133 / 373
第4章 学園支配
第133話 最終戦 学園側の意思表示
しおりを挟む
競技会最終日。
この日は4チームによる団体戦が行われるため、前2日とは違う会場で行われる。
山一つを丸々使ったステージで、4チームによる総当たり戦をするのだ。
ルールは簡単、山の両端に分かれ、敵のフラッグを奪うだけ。
武器の持ち込みはできないが、魔法による武器作製はOKで、魔法の威力は相手に怪我を負わせない程度に制限をかけられれいる。
なので生徒は全力で戦っても問題はない。
修斗の魔法を制限できるのかと心配になりそうだが、修斗は人を殺し慣れており、拷問などでも良く魔法を使うため、どの程度まで大丈夫か理解している。
なので最初から手加減をするつもりでいる。褒められたことではないが。
現在のチームの点数は以下の通り。
青龍チーム:2981(修斗のチーム)
朱雀チーム:2819(生徒会長のチーム)
玄武チーム:1222
白虎チーム:1183
青龍と朱雀の差は162点であり、全勝した方が優勝できる差だ。
3年のトップクラスが全種目に参加しただけあり、ここまで食い下がるのは流石と言える。
しかしここにきて学園側が、生徒会長の3連覇阻止すべく最後の一手を打ってきた。
生徒会長のチームは、午後から3連続で試合をする予定となっている。
その最終戦をするのが修斗のチームだ。
修斗達は午前中に2試合し、しっかり休んでから最終戦に挑むことができる。
それに対し生徒会長のチームは、間に休憩こそあれ、3連続というのは体力的にも辛いだろう。
「やってくれるわね、先生方も」
「どうするフランチェスカ。3連戦では体力が持たないぞ」
「……仕方がないわ、体力回復ポーションを可能な限り用意しておきましょう。精神的には回復しなくても、体だけは万全にしておくのよ」
「分かった。かき集めれるだけかき集めてくる」
生徒会長フランチェスカはチームに配られた紙を見て、苦々しい顔をする。
学園は1人の英雄を作る場ではないとはいえ、生徒に対してここまで強硬姿勢を示すとは思わなかったのだ。
万全では無いにせよ、色々な策を講じてきたのだが、生徒会長の朱雀チームはすでに疲労困憊だ。
ただでさえ戦力になるのは3年生だけな上、2日で12種目に参加し、すでに心身ともに疲れているのだから。
フランチェスカも例外ではなく疲れている。
「はぁ……本当ならシュウト君と全力で戦ってみたかったけど、そんなの出来ないわよね。青龍チームは1年生ですら脅威なのに、どうしたらいいのかしら」
それでも勝負を諦める事はせず、必死に策を考えるのだった。
「ふ~ん。担任が言っていたけど、本当にえげつない組み方をするんですね」
「ここまで来ると、フランチェスカさんが可愛そうになってきた」
修斗とポリンが紙を見て驚いている。
「生徒会長なら作戦を考えると思うから、その戦い方を楽しみにしていよう」
すっかりネコをかぶった受け答えに慣れた修斗。
修斗からしたらどういう順番で戦おうが勝つ気でいるため、順番を気にしてはいなかった。
しかし予想の上をいかれた様だ。
団体戦が開始され、各人が判定ペンダントを身に付ける。
これは魔法攻撃を食らうとその威力により数値が増え、死亡判定が出ると失格となる。
修斗の青龍チームは問題なく2戦を勝利し、残りは最終戦のみとなるのだが、思った以上に作戦をさらけ出している。
まるで生徒会長に自分たちの戦い方を見せているように。
「舐められてる……? いえ、せめてもの情けという事かしらね。ありがとうシュウト君、最大限利用させてもらうわ」
そして迎えた最終戦。
生徒会長の朱雀チームも2連勝し、この戦いで優勝が決まる。
試合前の挨拶の後で、フランチェスカは修斗を挑発した。
「情けをかけたつもりかしら? それとも私は舐められているのかしら? 1年生が3年生を軽く見ると、痛いしっぺ返しを食らうわよ?」
「舐めちゃいないさ。基本戦術は変えないから、精々足掻いて見せろ」
それだけ言って自陣へと向かう。
修斗達の基本陣形はフラッグの防衛に1クラス置き、残りの3クラスで敵フラッグへと進む作戦だ。
1チームに4クラスいる相手でも問題なかった作戦で、生徒会長の朱雀チームは1クラス分少ないため、前線の3クラスがそれぞれ会敵した場合、フラッグの防衛クラスから数名が敵フラッグへ向かうのだ。
森の中にある教会の廃虚の中で、修斗は青龍チームに指示を出している。
「基本戦略は同じで行きましょう。数が多いこちらは有利ですが、相手の人数確認だけは怠らないでください」
「分かった。何かあれば指示を仰ぐが、緊急の場合は自分の判断で動く、でいいんだな?」
「ええ、お願いします」
修斗の青龍チームは120人。対する生徒会長の朱雀チームは90人。
人数的には修斗が有利だが、流石は2連覇を果たした生徒会長、最後の最後まで分からない試合となるのだった。
