ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第3章 異世界召喚

第111話 仲間外れのイルメリータント国

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 朝から晩までカイリを抱き続け、夜は夜で全員を相手にしていた修斗。
 その間に各国から貢物やら何やらが贈られてきたが、全て他の勇者たちが対応していた。
 そんな生活が10日ほど続いたある日、勇者召喚を行った国・イルメリータント国王が再び修斗を尋ねて来た。

「お願いです勇者様、我が国を連盟に参加させてください!」

 なんの事か分からなかったが、どうやら人間らしき者ヒューマノイド同士で対魔族組織を作ったらしい。
 相互の情報共有や戦力の貸し出し、その他にも様々な協力をするというものだ。

 ではなぜイルメリータント国が参加できなかったのか。
 それは修斗が7国を滅ぼす前に発した、放送時の言葉にあった。

『最後に来たイルメリータント国はギリギリ間に合ったので許そう』

 その時に滅ぼされた国は、いずれもイルメリータントと繋がりが強く、さらに勇者召喚に大賛成していた国々だ。
 その国を裏切って、イルメリータントは自国だけが生き残った。
 そんな国を連盟に参加させたら、一体どんな裏切り行為をするか分かった物ではない、と言う事だろう。

 修斗からしたらどうでもいい事であり、更にいうとカイリとの行為を中断させられたため、どちらかというと怒りの方が強かった。
 応接室のソファーでふんぞり返って足を組み、あからさまに不機嫌さを表現している。

「知るか。俺の知らない所で出来た物に対して、どうして俺が口を出すと思ったんだ? お前は町の子供が仲良しグループを作ったら、一々俺に報告して参加させてくれと言うのか?」

「そ、そうではありません! ですが連盟に参加できなければ、我が国は1国で魔族に対処しなければなりません。そんな事になれば我が国は……!」

「だから知らないと言っている。帰れ!」

「そこを何とか!」

「あの、シュウト様、一つ案がございます」

 カイリが1歩前に出て、修斗に提案をする。

「イルメリータント国は人間らしき者ヒューマノイドの中では大国です。特に経済はずば抜けており、他国の追随を許しません。連盟資金の半分を負担するという事で、話を通してはどうでしょうか」

 現在残っている国は19ヶ国。
 その中で孤立する事は破滅を意味している。
 カイリの提案だから受けたい気持ちもあるが、修斗にとっては嫌いな国のために動くのが嫌だった。

「ならお前がやってみろカイリ。俺はもうこの世界に対して行動を起こす事は無い。おいお前ら、お前達も残るなら、少しは手伝ってやれ」

「なんでぇ、おりゃ~しっぽりしけこむつもりだったのによぅ。しゃ~ねぇ~なぁ、あ~ん?」

「ま、たまには力を貸しても良いだろう」

「ふはっははは! 聖騎士パラディンとして、この世界に最初にする貢献だね!」

「シュウト様、ありがとうございます。必ず話をまとめてまいります」

 早速準備を始め、カイリはイルメリータント国王を連れて屋敷を出て行った。
 それを護衛するように男勇者達も出て行く。

 カイリ達が話をまとめてくるまでに、修斗には確認しておくことがあった。
 それはラグズが作る魔道具には、魔石が必要な事だ。
 元の世界でも魔力を帯びた石はあるが、同じものなのかどうかだ。

「魔石は魔力を帯びた石ッスけど、単一結晶の石が一番効率がいいッスね。例えば宝石とか。そこらに転がっている石ころだと、混じり気が多すぎて魔力が上手く伝わらないんスよ」

「魔力の再充填は可能か?」

「出来るッス。魔法制御が上手い人なら出来るッスよ。専門の職業もあるッス」

 そこらに放置されている貢物の中から宝石を取り出し、手に握って魔力を込めてみる。
 コップに水を注ぐようなイメージで魔力を注ぐと、満タンになった時に宝石からほのかに光った。

「おお! 流石ッスねお兄さん! 最初から魔力を帯びてない宝石を魔石にするなんて、普通の人には出来ないッスよ!」

「……なぁラグ、魔石には魔力しか注げないのか?」

「どういう意味ッスか?」

「例えば、だ」

 別の宝石を貢物の中から取り出し、少し違った方法で魔石を作り出す。

「この宝石には、炎の属性を付加させてみた。コレを蛇口に取り付けたら、水ではなくお湯が出たりしないか?」

 魔道具の燃料は魔石だ。
 その魔石に属性を付ける事により、ただの魔石とは違う使い方が出来ないか、という事だ。

「そ、その発想は無かったッスね。やってみないと分からないんで、早速やってみるッスよ!」

 ラグズが蛇口一式を持ってきて、水の入った大きな桶に蛇口のパイプを差し込む。
 ただの魔石なら蛇口を回しても水が出るだけだが、炎の魔石ならばどうなのか……。

「熱い! 蛇口が熱くて触れないッスよ!!!」

「あ~、こうなるのか」

 残念ながら、蛇口そのものが熱を持ってしまい、使用に耐えられるモノではなかった。

「なかなか上手く行かないものだな」

「お兄さん、凄い事考えるッスね。こんな事、今まで誰も思いつかなかったッス」

 何の事は無い、日本にあった瞬間湯沸かし器を参考にしただけだった。
 魔道具という物は、日本にあった物を魔法で再現できる物だと考え、何とか便利に使えないかと思っている。

「残念ながら上手く行かなかったがな」

「でも、そうッスね……少しやり方を変えてみたらどうッスかね。たとえば……」

 道具を取り出して、蛇口の先に付ける延長パイプを作り始める。
 そこに炎の魔石を取り付け、水を出すと……蛇口は熱くならず、熱湯が出てきた。

「おおー! 上手く行ったッス! ふんふん、温度調節が出来るようにしたいッスね」

 ラグズは楽しそうに蛇口の改造を始めた。
 その後は怒涛の様に色々な魔道具が作られるようになる。
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