123 / 373
第4章 学園支配
第123話 シュウトの愛人は貴族様
しおりを挟む
学園での生活は快適とは言わないまでも、悪くない生活だろう。
生徒会長フランチェスカに手を出して、修斗の性欲は少し治まりを見せていた。
あとはクラスメイトのポリンと数名に相手をさせたいのだが、事後にあからさまに態度を変えられてしまうと面倒なので、少し慎重になっているようだ。
学園は全寮制で、朝食や夕食は寮の食堂で取るのだが、男子と女子は別棟であり、寮に戻った後に女子に会うには寮を出る必要がある。
そんなある日、美しい女性たちが修斗を尋ねて来た。
2人の女性は恐らく貴族だろうか、キレイなドレスと細かな刺繍が施された日傘を持ち、男子寮へと入っていく。
それを高い場所にある部屋から見ている人物がいる。
「あれは……おかしい、聞いていた貴族とは違うのでは? あの佇まいはまるで……そう、まるで賢姫・剣姫ではありませんか」
2人の女性が男子寮に入ったのを確認し、カーテンを閉めると机に置いてあるベルを鳴らす。
ドアが開けられ、髪の長いメガネの男が入ってくる。
「お呼びでしょうか、学園長」
「今日訪問予定だった2人の女性と、あの少年の関係を調べて欲しい」
「子供は元気にしているか?」
修斗の部屋で、ソファーに座る修斗、そしてナターシャ王太子妃とキャシー第2王子妃。
実はマジーク魔法国連邦は、修斗が転生した国ロールドルフ王国の隣にあるのだ。
なので別の貴族の名を使い、お忍びで修斗に会いに来たようだ。
「はい。お陰様で上の子は3歳になりました。下の子たちもすくすくと育っております」
「能力的にはどうだ?」
「高いですね。通常の倍以上の速度で伸びていますし、言葉を覚えるのも、歩くのも早かったので、体の大きさは変わらなくても、同年代どころか、15歳の平均よりも能力が上かもしれません」
「下の子たちは……ああ、小さすぎてまだ分からないか」
ナターシャとキャシーは修斗が意図的に能力を高くした女達だ。
今では平均が8000を超えており、ザナドゥ王国の重鎮とは比べられないが、この世界にいた魔王よりも強くなっている。
その高い能力を持った者から生まれた子は、能力がどうなるのか、修斗は以前から気になっていたのだ。
手を出した女の数は数えきれないが、ここまで能力が高くなり、さらに子供を産んだ者は2人だけだ。
種は修斗ではなく普通の男……まぁ王子達だが、能力的には普通の男と変わらない。
それでも能力の伸びが早いという事は、間違いなくナターシャとキャシーの遺伝子のお陰だろう。
もしも修斗とお気に入りの女の間に子が産まれたら……。
「シュウト様、異世界に行かれていたそうですが、アタシ達もお話をききたいです」
対外的には旅行に行っていた事になっているが、親密な相手には事情を話してあるようだ。
もちろん連れて来た女達の事も。
修斗がいる限りは問題ないだろうが、大魔王エルノヴァの能力は破格であり、この世界にいた魔王とは格が違う。
警戒という意味でも伝えておいた方がよいだろう。
もっともこの世界にいた魔王達は、ザナドゥ王国で兵士の訓練相手となっているのだが。
「それにしてもキャシー、お前は30を過ぎているんだろう? 相変わらず美しいな。秘訣でもあるのか?」
「秘訣ですか? そんなの決まってますよ、シュウト様に可愛がって欲しいからです」
「私達にとって、シュウト様に愛されることが一番の秘訣ですしね」
「そうなのか? ではその美しさを確認してやろう」
「ちょっと待ちなさいシュウト君」
修斗が人の少ない場所を巡回していると、後ろから生徒会長フランチェスカに呼び止められた。
「どうしたんですか? 僕に何か御用でしょうか」
猫をかぶったまま対応をしたのだが、どうやらそれが不服の様で、少し怒った顔で修斗に詰め寄る。
「どうしたじゃないわよ! あ、あれ以来シュウトきゅん、相手をしてくれないじゃない!」
「きゅん?」
「しゅ、シュウト君よ! もう! まさか、私は遊びだったとでも言うのかしら!?」