この日は4チームによる団体戦が行われるため、前2日とは違う会場で行われる。
山一つを丸々使ったステージで、4チームによる総当たり戦をするのだ。
ルールは簡単、山の両端に分かれ、敵のフラッグを奪うだけ。
武器の持ち込みはできないが、魔法による武器作製はOKで、魔法の威力は相手に怪我を負わせない程度に制限をかけられれいる。
なので生徒は全力で戦っても問題はない。
修斗の魔法を制限できるのかと心配になりそうだが、修斗は人を殺し慣れており、拷問などでも良く魔法を使うため、どの程度まで大丈夫か理解している。
なので最初から手加減をするつもりでいる。褒められたことではないが。
現在のチームの点数は以下の通り。
青龍チーム:2981(修斗のチーム)
朱雀チーム:2819(生徒会長のチーム)
玄武チーム:1222
白虎チーム:1183
青龍と朱雀の差は162点であり、全勝した方が優勝できる差だ。
3年のトップクラスが全種目に参加しただけあり、ここまで食い下がるのは流石と言える。
しかしここにきて学園側が、生徒会長の3連覇阻止すべく最後の一手を打ってきた。
生徒会長のチームは、午後から3連続で試合をする予定となっている。
その最終戦をするのが修斗のチームだ。
修斗達は午前中に2試合し、しっかり休んでから最終戦に挑むことができる。
それに対し生徒会長のチームは、間に休憩こそあれ、3連続というのは体力的にも辛いだろう。
「やってくれるわね、先生方も」
「どうするフランチェスカ。3連戦では体力が持たないぞ」
「……仕方がないわ、体力回復ポーションを可能な限り用意しておきましょう。精神的には回復しなくても、体だけは万全にしておくのよ」
「分かった。かき集めれるだけかき集めてくる」
生徒会長フランチェスカはチームに配られた紙を見て、苦々しい顔をする。
学園は1人の英雄を作る場ではないとはいえ、生徒に対してここまで強硬姿勢を示すとは思わなかったのだ。
万全では無いにせよ、色々な策を講じてきたのだが、生徒会長の朱雀チームはすでに疲労困憊だ。
ただでさえ戦力になるのは3年生だけな上、2日で12種目に参加し、すでに心身ともに疲れているのだから。
フランチェスカも例外ではなく疲れている。
「はぁ……本当ならシュウト君と全力で戦ってみたかったけど、そんなの出来ないわよね。青龍チームは1年生ですら脅威なのに、どうしたらいいのかしら」
それでも勝負を諦める事はせず、必死に策を考えるのだった。
「ふ~ん。担任が言っていたけど、本当にえげつない組み方をするんですね」
「ここまで来ると、フランチェスカさんが可愛そうになってきた」
修斗とポリンが紙を見て驚いている。
「生徒会長なら作戦を考えると思うから、その戦い方を楽しみにしていよう」
すっかりネコをかぶった受け答えに慣れた修斗。
修斗からしたらどういう順番で戦おうが勝つ気でいるため、順番を気にしてはいなかった。
しかし予想の上をいかれた様だ。
団体戦が開始され、各人が判定ペンダントを身に付ける。
これは魔法攻撃を食らうとその威力により数値が増え、死亡判定が出ると失格となる。
修斗の青龍チームは問題なく2戦を勝利し、残りは最終戦のみとなるのだが、思った以上に作戦をさらけ出している。
まるで生徒会長に自分たちの戦い方を見せているように。
「舐められてる……? いえ、せめてもの情けという事かしらね。ありがとうシュウト君、最大限利用させてもらうわ」
そして迎えた最終戦。
生徒会長の朱雀チームも2連勝し、この戦いで優勝が決まる。
試合前の挨拶の後で、フランチェスカは修斗を挑発した。
「情けをかけたつもりかしら? それとも私は舐められているのかしら? 1年生が3年生を軽く見ると、痛いしっぺ返しを食らうわよ?」
「舐めちゃいないさ。基本戦術は変えないから、精々足掻いて見せろ」
それだけ言って自陣へと向かう。
修斗達の基本陣形はフラッグの防衛に1クラス置き、残りの3クラスで敵フラッグへと進む作戦だ。
1チームに4クラスいる相手でも問題なかった作戦で、生徒会長の朱雀チームは1クラス分少ないため、前線の3クラスがそれぞれ会敵した場合、フラッグの防衛クラスから数名が敵フラッグへ向かうのだ。
森の中にある教会の廃虚の中で、修斗は青龍チームに指示を出している。
「基本戦略は同じで行きましょう。数が多いこちらは有利ですが、相手の人数確認だけは怠らないでください」
「分かった。何かあれば指示を仰ぐが、緊急の場合は自分の判断で動く、でいいんだな?」
「ええ、お願いします」
修斗の青龍チームは120人。対する生徒会長の朱雀チームは90人。
人数的には修斗が有利だが、流石は2連覇を果たした生徒会長、最後の最後まで分からない試合となるのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる