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第4章 学園支配
第150話 7学園対抗戦終了! そして報復準備
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「シュウト様ーーー!!! 準備が出来ましたーーー!!! どちらにおいでですかーーー!!!」
バーバラが会場の外から大声を上げると、競技場内から指笛が聞えて来る。
それを隣にいたキャロラインが反応し、笛の方を確認した。
「見えた! 待っていてくださいシュウトさん、すぐにコレを送ります!」
右手を左から右に水平に移動させると、そこには呪文のような文字が浮かび上がる。
それと並行して足元には丸い魔法陣が発生し、高速で回転を始めると膝上まで浮かび上がり魔法陣と呪文の文字が消えた。
「確かに送りましたよ、シュウトさん」
キャロラインから何かを受け取り、脳内に直接入ってきた情報を読み取ると、修斗はニヤリと笑う。
「は~ん、そういう事か。おいフランチェスカ」
隣で防御魔法を使っているフランチェスカを呼ぶと、頭に手を乗せて頭の中に情報を放り込む。
「ひぃやぁあああ! なに!? ななななななな!?!?!?」
「その呪文を唱えろ。いい事が起きるはずだ」
「な、何をしたのか分からないけれど、やればいいのね?」
呟くように呪文を唱え、最後に魔法名を発する。
「薬物洗浄!」
フッとフランチェスカを中心に風が広がる。
その直後に強い光が発せられ、競技会場全体を覆いつくした。
「キャー! なによ! 何をやらせたのシュウト君!」
「はーっはっはっは! 見てるか悪さをした連中ども! お前らのたくらみはこれで終わり! ジ・エンド! 理由も分からず終わらすよりも、完全なる敗北を叩きつけられた気分はどうだ!!!」
光が収まり、修斗以外の者が目を開ける。
すると目の前には相手選手が倒れているではないか。
唸り声をあげているが、とても動ける状態ではないのが一目でわかる。
味方ですら何が起きたのか理解できず、何の魔法を使ったのか不思議な顔をしている。
「攻撃……魔法?」
「いえ、今のは浄化魔法に近いわね。恐らくは相手選手にかけられた物を削除したのよ」
「え? だって浄化魔法なら何度も使いましたよ?」
「どうやら普通の浄化魔法では効果がないようね。そうなんでしょう? シュウト君」
「そうだ。あいつらが使ったのは毒ではないからな、浄化では落とせないんだ。ある意味栄養剤にもなるが、その効果が強すぎて後遺症が残るほどだ」
全員が驚いた顔をする。
麻薬というほどではないが、間違いなく極度のドーピング剤だろう。
身体能力を向上させるため、ある意味強化系のポーションになるので、解毒や浄化では落とせないのだ。
「そ、そんな怖いモノをどうして相手が使ったの?」
「こいつ等も利用されたんだ。国のお偉いさんにな」
「おい待てシュウト。それでは今回の件は国がらみでの事だというのか?」
「そうだ。そっちは任せておけ、もう動いているからな」
釈然としない様だが、これ以上は自分達ではどうしようもない事も理解しているようだ。
さて、相手選手たちは意識こそあるモノの、とても動ける状態ではないのだが、判定機は死亡判定を出していない。
つまりまだ試合は続いているのだ。
「流石に攻撃する意味も無いわよね」
「何人かで監視をして、フラッグを探した方がいいでしょうか?」
ポリンの案が採用され、フランチェスカと修斗が残り、他のメンバーでフラッグを取りに行った。
「ねぇシュウト君」
「なんだ」
相手選手を1カ所に集めて監視しやすいようにしていると、フランチェスカが話かけて来る。
その表情はどこか安堵していた。
「今回の事、シュウト君がいなければ意味も分からず負けてお終いだったわ。ありがとう」
「気にしなくていい。こっちとしても裏の顔が見えて丁度良かったからな」
「裏の顔?」
「ああ。国家間の事だから、まだ知らなくていい」
