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第4章 学園支配
第154話 平和な学園生活 1年間の約束
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朝っぱらから騒ぎを起こしていた少女・ティナにイチモツをしゃぶらせ、少しスッキリした顔で学園へと向かう修斗とポリン、フランチェスカ。
学園では7抗戦の熱もすっかり落ち着き、今では通常通りの授業が行われている。
「なぜだろう。学園生活が平和なのは久しぶりな気がする」
「それはそうだよ。シュウト君はいきなり代表選手に選ばれたり、知らない内に生徒会入りしていたり、結婚したり、勇者様が会いに来たり、剣姫・賢姫がきたりで、平和だったのは最初の数日だけだったんじゃない?」
昼食の弁当を屋上で食べながら、ポリンはどことなくトゲのある言い方をしてきた。
第2夫人が決まり、第3夫人もまもなくと言われており、その候補にすら入れない事が気に入らないのだろう。
それはフランチェスカも同じようだ。
「実はねポリン、シュウト君は入園前の案内の時にトラブルを起こしているのよ。だから学園に入ってから今まで、平和だったことが無いの。とんだトラブルメーカーよね」
「そうなの? フランチェスカ」
うんうんと首を縦に振っている。
確かに説明会の時に先生の首根っこを引っ掴み、脅しとも取れる言動を発していた。
「まあいいさ。試験も終わって、後は進級するだけだからな。俺の飛び級は確定したと連絡も来た事だし、あと1年だけ遊ぶとしよう」
修斗は7抗戦で成果を出し、生徒会にも入っていて、試験の結果も上々だった。
なので飛び級の試験も受けたのだが、そちらも問題なくクリアした。
「シュウト君とはクラスメイトじゃなくなっちゃうんだね……でも毎日会えるよね?」
「毎晩城に連れ帰るつもりだ」
「ねぇシュウト君。私ね、お父様との約束があって、1年だけ国で働かないといけないの。それが終わってから、ザナドゥ王国で働きたいのだけれど、いいかしら」
「お前達の事は……よくわかっている、からな。いつでも、来い」
昼食も食べ終わり、暖かな日差しに加えて平和な日が続いたため、修斗は眠気を押さえられなくなった。
横になろうとした所、フランチェスカとポリンがくっ付いて正座をした。
「シュウト君、膝枕をどうぞ」
「ん……」
ちょうど2人の間に頭を置くと、すぐに寝息を立て始める。
「寝た?」
「うん、寝たね」
「こうしているとシュウト君、年相応の寝顔なのよね」
「そうだね。国王をしている時は凄く大人びてるけど、ふと子供っぽくなるもんね」
「時々カワイイ仕草をすものだから、ギャップが激しくて戸惑うけれども」
2人で修斗の寝顔を見て、女同士の会話が始まっていく。
修斗の寝室でもそうだが、この2人だけでの会話というのは意外と少ない。
「フランチェスカ、1年ほど自国で働くって言ってたけど、どんな約束をしたの?」
「……他愛もない事よ。有力な貴族との繋がりを強くすると言う名の、お婿さん選び」
「王族と血のつながりのある大公の家だもんね……やっぱり断れないの?」
「無理ね。それが条件で学園に入れてもらったのだから、今更断れないわ」
「でも、じゃあシュウト君とは?」
「ああそれは大丈夫よ。1年間お婿さん選びをして、終わったら『運命の人を見つけた!』と言ってザナドゥ王国へ行くから」
「あはは、たくましいね」
2人で修斗の頭をしずかに撫でる。
気持ちよさそうに寝息をたてる顔を見て、思わず笑みがこぼれる。
「はぁ、最初はいけ好かない人だと思ってたのに、どうしてこんなに好きになっちゃったのかしら」
「教室では凄く親切だったけど、生徒会では素でしゃべってたんだっけ?」
「そうなの! いきなりお前呼ばわりされたし、仲良しごっこの生徒会なんて言われたのよ?」
「あ、それは酷いね」
「まったくだわ。でも言ってる事はもっともだったし、成果も出すものだから余計に小憎らしいったら」
「教室ではネコをかぶってたから知らなかったけど、夜とは全く違うしね。ちょっと怖かった」
