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第11話 王族うぜぇ
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バーバラ聖女の誤解が解け、やっと報告会の会場へと向かう修斗達。
しかし何故か、バーバラ聖女が修斗の斜め後ろを歩いている。
「バーバラ聖女様? どうして私の後ろを歩くのですか?」
「私はシュウト様の素晴らしい力に打ちのめされました。シュウト様こそ神の御使いに相応しいお方です。ならば、聖女たる私はあなたにお仕えするのが筋です」
少々、いやかなり強引な話だが、確かに聖女は神の力を具現化する存在であるが、神の力を借りているのに対し、修斗は直接神の力を使っている。
それを肌で感じ取り、使えるべき主人と認めたのだろう。
その違いをイマイチ理解していない修斗だが、後でバーバラ聖女も落とすつもりでいたから、懐かれるのなら手間が省けてラッキー、程度に思っている様だ。
そして会場に入ると、とても広い部屋に沢山の貴族が集まっていた。
謁見の間とも違う、こういった会議に使う部屋なのだろうが、正面奥には玉座に近い豪華な椅子があり、両脇にもかなり豪華な椅子が並んでいる。
正面のイスには専用のテーブルが置いてあるが、向かいに座るイスは豪華ではあるのだろうが、正面の玉座の様なイスを見た後だとみすぼらしい。
更にテーブルも長テーブルが3つ並べられイスが9個、それが2列で10段はある。
つまり180人は座れることになる。
修斗達はルネリッツ伯爵のお付きのため、中段よりも少し後ろ側の席のようだ。
なるほど、お付きが2人というのは、1つのテーブルを3人で使用するからだろう。ルネリッツ伯爵が右側に座り、修斗・パメラと続く。
バーバラ聖女は最前列に座った。
貴族ではないが、国の方針を決める際に意見を言える立場のようだ。
「ルネリッツ伯爵、今日の資料を見せてください」
「これだ。基本的に自分の領地の前年度との比較で、やりたい政策などがあれば、この場で提案をするんだ」
数枚の紙を手渡され、順番に見ていく。
紙はA4サイズより大きめだが、質も量もスカスカだ。
やりたい政策なども特になく、今まで通りの政策を続ける……らしい。
覚える必要もない内容に、修斗は気持ちを切り替えた。
そもそもここへ来た理由はキャロライン姫であり、こんな報告会の話に参加する必要などないのだ。
「ねぇシュウト、ここの計算まちがってない?」
修斗が放り投げた資料をパメラが見たようで、計算違いを発見したようだ。
だがそれに違和感を感じた修斗……とパメラ。
パメラは計算は得意では無く、桁が多ければ見るのも嫌だったのだ。
それが一目見ただけで計算違いを発見するなど、今までではありえない。
それもこれも、ステータスが爆上がりしてしまったからなのだが、その事に気づいていない2人。
間違い箇所をルネリッツ伯爵が慌てて修正している。
何やら周囲が騒がしくなり、今までダベっていた者たちが着席を始めた。
どうやら王族が来たようだ。
部屋の正面横に扉があり、そこから数名が入ってくる。
男3人、女2人。王冠をかぶっている者が国王だろう。それに続く女性が王妃、王子が2人、そして……キャロライン姫だ。
全員が立ち上がり、王族が座るのを待ってから座る。
この時代としては随分とそっけない対応だが、国民向けのパフォーマンスが必要ない場ではこうなのかも知れない。
「それでは定期報告会を始める。まずはフロイド公爵から」
「は」
報告会が始まったが、修斗は全く話を聞いておらず、ひたすらキャロライン姫を見ていた。
頭の中では『どうやって落そうか』『無理やりヤルか? それとも向こうからせがませるか?』などと考えている。
ふと、名前が呼ばれた。
「シュウト君、ほら立って、聞かれた事に答えて」
ルネリッツ伯爵が修斗の背中を叩いている。
まったく話を聞いていなかったが、会話は何となく耳に入っていたようで、少し前までの会話を思い出している。
