い虫が付いたのだぞ」
と声を荒らげながら言う、国王と
「貴方もそろそろ子離れしたらどうなのよ?」
と呆れている学園長の3人の姿があった。


「あっ、お帰りなさい、無事にメアリーちゃんを見つけられたのね」
と言う、学園長に
「はい、お蔭さまで」
と僕が言うと、今度はノア様が
「師匠、さっきのシーザー君?でしたっけ?やれましたか?」
と何とも物騒なことを言うから僕は
「ノア様、女の子がそんな言葉を使ってはいけませんよ」
と僕が言うと、ノア様は顔を真っ赤にして
「そんな、女の子だなんて」
と言い、照れているノア様を見て、更に怒り狂った国王が
「貴様、私の前でもノアを誑かすつもりか!!」
と言い、腰に指してある剣を抜こうとした時
「いい加減にしなさいっ!!」
と等々ソフィア様の逆鱗に触れたのだった。


「で、あの人の事はほっておいて、アル君、バクストン家の子と色々あったらしいわね」
と言うと、僕が
「はい、申し訳ございません」
と謝ると、ソフィア様は
「別に分かっているのなら、良いのだけれど、決闘以外での、武器の使用は禁止されているから、今後は気をつけてね」
と言い、部屋の隅の方に追いやられていた国王に目を向け
「貴方もそろそろ、仕事に戻りなさい」
と言い、国王を部屋から出した。


「それで、まずはアルカ君のと事だけど、アルカ君はアル君として、学園の男子寮に住んでもらうけど」
とソフィア様が言うと、ノア様が
「お母様、私は師匠と一緒に住みたいです」
ととんでもないことを言ったがそれに続くようにメリーも
「わ、わたしも、お兄ちゃんと一緒に住みたいです」
と言ってきた、それを聞いたソフィア様は
「それでも、規則は守らないとね」
と言われ2人は
「うぅ」
と言い、黙った。


「じゃあ、そろそろメアリーちゃんもノアも寮に戻りなさい」
と言うと、2人は
「え?師匠は?」
「え?お兄ちゃんは?」
と言うと、ソフィア様が
「今から、大事な話が有るの」
と言うと、メリーとノア様は
「だったら、私も......」
「でしたら、私も......」
と言うと、ソフィア様が
「これはアルカ君と私だけの話なの」
と言い、2人を学園長室から、出した。
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