「遊びじゃありませんよ。生徒会長の事は好きですし、迷惑をかけないよう声はかけずにいたのですが……僕の存在が大っぴらになっては困るでしょう?」
「そ、それは……そうだけど。そ、それに! この前シュウトきゅ……君に貴族の女性が会いに来たでしょう? 本命はそっちなんじゃないかって!」
ナターシャ王太子妃とキャシー第2王子妃の事だろう。
その事は学園内でもウワサになっており、クラスメイトのポリン達も気にしていた。
『あの美人は一体誰なのか!? シュウト愛人説!』などという学園新聞が出来ている。
ある程度は予想していたが、あれが賢姫・剣姫とバレていないことが幸いだ。
「安心してください、あれはただの遠い親戚です。普段は俺とは離れて暮らしているから、久しぶりに顔を見に来ただけですよ」
「本当かしら?」
「本当ですとも」
ジッと修斗の顔を見ているが、笑顔を崩さない修斗の本心が見えず、諦めたようにため息をつく。
「まぁいいわ、その言葉を信じるしかないものね。不安はあるけど、これで再来月の競技会に集中できそう」
「競技会?」
「ええ、年に1回、魔法を使った競技会が学園で催されるのよ。1、2、3年合同で、4つのチームに分かれて点数を競い合うの」
運動会の様な物だろうか。
魔法学園だから魔法を競い合うという事だろう。
各学年6クラスあるので、バランスを取るのが難しそうだ。
「じゃあ僕と生徒会長が同じ組になるかもしれないんですか?」
「恐らく無理ね。シュウトきゅんも私も学年でトップのクラスだから、同じ組になるとバランスが取れなくなるのよ」
「それは残念ですね。ですが手は抜きませんよ?」
「もちろんよ! そして今年も私のチームが勝つわ! 3連覇を目指しているもの」
フランチェスカ生徒会長、実はお祭りごとが好きで、1年の時はたまたまだったが、2年の時は間違いなくエースとして活躍していたのだ。
3年になり、今年も勝つことを目標の1つとしている。
「それは残念ですね、僕も負ける気はありませんので、今年は諦めてください」
こうして競技会へ向けて準備が始まるのだった。
生徒会長フランチェスカに手を出して、修斗の性欲は少し治まりを見せていた。
あとはクラスメイトのポリンと数名に相手をさせたいのだが、事後にあからさまに態度を変えられてしまうと面倒なので、少し慎重になっているようだ。
学園は全寮制で、朝食や夕食は寮の食堂で取るのだが、男子と女子は別棟であり、寮に戻った後に女子に会うには寮を出る必要がある。
そんなある日、美しい女性たちが修斗を尋ねて来た。
2人の女性は恐らく貴族だろうか、キレイなドレスと細かな刺繍が施された日傘を持ち、男子寮へと入っていく。
それを高い場所にある部屋から見ている人物がいる。
「あれは……おかしい、聞いていた貴族とは違うのでは? あの佇まいはまるで……そう、まるで賢姫・剣姫ではありませんか」
2人の女性が男子寮に入ったのを確認し、カーテンを閉めると机に置いてあるベルを鳴らす。
ドアが開けられ、髪の長いメガネの男が入ってくる。
「お呼びでしょうか、学園長」
「今日訪問予定だった2人の女性と、あの少年の関係を調べて欲しい」
「子供は元気にしているか?」
修斗の部屋で、ソファーに座る修斗、そしてナターシャ王太子妃とキャシー第2王子妃。
実はマジーク魔法国連邦は、修斗が転生した国ロールドルフ王国の隣にあるのだ。
なので別の貴族の名を使い、お忍びで修斗に会いに来たようだ。
「はい。お陰様で上の子は3歳になりました。下の子たちもすくすくと育っております」
「能力的にはどうだ?」
「高いですね。通常の倍以上の速度で伸びていますし、言葉を覚えるのも、歩くのも早かったので、体の大きさは変わらなくても、同年代どころか、15歳の平均よりも能力が上かもしれません」
「下の子たちは……ああ、小さすぎてまだ分からないか」
ナターシャとキャシーは修斗が意図的に能力を高くした女達だ。
今では平均が8000を超えており、ザナドゥ王国の重鎮とは比べられないが、この世界にいた魔王よりも強くなっている。
その高い能力を持った者から生まれた子は、能力がどうなるのか、修斗は以前から気になっていたのだ。
手を出した女の数は数えきれないが、ここまで能力が高くなり、さらに子供を産んだ者は2人だけだ。
種は修斗ではなく普通の男……まぁ王子達だが、能力的には普通の男と変わらない。
それでも能力の伸びが早いという事は、間違いなくナターシャとキャシーの遺伝子のお陰だろう。
もしも修斗とお気に入りの女の間に子が産まれたら……。
「シュウト様、異世界に行かれていたそうですが、アタシ達もお話をききたいです」
対外的には旅行に行っていた事になっているが、親密な相手には事情を話してあるようだ。
もちろん連れて来た女達の事も。
修斗がいる限りは問題ないだろうが、大魔王エルノヴァの能力は破格であり、この世界にいた魔王とは格が違う。
警戒という意味でも伝えておいた方がよいだろう。
もっともこの世界にいた魔王達は、ザナドゥ王国で兵士の訓練相手となっているのだが。
「それにしてもキャシー、お前は30を過ぎているんだろう? 相変わらず美しいな。秘訣でもあるのか?」
「秘訣ですか? そんなの決まってますよ、シュウト様に可愛がって欲しいからです」
「私達にとって、シュウト様に愛されることが一番の秘訣ですしね」
「そうなのか? ではその美しさを確認してやろう」
「ちょっと待ちなさいシュウト君」
修斗が人の少ない場所を巡回していると、後ろから生徒会長フランチェスカに呼び止められた。
「どうしたんですか? 僕に何か御用でしょうか」
猫をかぶったまま対応をしたのだが、どうやらそれが不服の様で、少し怒った顔で修斗に詰め寄る。
「どうしたじゃないわよ! あ、あれ以来シュウトきゅん、相手をしてくれないじゃない!」
「きゅん?」
「しゅ、シュウト君よ! もう! まさか、私は遊びだったとでも言うのかしら!?」
「遊びじゃありませんよ。生徒会長の事は好きですし、迷惑をかけないよう声はかけずにいたのですが……僕の存在が大っぴらになっては困るでしょう?」
「そ、それは……そうだけど。そ、それに! この前シュウトきゅ……君に貴族の女性が会いに来たでしょう? 本命はそっちなんじゃないかって!」
ナターシャ王太子妃とキャシー第2王子妃の事だろう。
その事は学園内でもウワサになっており、クラスメイトのポリン達も気にしていた。
『あの美人は一体誰なのか!? シュウト愛人説!』などという学園新聞が出来ている。
ある程度は予想していたが、あれが賢姫・剣姫とバレていないことが幸いだ。
「安心してください、あれはただの遠い親戚です。普段は俺とは離れて暮らしているから、久しぶりに顔を見に来ただけですよ」
「本当かしら?」
「本当ですとも」
ジッと修斗の顔を見ているが、笑顔を崩さない修斗の本心が見えず、諦めたようにため息をつく。
「まぁいいわ、その言葉を信じるしかないものね。不安はあるけど、これで再来月の競技会に集中できそう」
「競技会?」
「ええ、年に1回、魔法を使った競技会が学園で催されるのよ。1、2、3年合同で、4つのチームに分かれて点数を競い合うの」
運動会の様な物だろうか。
魔法学園だから魔法を競い合うという事だろう。
各学年6クラスあるので、バランスを取るのが難しそうだ。
「じゃあ僕と生徒会長が同じ組になるかもしれないんですか?」
「恐らく無理ね。シュウトきゅんも私も学年でトップのクラスだから、同じ組になるとバランスが取れなくなるのよ」
「それは残念ですね。ですが手は抜きませんよ?」
「もちろんよ! そして今年も私のチームが勝つわ! 3連覇を目指しているもの」
フランチェスカ生徒会長、実はお祭りごとが好きで、1年の時はたまたまだったが、2年の時は間違いなくエースとして活躍していたのだ。
3年になり、今年も勝つことを目標の1つとしている。
「それは残念ですね、僕も負ける気はありませんので、今年は諦めてください」
こうして競技会へ向けて準備が始まるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる