ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第5章 世界大戦

第172話 冒険者ギルドの漆賢人

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「そうそうシュウト君、冒険者ギルドのしち賢人って知ってるかしら?」

 夜通しいたした後のベッドの上で、フランチェスカは修斗に尋ねてみた。
 しち賢人、以前修斗がSランクに上がろうとして古代龍を倒そうとした時、ギルドの受付から報告が行った先の者たちだ。

しち賢人か。ウワサには聞いた事はあったが、7人はやっぱり実在していたのか?」

 シーツで体を覆っていたフランチェスカだが、修斗はシーツを外し、横になったまま頬杖をついて胸をさわりながら答える。

「う、うん、恐らく、だけれど」

 いきなり胸を揉まれたため、頬を赤らめながら手を重ねる。
 
「そいつらが邪魔をして、俺のSランク入りをはばんだのか?」

「多分、だけれど。でもおかしいの、ギルド憲章のどこにもしち賢人なんて記載されていないし、一体誰が、どうやって選ばれたのかも分からないのよ」

「そうか。ただの頭の固い組織かと思っていたが、なかなかどうして秘密があるようだな」

 胸を揉むのをやめたかと思うと、フランチェスカの体を後ろから抱きしめ、今度は後ろから両胸を揉み始める。
 フランチェスカの秘所は、すでに濡れていた。

「い、今はね、受付嬢さんと一緒に、しら、調べているのだけれどっ! やっぱり、ほほほ、本部へいっ!!! い、行かないと、分からないことが多くって……ひゃぁ! 乳首をつままないで!」

「それで、お前は今後どう動く……ん?」

 フランチェスカがすがるような目で修斗を見ている。
 それを見て一旦会話は終了するようだ。




「私ね、本部に行ってみようと思っているのだけれど、いいかしら」

「本部はどこにあるんだ?」

 朝の情事が終わった後、重鎮たちと揃って朝食を食べている。
 今日は珍しくギルドの受付嬢も参加した。

「本部は北にある国『ファ』にあります。とても寒い国で、年中雪が降っていると言われています」

 受付嬢が答えると、キャロル内政・人事担当が小さな悲鳴を上げた。

「ひゃ、毎日ユキがフッてるなんて、ヒトが住めるばしょじゃないデスね」

「年中雪が降っていない場所もあるので、そこには人が住んでいます。というか、そこにしか住めない環境らしいです」

 どうやらキャロルは寒いのが苦手らしい。
 ……むしろ年中水着の様な格好をしているのだから、それが原因ではないだろうか。

「寒い地域なら、風邪には注意しろよ? お前のB+の装備で問題は無さそうか?」

「むしろアレで問題があったら私の手には余るわね。アレよりも良い装備なんて、シュウト君がらみ以外では見たことが無いのだもの」

「そうか? しかし寒い地域なら、温かくなるアイテムくらい作っておくか」

「ありがとうシュウト君。有ったら嬉しいわ」

 冒険者ギルド本部が、フランチェスカの事をどれだけ把握しているのかは分からない。
 恐らくはザナドゥ王国と関りがある事は知られているはずだ。
 しかし幸運な事に、フランチェスカは国を出てザナドゥに来るまでに、各国、各街で依頼を受けたため、旅ついでに冒険をしているとも取れる。

 次の目的地が北に向いた所で、そこまで違和感があるわけでもない。

 フランチェスカはザナドゥ王国で1つ依頼を受け、その足で北へと向かう事になった。
 あまり滞在日数が長いと、ザナドゥ王国と関りが深いと思われてしまう。
 自由に行動するために、ザナドゥとの関りは邪魔になる。

 その日のうちに9人の悪夢の騎士トリプルナインの息がかかった組織から護衛の指名依頼を出させ、フランチェスカはそれを受ける事で北へと向かう事となった。
 商人の護衛で北へ向かうのに、何の問題があろうか。

 だがここで1番の問題となるのが移動手段だ。
 『ファ』までの距離は5000Kmを超えるため、馬での移動だと30日近くがかかってしまい、途中で依頼を受けながらだと更に時間がかかってしまう。

 その話で悩んでいると、ラグズが手を挙げた。

「あの、いいッスかお兄さん。お兄さんとアイカさんが元々いた世界の乗り物、車の試作品が出来てるんスけど、それを使ったらどうッスかね。出来ればラグも付いて行きたいッス」

「ラグ? お前は車を完成させたのか?」

「エンジンはまだ理解できてないんスけど、お兄さんに作ってもらった大型の魔石と、新しく作った魔道回転装置モーターを組み合わせたら、大体の形ができたッス」

 いやいや、専門知識のない修斗とアイカから聞いただけで、車が出来るはずが……出来ていた。
 工房の一角に専用の施設がつくられており、そこに馬車のデザインに近い車が置いてあった。
 少し大きめの馬車に魔道回転装置モーターやハンドル、ブレーキを付けただけの簡単な物だが、車としての体裁ていさいは整っているようだ。

「これは早いのか?」

「馬が全速力で走ったのと同じくらいは出るッスよ」

 この世界の馬の全速力は時速80~90kmだが、長時間は走れない。
 しかしラグズが言うには、この車は時速80~90kmで丸一日走れるようだ。
 それだけあれば、依頼を受けながらでも10日もあれば到着しそうだ。

「ラグ、よくやった。お前の作った車を見せびらかしてこい」
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