ああ、これか。そんな顔をして立ち上がり、口を開いた。
「初めまして皆さま。私は修斗、ルネリッツ伯爵のアドバイザーでございます。質問に対する答えですが、まずは仕事を与えてはどうでしょう。公共事業でもなんでも構いません、浮浪者に簡単な仕事を与え、生活を安定させるのです。そうすれば犯罪は減り、更に税収も得られます」
修斗の話は、この時代では受け入れにくいものだった。
浮浪者など使おうものなら、その事業に参加する者の士気が下がり、命令を下した貴族の名誉にもかかわるからだ。
それを気にできるほど余裕があればいいが、話を振ってきた貴族、どうやら子爵らしいが、年々数字が下がっているようだ。
後の事は子爵が判断する事だろう。
しかし数名の貴族は乗り気の様で、修斗の案を採用するようだ。
その後も修斗に話が振られ、キャロライン姫を自分の物にする計画を練れなかった。少々不機嫌な顔をしているが、キャロライン姫に良い所を見せれた、と考え、途中からは積極的に意見した。
長い長い報告会が終わり、修斗の周りには話をしようと貴族が群がっている。
だがそれを遮る者が居た。
「シュウトと言ったか、話がある、付いてまいれ」
国王だ。
流石の貴族達も、国王が呼んでいる者を邪魔できない。
修斗は内心ほくそ笑みながら立ち上がり、パメラ、ルネリッツ伯爵と共に、隣の部屋へと付いて行った。
やっと姫と話が出来る。修斗は喜んでいたが、残念ながらそう上手くは行かなかった。
「キャロライン、お前はもういいから、部屋へ戻っていなさい」
「……分かりましたお父さま。それではみなさん、ごきげんよう」
会釈をして部屋を出て行ってしまった。
途端に不機嫌になる修斗。第一の目的がどこかへ行ってしまったのだ、良い顔をする必要が無くなった。
残った王族、国王、王妃、王子2人がそれぞれのソファーに座り、それを確認してから、修斗達は長いソファーに腰を下ろす。
「へ、陛下! 此度はどのような、ご、御用件でしょうか!」
ルネリッツ伯爵は緊張しすぎて詰まりまくっている。
伯爵とはいえ、1つの部屋で個人的に話をする機会などそうそうないのだろう。
よく見ると手が少し震えている。
「かしこまらなくともよい。そこの子供、シュウトと言ったか? それと女、パメラだったか? お前たちは貴族では無い様だが、なぜそれほどの知識を持っておる。家庭教師がいるのなら、その者を紹介して欲しい」
どうやら修斗とパメラの知識や発想に驚き、その理由を知りたいようだ。
師に当たる人物がいるのなら、その人物を取り込もうというのだろう。
「えっと、シュウト君、パメラさん、君たちに家庭教師がいるのかい?」
ルネリッツ伯爵がオウムのように同じことを聞いた。
なんとか王と修斗達の間に入りたいのだろう。
「いや、俺は独学だ。家庭教師などいないな」
「アタイも居ないよ。しいて言えばシュウトかな」
シュウトの態度を見て、声を荒げたのが第2王子だ。
「陛下の前で、その態度は何だ! 下賤の分際で、この場に呼ばれるだけでも栄誉ある事だというのに!」
2人を交互に指差し、感情を隠さないでまくし立てる第2王子。
しかし当の2人はどこ吹く風だ。
「黙れゴミクズ。たかが王子の分際で、俺と対等に話が出来るつもりか? 俺と話がしたければ俺と対等になるか、俺の利益になる事を提案しろ」
「こらこらシュウト、シュウトと対等なんて無理に決まってんじゃん。王子様が可愛そうだよ?」
剣を抜きそうになる第2王子を止めたのは、第1王子だった。
第1王子は冷静に話を聞いていたようで、不機嫌ではあるが、口調は柔らかい。
「やめるんだ、父上の前で剣など抜くな。すまないねシュウト君。弟が失礼をした。おっとすまない、王子が話かけてはいけないんだったね」
穏やかではあるが、やはりプライドを傷つけられたのだろう、嫌味は入っていた。
「では国王ならば問題はないか?」
国王自らが確認をしてきた。
しかしその顔は険しい。
「ギリギリだな」
「そうか、では話をしよう。シュウトとパメラ、君たちには城に残り、国の政策に関わって欲しいのだ」
この城に残る。
それはシュウトにとって、キャロライン姫を手に入れる、絶好のチャンスだった。
しかし何故か、バーバラ聖女が修斗の斜め後ろを歩いている。
「バーバラ聖女様? どうして私の後ろを歩くのですか?」
「私はシュウト様の素晴らしい力に打ちのめされました。シュウト様こそ神の御使いに相応しいお方です。ならば、聖女たる私はあなたにお仕えするのが筋です」
少々、いやかなり強引な話だが、確かに聖女は神の力を具現化する存在であるが、神の力を借りているのに対し、修斗は直接神の力を使っている。
それを肌で感じ取り、使えるべき主人と認めたのだろう。
その違いをイマイチ理解していない修斗だが、後でバーバラ聖女も落とすつもりでいたから、懐かれるのなら手間が省けてラッキー、程度に思っている様だ。
そして会場に入ると、とても広い部屋に沢山の貴族が集まっていた。
謁見の間とも違う、こういった会議に使う部屋なのだろうが、正面奥には玉座に近い豪華な椅子があり、両脇にもかなり豪華な椅子が並んでいる。
正面のイスには専用のテーブルが置いてあるが、向かいに座るイスは豪華ではあるのだろうが、正面の玉座の様なイスを見た後だとみすぼらしい。
更にテーブルも長テーブルが3つ並べられイスが9個、それが2列で10段はある。
つまり180人は座れることになる。
修斗達はルネリッツ伯爵のお付きのため、中段よりも少し後ろ側の席のようだ。
なるほど、お付きが2人というのは、1つのテーブルを3人で使用するからだろう。ルネリッツ伯爵が右側に座り、修斗・パメラと続く。
バーバラ聖女は最前列に座った。
貴族ではないが、国の方針を決める際に意見を言える立場のようだ。
「ルネリッツ伯爵、今日の資料を見せてください」
「これだ。基本的に自分の領地の前年度との比較で、やりたい政策などがあれば、この場で提案をするんだ」
数枚の紙を手渡され、順番に見ていく。
紙はA4サイズより大きめだが、質も量もスカスカだ。
やりたい政策なども特になく、今まで通りの政策を続ける……らしい。
覚える必要もない内容に、修斗は気持ちを切り替えた。
そもそもここへ来た理由はキャロライン姫であり、こんな報告会の話に参加する必要などないのだ。
「ねぇシュウト、ここの計算まちがってない?」
修斗が放り投げた資料をパメラが見たようで、計算違いを発見したようだ。
だがそれに違和感を感じた修斗……とパメラ。
パメラは計算は得意では無く、桁が多ければ見るのも嫌だったのだ。
それが一目見ただけで計算違いを発見するなど、今までではありえない。
それもこれも、ステータスが爆上がりしてしまったからなのだが、その事に気づいていない2人。
間違い箇所をルネリッツ伯爵が慌てて修正している。
何やら周囲が騒がしくなり、今までダベっていた者たちが着席を始めた。
どうやら王族が来たようだ。
部屋の正面横に扉があり、そこから数名が入ってくる。
男3人、女2人。王冠をかぶっている者が国王だろう。それに続く女性が王妃、王子が2人、そして……キャロライン姫だ。
全員が立ち上がり、王族が座るのを待ってから座る。
この時代としては随分とそっけない対応だが、国民向けのパフォーマンスが必要ない場ではこうなのかも知れない。
「それでは定期報告会を始める。まずはフロイド公爵から」
「は」
報告会が始まったが、修斗は全く話を聞いておらず、ひたすらキャロライン姫を見ていた。
頭の中では『どうやって落そうか』『無理やりヤルか? それとも向こうからせがませるか?』などと考えている。
ふと、名前が呼ばれた。
「シュウト君、ほら立って、聞かれた事に答えて」
ルネリッツ伯爵が修斗の背中を叩いている。
まったく話を聞いていなかったが、会話は何となく耳に入っていたようで、少し前までの会話を思い出している。
ああ、これか。そんな顔をして立ち上がり、口を開いた。
「初めまして皆さま。私は修斗、ルネリッツ伯爵のアドバイザーでございます。質問に対する答えですが、まずは仕事を与えてはどうでしょう。公共事業でもなんでも構いません、浮浪者に簡単な仕事を与え、生活を安定させるのです。そうすれば犯罪は減り、更に税収も得られます」
修斗の話は、この時代では受け入れにくいものだった。
浮浪者など使おうものなら、その事業に参加する者の士気が下がり、命令を下した貴族の名誉にもかかわるからだ。
それを気にできるほど余裕があればいいが、話を振ってきた貴族、どうやら子爵らしいが、年々数字が下がっているようだ。
後の事は子爵が判断する事だろう。
しかし数名の貴族は乗り気の様で、修斗の案を採用するようだ。
その後も修斗に話が振られ、キャロライン姫を自分の物にする計画を練れなかった。少々不機嫌な顔をしているが、キャロライン姫に良い所を見せれた、と考え、途中からは積極的に意見した。
長い長い報告会が終わり、修斗の周りには話をしようと貴族が群がっている。
だがそれを遮る者が居た。
「シュウトと言ったか、話がある、付いてまいれ」
国王だ。
流石の貴族達も、国王が呼んでいる者を邪魔できない。
修斗は内心ほくそ笑みながら立ち上がり、パメラ、ルネリッツ伯爵と共に、隣の部屋へと付いて行った。
やっと姫と話が出来る。修斗は喜んでいたが、残念ながらそう上手くは行かなかった。
「キャロライン、お前はもういいから、部屋へ戻っていなさい」
「……分かりましたお父さま。それではみなさん、ごきげんよう」
会釈をして部屋を出て行ってしまった。
途端に不機嫌になる修斗。第一の目的がどこかへ行ってしまったのだ、良い顔をする必要が無くなった。
残った王族、国王、王妃、王子2人がそれぞれのソファーに座り、それを確認してから、修斗達は長いソファーに腰を下ろす。
「へ、陛下! 此度はどのような、ご、御用件でしょうか!」
ルネリッツ伯爵は緊張しすぎて詰まりまくっている。
伯爵とはいえ、1つの部屋で個人的に話をする機会などそうそうないのだろう。
よく見ると手が少し震えている。
「かしこまらなくともよい。そこの子供、シュウトと言ったか? それと女、パメラだったか? お前たちは貴族では無い様だが、なぜそれほどの知識を持っておる。家庭教師がいるのなら、その者を紹介して欲しい」
どうやら修斗とパメラの知識や発想に驚き、その理由を知りたいようだ。
師に当たる人物がいるのなら、その人物を取り込もうというのだろう。
「えっと、シュウト君、パメラさん、君たちに家庭教師がいるのかい?」
ルネリッツ伯爵がオウムのように同じことを聞いた。
なんとか王と修斗達の間に入りたいのだろう。
「いや、俺は独学だ。家庭教師などいないな」
「アタイも居ないよ。しいて言えばシュウトかな」
シュウトの態度を見て、声を荒げたのが第2王子だ。
「陛下の前で、その態度は何だ! 下賤の分際で、この場に呼ばれるだけでも栄誉ある事だというのに!」
2人を交互に指差し、感情を隠さないでまくし立てる第2王子。
しかし当の2人はどこ吹く風だ。
「黙れゴミクズ。たかが王子の分際で、俺と対等に話が出来るつもりか? 俺と話がしたければ俺と対等になるか、俺の利益になる事を提案しろ」
「こらこらシュウト、シュウトと対等なんて無理に決まってんじゃん。王子様が可愛そうだよ?」
剣を抜きそうになる第2王子を止めたのは、第1王子だった。
第1王子は冷静に話を聞いていたようで、不機嫌ではあるが、口調は柔らかい。
「やめるんだ、父上の前で剣など抜くな。すまないねシュウト君。弟が失礼をした。おっとすまない、王子が話かけてはいけないんだったね」
穏やかではあるが、やはりプライドを傷つけられたのだろう、嫌味は入っていた。
「では国王ならば問題はないか?」
国王自らが確認をしてきた。
しかしその顔は険しい。
「ギリギリだな」
「そうか、では話をしよう。シュウトとパメラ、君たちには城に残り、国の政策に関わって欲しいのだ」
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それはシュウトにとって、キャロライン姫を手に入れる、絶好のチャンスだった。
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