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温かい飯
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-現実-
輝「そろそろ晩ごはんの準備しなきゃな…」
宿題も終えた。時計を見ると、針は5時半ちょっとを指していた。
机の上の照明を消して、部屋の電気も消して部屋から出る。
そして、扉を静かに閉めた。
階段を下って、リビングの扉を開ける。
チミアルくんは起きたのかな。それともまだぐっすり眠っているのかな。
ソファに近づいてチミアルくんの顔を覗く。
すると、そこには汗だくで涙を流しているチミアルくんがいた。
悪夢にうなされているみたい。
輝「チミアルくん!起きて!」
チミアル「(なにかをとても小さな声で言っている)」
輝「起ーきーてー!!」
チミアルくんの体を激しく揺さぶる。
チミアル「……ん?」
輝「あ、良かった起きた~…」
チミアル「………夢?」
輝「大丈夫?怖い夢でも見た?」
チミアル「…思い出した。」
輝「何を。」
チミアル「僕の…親友の名前…」
輝「この子の名前思いだしたんだ!で、なんていう名前なの?」
チミアル「……セシル。」
輝「セシルくんって言うんだ。でも、なんで塗りつぶしてあるの…?」
チミアル「…ごめん、それは…思い出したくない。」
輝「あ、ごめん…」
チミアル「そういえば…お腹減ったな…」
輝「今からご飯作るから!待ってて!」
チミアル「…うん」
輝「♪~」
チミアル(…なんだか楽しそう。僕も…少し楽しいかな…)
-5分後-
輝「出来た~!」
チミアル「………?」
輝「あ、えっと、初めて…見る?」
チミアル「う、うん。」
輝「これはご飯。こっちはお味噌汁。これはアユの塩焼き。これは水。」
チミアル「あ、あの、この二本の棒は…」
輝「これは箸。初めてかな?じゃぁ、スプーンとフォーク持ってくるね。」
チミアル「………うん。」
初めて見る食べ物。どんな味がするんだろう。
少し、期待した。
それに、他の人と一緒に食事をするなんて久しぶり。
わくわくした。
輝「はい。どうぞ。」
チミアル「ど、どうも。」
輝「…私ね、誰かと一緒に家で食事するの久しぶりなの。」
チミアル「…僕も…誰かと一緒に食事をするのは久しぶりなんだ。」
輝「え、そうなんだ!私達って似てるね。」
チミアル「…そうなのかもね。」
輝「…うん、食べよっか!」
チミアル「…うん!」
輝「いただきます!」
チミアル「…いただきます。」
輝「………」
チミアル「………美味しい」
輝「ほんと?良かった口にあって!」
チミアル「うん…」
輝「……………」
チミアル「………?口になにか付いてる?」
輝「…いや、それどうやって食べてんの…?」
チミアル「?」
輝「なんか…こう…言葉で表現しがたい食べ方してるけど…」
チミアル「そうかな…?」
輝「ま、まぁ、宇宙って広いし!深く考えないでいよう!」
チミアル「………?」
輝「(モグモグ)」
チミアル「………(気にすることはなさそう。)」
輝「ごちそうさまでした」
チミアル「ごちそうさまでした…」
輝「お皿は私が洗っておくから。部屋に行ってていいよ。」
チミアル「ぼ、僕も…手伝うよ…」
輝「え?あ、ありがとう。」
チミアル「これくらいの恩は返さないと…」
輝「………(皿洗ってるとこかわいい…)」
-5分後-
輝「手伝ってくれてありがとね。」
チミアル「………どういたしまして…」
輝「………(照れてるのかな?かわいい…)」
チミアル「あの…輝さんは…お風呂入らなくても…?」
輝「え?あ、うん、入ってくるね。」
チミアル「……………」
輝「…覗かないでね?」
チミアル「の、覗かないけど…!?」
輝「良かった。じゃ、入ってくるね。」
チミアル「……………」
-20分後-
輝「出たよー」
チミアル「……………」
輝「んじゃ、疲れたし寝よっか。」
チミアル「…うん。」
輝(明日………学校やだな…)
チミアル「?」
輝「…あ、行こっか。」
-寝室-
輝「はぁ~、まだ6月なのに早く梅雨明けて暑いんだけど~…」
チミアル「…確かに…この部屋、少し蒸し暑い…」
輝「エアコンは電気代かかるし…扇風機でいいか!」
チミアル「ところで…この惑星のあの衛星らしきものってなんて言うの…?」
輝「月。この惑星の衛星よ。」
チミアル「そうなんだ…」
輝「さぁ、そろそろ寝ましょうか。おやすみ。」
チミアル「うん…(輝さんと一緒の布団…か…)」
輝「どうしたの?」
チミアル「え…?いや…ごめん、寝ようか。おやすみ。」
輝「おやすみ。」
その日はなんだか疲れていて二人とも電気を消した直後に眠りに落ちた。
しかし、輝だけは明日がなければいいと思っていた………
-続-
輝「そろそろ晩ごはんの準備しなきゃな…」
宿題も終えた。時計を見ると、針は5時半ちょっとを指していた。
机の上の照明を消して、部屋の電気も消して部屋から出る。
そして、扉を静かに閉めた。
階段を下って、リビングの扉を開ける。
チミアルくんは起きたのかな。それともまだぐっすり眠っているのかな。
ソファに近づいてチミアルくんの顔を覗く。
すると、そこには汗だくで涙を流しているチミアルくんがいた。
悪夢にうなされているみたい。
輝「チミアルくん!起きて!」
チミアル「(なにかをとても小さな声で言っている)」
輝「起ーきーてー!!」
チミアルくんの体を激しく揺さぶる。
チミアル「……ん?」
輝「あ、良かった起きた~…」
チミアル「………夢?」
輝「大丈夫?怖い夢でも見た?」
チミアル「…思い出した。」
輝「何を。」
チミアル「僕の…親友の名前…」
輝「この子の名前思いだしたんだ!で、なんていう名前なの?」
チミアル「……セシル。」
輝「セシルくんって言うんだ。でも、なんで塗りつぶしてあるの…?」
チミアル「…ごめん、それは…思い出したくない。」
輝「あ、ごめん…」
チミアル「そういえば…お腹減ったな…」
輝「今からご飯作るから!待ってて!」
チミアル「…うん」
輝「♪~」
チミアル(…なんだか楽しそう。僕も…少し楽しいかな…)
-5分後-
輝「出来た~!」
チミアル「………?」
輝「あ、えっと、初めて…見る?」
チミアル「う、うん。」
輝「これはご飯。こっちはお味噌汁。これはアユの塩焼き。これは水。」
チミアル「あ、あの、この二本の棒は…」
輝「これは箸。初めてかな?じゃぁ、スプーンとフォーク持ってくるね。」
チミアル「………うん。」
初めて見る食べ物。どんな味がするんだろう。
少し、期待した。
それに、他の人と一緒に食事をするなんて久しぶり。
わくわくした。
輝「はい。どうぞ。」
チミアル「ど、どうも。」
輝「…私ね、誰かと一緒に家で食事するの久しぶりなの。」
チミアル「…僕も…誰かと一緒に食事をするのは久しぶりなんだ。」
輝「え、そうなんだ!私達って似てるね。」
チミアル「…そうなのかもね。」
輝「…うん、食べよっか!」
チミアル「…うん!」
輝「いただきます!」
チミアル「…いただきます。」
輝「………」
チミアル「………美味しい」
輝「ほんと?良かった口にあって!」
チミアル「うん…」
輝「……………」
チミアル「………?口になにか付いてる?」
輝「…いや、それどうやって食べてんの…?」
チミアル「?」
輝「なんか…こう…言葉で表現しがたい食べ方してるけど…」
チミアル「そうかな…?」
輝「ま、まぁ、宇宙って広いし!深く考えないでいよう!」
チミアル「………?」
輝「(モグモグ)」
チミアル「………(気にすることはなさそう。)」
輝「ごちそうさまでした」
チミアル「ごちそうさまでした…」
輝「お皿は私が洗っておくから。部屋に行ってていいよ。」
チミアル「ぼ、僕も…手伝うよ…」
輝「え?あ、ありがとう。」
チミアル「これくらいの恩は返さないと…」
輝「………(皿洗ってるとこかわいい…)」
-5分後-
輝「手伝ってくれてありがとね。」
チミアル「………どういたしまして…」
輝「………(照れてるのかな?かわいい…)」
チミアル「あの…輝さんは…お風呂入らなくても…?」
輝「え?あ、うん、入ってくるね。」
チミアル「……………」
輝「…覗かないでね?」
チミアル「の、覗かないけど…!?」
輝「良かった。じゃ、入ってくるね。」
チミアル「……………」
-20分後-
輝「出たよー」
チミアル「……………」
輝「んじゃ、疲れたし寝よっか。」
チミアル「…うん。」
輝(明日………学校やだな…)
チミアル「?」
輝「…あ、行こっか。」
-寝室-
輝「はぁ~、まだ6月なのに早く梅雨明けて暑いんだけど~…」
チミアル「…確かに…この部屋、少し蒸し暑い…」
輝「エアコンは電気代かかるし…扇風機でいいか!」
チミアル「ところで…この惑星のあの衛星らしきものってなんて言うの…?」
輝「月。この惑星の衛星よ。」
チミアル「そうなんだ…」
輝「さぁ、そろそろ寝ましょうか。おやすみ。」
チミアル「うん…(輝さんと一緒の布団…か…)」
輝「どうしたの?」
チミアル「え…?いや…ごめん、寝ようか。おやすみ。」
輝「おやすみ。」
その日はなんだか疲れていて二人とも電気を消した直後に眠りに落ちた。
しかし、輝だけは明日がなければいいと思っていた………
-続-
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