「そう? まだ、なのよね?」
そんな会話をしていると、試合終了の花火が鳴り響く。
どうやら仲間が敵フラッグを手にした様だ。
これで修斗達アカデミー学園の優勝が決定し、2連覇という偉業を達成したのだった。
閉会式が行われ、上位3学園が表彰される。
2位3位は喜んでいるようだが、内心ではどうして負けたのか、勝ったのか記憶があやふやだろう。
学園には去年に引き続き、トロフィーと優勝旗が飾られる事となった。
「あー、今回は疲れたな」
「疲れた割に、私達をベッドに連れ込んでいるのはどういう理由かしら?」
「シュウト君が疲れたっていっても、こっちは別腹だもんね?」
「あ! ポリンさん!? あなたはいつもそう言ってシュウト君の隣を独占するわね!」
「フランチェスカさんも腕に抱き付けばいいじゃないですか。どうせすぐに来るんですから」
「おや、お帰りシュウト。優勝おめでとう」
寝室に重鎮たちが入ってきた。
それを確認すると、フランチェスカは慌てて空いた方の腕にしがみ付く。
「ほら、ね?」
「そ、そうね」
寝室に入ってきた重鎮たちは口々に祝いの言葉を伝えると、今後の予定を決め始める。
そう、生徒達に薬物を使用した国、そこへの報復だ。
「あの国は表面上はザナドゥ王国と友好関係にある。だが裏では虎視眈々とチャンスを狙っていたわけだな」
「今回挙兵した国ともつながりがあるのですから、ここは強く出るべきかと」
「そういえば騎士団長、お前は今回出なかったんだって?」
「は、今回はアイカに指揮経験を積ませようと思い、私は後方で待機しておりました」
「そうか。アイカ、今回の戦いはどうだった?」
「えっとね、なんていうか……あっけなかった、かな。作戦を立てて、予想外の事があっても良いように第2第3の案もあったけど、使わなかったから」
「それはお前が強く、作戦もハマっていたからだろう。今後も間違いなく戦いは起こるだろうから、今回の事で気を緩めるなよ?」
「もちろんだよ!」
そう言ってアイカの頭を撫でてやると、目を細くして喜んでいる。
「小難しい話は明日にして、今日の所はパーティーといこうか!」
その小難しい話しによって、1つの国が属国となるのだが……。
バーバラが会場の外から大声を上げると、競技場内から指笛が聞えて来る。
それを隣にいたキャロラインが反応し、笛の方を確認した。
「見えた! 待っていてくださいシュウトさん、すぐにコレを送ります!」
右手を左から右に水平に移動させると、そこには呪文のような文字が浮かび上がる。
それと並行して足元には丸い魔法陣が発生し、高速で回転を始めると膝上まで浮かび上がり魔法陣と呪文の文字が消えた。
「確かに送りましたよ、シュウトさん」
キャロラインから何かを受け取り、脳内に直接入ってきた情報を読み取ると、修斗はニヤリと笑う。
「は~ん、そういう事か。おいフランチェスカ」
隣で防御魔法を使っているフランチェスカを呼ぶと、頭に手を乗せて頭の中に情報を放り込む。
「ひぃやぁあああ! なに!? ななななななな!?!?!?」
「その呪文を唱えろ。いい事が起きるはずだ」
「な、何をしたのか分からないけれど、やればいいのね?」
呟くように呪文を唱え、最後に魔法名を発する。
「薬物洗浄!」
フッとフランチェスカを中心に風が広がる。
その直後に強い光が発せられ、競技会場全体を覆いつくした。
「キャー! なによ! 何をやらせたのシュウト君!」
「はーっはっはっは! 見てるか悪さをした連中ども! お前らのたくらみはこれで終わり! ジ・エンド! 理由も分からず終わらすよりも、完全なる敗北を叩きつけられた気分はどうだ!!!」
光が収まり、修斗以外の者が目を開ける。
すると目の前には相手選手が倒れているではないか。
唸り声をあげているが、とても動ける状態ではないのが一目でわかる。
味方ですら何が起きたのか理解できず、何の魔法を使ったのか不思議な顔をしている。
「攻撃……魔法?」