「私の場合は夜の方が優しく感じたわね」
そこで顔を見合わせて、クスリとわらう。
予鈴が鳴り、そろそろ午後の授業が始まる時間だ。
学園では7抗戦の熱もすっかり落ち着き、今では通常通りの授業が行われている。
「なぜだろう。学園生活が平和なのは久しぶりな気がする」
「それはそうだよ。シュウト君はいきなり代表選手に選ばれたり、知らない内に生徒会入りしていたり、結婚したり、勇者様が会いに来たり、剣姫・賢姫がきたりで、平和だったのは最初の数日だけだったんじゃない?」
昼食の弁当を屋上で食べながら、ポリンはどことなくトゲのある言い方をしてきた。
第2夫人が決まり、第3夫人もまもなくと言われており、その候補にすら入れない事が気に入らないのだろう。
それはフランチェスカも同じようだ。
「実はねポリン、シュウト君は入園前の案内の時にトラブルを起こしているのよ。だから学園に入ってから今まで、平和だったことが無いの。とんだトラブルメーカーよね」
「そうなの? フランチェスカ」
うんうんと首を縦に振っている。
確かに説明会の時に先生の首根っこを引っ掴み、脅しとも取れる言動を発していた。
「まあいいさ。試験も終わって、後は進級するだけだからな。俺の飛び級は確定したと連絡も来た事だし、あと1年だけ遊ぶとしよう」
修斗は7抗戦で成果を出し、生徒会にも入っていて、試験の結果も上々だった。
なので飛び級の試験も受けたのだが、そちらも問題なくクリアした。
「シュウト君とはクラスメイトじゃなくなっちゃうんだね……でも毎日会えるよね?」
「毎晩城に連れ帰るつもりだ」
「ねぇシュウト君。私ね、お父様との約束があって、1年だけ国で働かないといけないの。それが終わってから、ザナドゥ王国で働きたいのだけれど、いいかしら」
「お前達の事は……よくわかっている、からな。いつでも、来い」
昼食も食べ終わり、暖かな日差しに加えて平和な日が続いたため、修斗は眠気を押さえられなくなった。
横になろうとした所、フランチェスカとポリンがくっ付いて正座をした。
「シュウト君、膝枕をどうぞ」
「ん……」
ちょうど2人の間に頭を置くと、すぐに寝息を立て始める。
「寝た?」
「うん、寝たね」
「こうしているとシュウト君、年相応の寝顔なのよね」
「そうだね。国王をしている時は凄く大人びてるけど、ふと子供っぽくなるもんね」
「時々カワイイ仕草をすものだから、ギャップが激しくて戸惑うけれども」
2人で修斗の寝顔を見て、女同士の会話が始まっていく。
修斗の寝室でもそうだが、この2人だけでの会話というのは意外と少ない。
「フランチェスカ、1年ほど自国で働くって言ってたけど、どんな約束をしたの?」
「……他愛もない事よ。有力な貴族との繋がりを強くすると言う名の、お婿さん選び」
「王族と血のつながりのある大公の家だもんね……やっぱり断れないの?」
「無理ね。それが条件で学園に入れてもらったのだから、今更断れないわ」
「でも、じゃあシュウト君とは?」
「ああそれは大丈夫よ。1年間お婿さん選びをして、終わったら『運命の人を見つけた!』と言ってザナドゥ王国へ行くから」
「あはは、たくましいね」
2人で修斗の頭をしずかに撫でる。
気持ちよさそうに寝息をたてる顔を見て、思わず笑みがこぼれる。
「はぁ、最初はいけ好かない人だと思ってたのに、どうしてこんなに好きになっちゃったのかしら」
「教室では凄く親切だったけど、生徒会では素でしゃべってたんだっけ?」
「そうなの! いきなりお前呼ばわりされたし、仲良しごっこの生徒会なんて言われたのよ?」
「あ、それは酷いね」
「まったくだわ。でも言ってる事はもっともだったし、成果も出すものだから余計に小憎らしいったら」
「教室ではネコをかぶってたから知らなかったけど、夜とは全く違うしね。ちょっと怖かった」
「私の場合は夜の方が優しく感じたわね」
そこで顔を見合わせて、クスリとわらう。
予鈴が鳴り、そろそろ午後の授業が始まる時間だ。
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