ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第4章 学園支配

第133話 最終戦 学園側の意思表示

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 競技会最終日。
 この日は4チームによる団体戦が行われるため、前2日とは違う会場で行われる。
 山一つを丸々使ったステージで、4チームによる総当たり戦をするのだ。

 ルールは簡単、山の両端に分かれ、敵のフラッグを奪うだけ。
 武器の持ち込みはできないが、魔法による武器作製はOKで、魔法の威力は相手に怪我を負わせない程度に制限をかけられれいる。
 なので生徒は全力で戦っても問題はない。

 修斗の魔法を制限できるのかと心配になりそうだが、修斗は人を殺し慣れており、拷問などでも良く魔法を使うため、どの程度まで大丈夫か理解している。
 なので最初から手加減をするつもりでいる。褒められたことではないが。

 現在のチームの点数は以下の通り。
 青龍チーム:2981(修斗のチーム)
 朱雀チーム:2819(生徒会長のチーム)
 玄武チーム:1222
 白虎チーム:1183

 青龍と朱雀の差は162点であり、全勝した方が優勝できる差だ。
 3年のトップクラスが全種目に参加しただけあり、ここまで食い下がるのは流石と言える。
 しかしここにきて学園側が、生徒会長の3連覇阻止すべく最後の一手を打ってきた。

 生徒会長のチームは、午後から3連続で試合をする予定となっている。
 その最終戦をするのが修斗のチームだ。
 修斗達は午前中に2試合し、しっかり休んでから最終戦に挑むことができる。

 それに対し生徒会長のチームは、間に休憩こそあれ、3連続というのは体力的にも辛いだろう。

「やってくれるわね、先生方も」

「どうするフランチェスカ。3連戦では体力が持たないぞ」

「……仕方がないわ、体力回復ポーションを可能な限り用意しておきましょう。精神的には回復しなくても、体だけは万全にしておくのよ」

「分かった。かき集めれるだけかき集めてくる」

 生徒会長フランチェスカはチームに配られた紙を見て、苦々しい顔をする。
 学園は1人の英雄を作る場ではないとはいえ、生徒に対してここまで強硬姿勢を示すとは思わなかったのだ。
 万全では無いにせよ、色々な策を講じてきたのだが、生徒会長の朱雀チームはすでに疲労困憊ひろうこんぱいだ。

 ただでさえ戦力になるのは3年生だけな上、2日で12種目に参加し、すでに心身ともに疲れているのだから。
 フランチェスカも例外ではなく疲れている。

「はぁ……本当ならシュウト君と全力で戦ってみたかったけど、そんなの出来ないわよね。青龍チームは1年生ですら脅威なのに、どうしたらいいのかしら」

 それでも勝負を諦める事はせず、必死に策を考えるのだった。



「ふ~ん。担任が言っていたけど、本当にえげつない組み方をするんですね」

「ここまで来ると、フランチェスカさんが可愛そうになってきた」

 修斗とポリンが紙を見て驚いている。
 
「生徒会長なら作戦を考えると思うから、その戦い方を楽しみにしていよう」
 
 すっかりネコをかぶった受け答えに慣れた修斗。
 修斗からしたらどういう順番で戦おうが勝つ気でいるため、順番を気にしてはいなかった。
 しかし予想の上をいかれた様だ。



 団体戦が開始され、各人が判定ペンダントを身に付ける。
 これは魔法攻撃を食らうとその威力により数値が増え、死亡判定が出ると失格となる。

 修斗の青龍チームは問題なく2戦を勝利し、残りは最終戦のみとなるのだが、思った以上に作戦をさらけ出している。
 まるで生徒会長に自分たちの戦い方を見せているように。

「舐められてる……? いえ、せめてもの情けという事かしらね。ありがとうシュウト君、最大限利用させてもらうわ」

 そして迎えた最終戦。
 生徒会長の朱雀チームも2連勝し、この戦いで優勝が決まる。
 試合前の挨拶の後で、フランチェスカは修斗を挑発した。

「情けをかけたつもりかしら? それとも私は舐められているのかしら? 1年生が3年生を軽く見ると、痛いしっぺ返しを食らうわよ?」

「舐めちゃいないさ。基本戦術は変えないから、精々足掻あがいて見せろ」

 それだけ言って自陣へと向かう。

 修斗達の基本陣形はフラッグの防衛に1クラス置き、残りの3クラスで敵フラッグへと進む作戦だ。
 1チームに4クラスいる相手でも問題なかった作戦で、生徒会長の朱雀チームは1クラス分少ないため、前線の3クラスがそれぞれ会敵した場合、フラッグの防衛クラスから数名が敵フラッグへ向かうのだ。

 森の中にある教会の廃虚の中で、修斗は青龍チームに指示を出している。

「基本戦略は同じで行きましょう。数が多いこちらは有利ですが、相手の人数確認だけは怠らないでください」

「分かった。何かあれば指示を仰ぐが、緊急の場合は自分の判断で動く、でいいんだな?」

「ええ、お願いします」

 修斗の青龍チームは120人。対する生徒会長の朱雀チームは90人。
 人数的には修斗が有利だが、流石は2連覇を果たした生徒会長、最後の最後まで分からない試合となるのだった。
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