「いえ、今のは浄化魔法に近いわね。恐らくは相手選手にかけられた物を削除したのよ」
「え? だって浄化魔法なら何度も使いましたよ?」
「どうやら普通の浄化魔法では効果がないようね。そうなんでしょう? シュウト君」
「そうだ。あいつらが使ったのは毒ではないからな、浄化では落とせないんだ。ある意味栄養剤にもなるが、その効果が強すぎて後遺症が残るほどだ」
全員が驚いた顔をする。
麻薬というほどではないが、間違いなく極度のドーピング剤だろう。
身体能力を向上させるため、ある意味強化系のポーションになるので、解毒や浄化では落とせないのだ。
「そ、そんな怖いモノをどうして相手が使ったの?」
「こいつ等も利用されたんだ。国のお偉いさんにな」
「おい待てシュウト。それでは今回の件は国がらみでの事だというのか?」
「そうだ。そっちは任せておけ、もう動いているからな」
釈然としない様だが、これ以上は自分達ではどうしようもない事も理解しているようだ。
さて、相手選手たちは意識こそあるモノの、とても動ける状態ではないのだが、判定機は死亡判定を出していない。
つまりまだ試合は続いているのだ。
「流石に攻撃する意味も無いわよね」
「何人かで監視をして、フラッグを探した方がいいでしょうか?」
ポリンの案が採用され、フランチェスカと修斗が残り、他のメンバーでフラッグを取りに行った。
「ねぇシュウト君」
「なんだ」
相手選手を1カ所に集めて監視しやすいようにしていると、フランチェスカが話かけて来る。
その表情はどこか安堵していた。
「今回の事、シュウト君がいなければ意味も分からず負けてお終いだったわ。ありがとう」
「気にしなくていい。こっちとしても裏の顔が見えて丁度良かったからな」
「裏の顔?」
「ああ。国家間の事だから、まだ知らなくていい」
「そう? まだ、なのよね?」
そんな会話をしていると、試合終了の花火が鳴り響く。
どうやら仲間が敵フラッグを手にした様だ。
これで修斗達アカデミー学園の優勝が決定し、2連覇という偉業を達成したのだった。
閉会式が行われ、上位3学園が表彰される。
2位3位は喜んでいるようだが、内心ではどうして負けたのか、勝ったのか記憶があやふやだろう。
学園には去年に引き続き、トロフィーと優勝旗が飾られる事となった。
「あー、今回は疲れたな」
「疲れた割に、私達をベッドに連れ込んでいるのはどういう理由かしら?」
「シュウト君が疲れたっていっても、こっちは別腹だもんね?」
「あ! ポリンさん!? あなたはいつもそう言ってシュウト君の隣を独占するわね!」
「フランチェスカさんも腕に抱き付けばいいじゃないですか。どうせすぐに来るんですから」
「おや、お帰りシュウト。優勝おめでとう」
寝室に重鎮たちが入ってきた。
それを確認すると、フランチェスカは慌てて空いた方の腕にしがみ付く。
「ほら、ね?」
「そ、そうね」
寝室に入ってきた重鎮たちは口々に祝いの言葉を伝えると、今後の予定を決め始める。
そう、生徒達に薬物を使用した国、そこへの報復だ。
「あの国は表面上はザナドゥ王国と友好関係にある。だが裏では虎視眈々とチャンスを狙っていたわけだな」
「今回挙兵した国ともつながりがあるのですから、ここは強く出るべきかと」
「そういえば騎士団長、お前は今回出なかったんだって?」
「は、今回はアイカに指揮経験を積ませようと思い、私は後方で待機しておりました」
「そうか。アイカ、今回の戦いはどうだった?」
「えっとね、なんていうか……あっけなかった、かな。作戦を立てて、予想外の事があっても良いように第2第3の案もあったけど、使わなかったから」
「それはお前が強く、作戦もハマっていたからだろう。今後も間違いなく戦いは起こるだろうから、今回の事で気を緩めるなよ?」
「もちろんだよ!」
そう言ってアイカの頭を撫でてやると、目を細くして喜んでいる。
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