男子中学生と宇宙イモムシ

マジカル博士

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宇宙イモムシとの日常

初めての中学校

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制服には着替えた。
カバンも持った。ハンカチもポケットに入れた。
靴下も履いた。カバンの中には教科書やノートが入っている。朝食も食べた。歯磨きもした。トイレにも行った。よし、行くか。中学校へ。しかしその時、
「我もそのチューガッコーとやらに行ってみたいぞ」
「…は?」
スキャくんが中学校に行ってみたいと言い出したのだ。どうすれば良いのだろうか。
「いやいや!スキャくんは中学校の生徒じゃないし…そもそも、人じゃないし…」
「こっそり連れて行けば問題ないだろう?」
「うーん…って、もうこんな時間か!」
時計を見ると既に時刻は7時半を過ぎていた。
8時までには着席してなければないらないので、
あと30分以内に学校に到着し、準備をして、着席してなければならない。因みに、8時までに着席してないと遅刻扱いになる。
「行ってみたいのだが…」
「あー!もう分かったから!虫かごをカバンの中に入れるからな!」

なんとか8時までには間に合った。
さて、問題はここからだ。
スキャくんをどこに隠すか。
虫かごから出しても問題はないとは思うが、バレてしまうと大騒ぎになる可能性が大きい。
さて、突然だがここで俺の友達と先生を紹介しよう。
まず、小学校からの友達の『斎藤 隆幸さいとう まかゆき』。小学校で知り合っていつの間にか友達になっていた。次にメガネボーイの『和田 崎井わだ  さきい』。理系の男子である。女子からはモテモテであって男子からはライバル視されている。最後に俺が恋している存在、『沢田 由佐里さわだ ゆさり』。黒髪でロングで国語が好きな女子。そして、担任の『田中 小平たなか こだ』先生。道徳の先生である。紹介し終わったところで本題に戻ろう。
「…机の中か?」
「こんな小汚い所にはいたくないな。」
「じゃぁどうするんだ?」
「もう正々堂々と白状したらどうだ?そのセンセイとトモダチとやらに。」
「でも…」
「ならあそこの上でどうだ?」
「掃除用具入れの上…か。確かに高いしあそこなら見つからない可能性が高い。」
「では、周りの奴等に気づかれぬように我をあそこに置くのだ。」

一時間目 学活
何事もなく終了。

二時間目 体育
何事もなく終了。

三時間目 国語
スキャくんが寝た。

四時間目 数学
恐れていたことが起こってしまった。
生との中の一人『佐藤 千住 さとう せんじ』が
「…?先生、掃除用具入れの上に見慣れないものがあります。」
「どうしたんだ、佐藤くん?掃除用具入れの上に見慣れないもの?」
「ほら…オレンジ色の…」
「どれどれ…」
まずいまずい!バレる!!
「おい!どっかに隠れろ!(小声)」
「キュピィ…キュピィ…」
そうだ!三時間目に寝たんだった!
あぁぁぁぁぁぁぁ!!!バレるぅぅぅぅぅ!!!
「おい!なんだこれ!?」
あ、オワッタ…アハハ
「え?」
「なんか…オレンジ色の芋虫?みたいなのがいる…」
「え?芋虫?見せてください先生!」
「えぇ?男子ぃ芋虫とかキモいからやめとこうよぉ…」
「ん…?なんだこの芋虫…見たことがないぞ。」
「図鑑にも載ってない…」
どうする?素直に言うか?で、でも…
「え?まさか新種?」
「え!マジかよ!新聞に載るぜ俺達!」
……言うしかないか。
「あ、あの!」
「ん?どうしたんだよ、大智?」
「そ、そいつ………俺の…ペット…なんです…」
「え?」
「は?」
「へ?」
教室が一瞬、凍りついた。素直に言ってしまったが…
「え…お前…マジで…?」
「ちょっと男子!冗談きついよ!」
「そ、そいつ…宇宙から来たんだよ…」
「お前…頭打ったか?」
「今、そいつ寝てるんだよ。今起こすから」
「???」
「おーい、起きろー」
「…む、なんだ?今良いところだったのだが…」
「ごめん、今それどころじゃない。」
「…成程、そういうことか。」
「なんで、そんな冷静なの?」
「宮河、さっきから誰と話しているんだ?」
「こいつに話してます。」
「え゛!?」
「テレパシー、行ける?」
「試してみる…」
皆にもこの声が届くようにテレパシーをお願いした。
さて、どうなるか…
「…聞こえるか?」
「うおっ!?喋ったぞこいつ!」
「え?誰?」
「我は今、テレパシーを通じてお前らの脳内に直接話しかけている。」
「大智、この芋虫すごい上から目線だな…」
「だろ?」
「ねぇ、大智くん。この芋虫、なんていうの?」
「本名はスペース·キャタピラーとか言うらしいけど、長いからスキャくんって呼んでる。」
「ていうか、こいつキモカワだな。」
「よく見ると確かにかわいいわね…」
「宮河…」
「は、はい先生なんですか?」
「この芋虫はどうするんだ?」
「勿論、俺が引き続き飼います。」
「…この芋虫、いやスキャは何の葉を食べるんだ?」
「こいつ、植物は嫌いみたいで肉食なんです。」
「肉食で、宇宙から来た芋虫、か…」
「そーいやさ、大智。宇宙から来たって言ってるけどさ、どうやって来たんだよ?」
「池に落ちてきた隕石にくっついてたんだよ。こいつの卵が。」
「その隕石どうしたんだよ?」
「売った。」
「だよな。」
「ねえねえ、この子このクラスのゆるキャラにしない?」
「いいわねぇそれ!」
「あのー学校が終わったらそいつ俺が持ち帰るからなー。」
「あ…そうなんだ、残念…」
「それと、こいつのことは絶対に口外するなよ。」
「…分かった。」
「…先生もですよ。」
「…分かった。」

五時間目 国語
何事もなく学校終了。

存在がバレてしまったが案外大きな騒ぎにならずに良かったと思う。
「どうだった?中学校は。俺も初めてだけど。」
「チューガッコーは知識を付けるための施設、といったところか。」
「そうそう。」
そして、俺たちは帰路につき帰宅した。

「ただいまー」
「おかえりー」
カバンから虫かごを取り出し、手を洗って制服を脱いで私服に着替える。そして、冷蔵庫から鶏肉を取り出しスキャくんの元へ。
「はい、鶏肉。」
「ありがたい。」
「…」
「…どうしたんだ?そんな深刻そうな顔して。」

■□■□■□■□■□■□■□■□■□

頭が、痛い。

頭に染み付いた人々の悲鳴、銃声、爆撃音、生音、崩壊音。満たされていく空腹感、命を奪うときのほんの少しの罪悪感、殺すことの快楽感、破壊し尽くしたときの爽快感、次の標的に行くときの緊張感、いつ死ぬか分からない恐怖、すぐに空になる満腹感。

頭にノイズが走っているみたいだ。

「……………」
「…誰だ?」
「……許…な、…ィ」
「……………」

誰かの声がする。
我が何をした?

惨殺か。

「      」



次回へ続く。
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