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第5章 世界大戦
第180話 フランチェスカの独壇場
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「あら? このままだと私のやる事が無くなってしまうわね……みんなの邪魔にならない程度に範囲を広げても良いわよね?」
自分の担当範囲に魔物が居なくなったが、それ以外の場所にはまだまだ魔物が押し寄せている。
それにしてもこれだけ戦っているにもかかわらず、魔物の数が一向に減る様子が無い。
ラグズに借りた望遠鏡を覗き込んでみると、遠くにあるダンジョンからまだまだ魔物があふれ出ていた。
「一体どれだけの魔物が発生したのかしら。このままだと、夜が明けても戦い続けなくてはいけないのだけれど」
望遠鏡をしまい、とにかく魔物を倒さなくては終わらない、そう考えて魔法攻撃を続行する。
しかし今確認した魔物の数は、推定7万~8万近くになっており、恐らくこのまま戦ってもジリジリと城壁が破壊され、街の中に侵入されてしまうだろう。
そうなってからでは遅い。
ちらりとSランク冒険者のベルゴットを見る。
ハイエルフなだけあり魔法戦もこなせる様だが、恐らくメインは接近戦であり、魔法は補助的な使い方をするのが本来の姿であろう。
つまりSランクとしての能力が発揮できていないのだ。
今の段階で城壁の外へ出る事は自殺行為であり、接近戦要員は空から襲ってくる飛行型モンスターの対処しか出来ていない。
「もっと数を減らせれば、外に出ても大丈夫なのだろうけれど」
だが魔物の波は衰える事は無く、そろそろ城壁に張り付こうとしている。
目の前には第1波・第2波がおり、第3波は少し後方に見えているのだが、第3波は大型が多いため、城壁にたどり着かれたら破壊される危険もある。
「少しだけ……試してみようかしら」
杖に記憶された魔法の構成を変更する。
杖のステータスを表示させ、1~10スロットにそれぞれ属性の違う魔法を登録し、回復魔法は無くしてしまう。
「これで杖に任せる事で制御は楽になるはずだし、魔力の消費も抑えられるはず。後は……私の度胸が試されるわね」
杖を構え、1つの魔法を発動させる。
フワリとフランチェスカの体が宙に浮く。
試す様に上昇下降を繰り返し、左右への移動も問題なく行えることを確認する。
「よし、随分と楽だわ。Sランクさん! 私は少し出かけてきますので、ここのフォローをお願いできるかしら!」
「な! 君は空を飛べるのか!? しかしどこへ行こうというのだ! 敵前逃亡は……あ!」
Sランク冒険者・ベルゴットの言葉を聞かずに、フランチェスカは街の外へと飛んで行ってしまった。
「おのれ! これだから田舎から出てきたお上りAランクはダメなのだ! やはり私がやらねばこの街はもたな……っ!?!?!?」
街のはるか遠方で大爆発が起こる。
かと思うと違う所で雷が連続して降り注ぎ、巨大な氷柱が出来たかと思うと、今度は空から隕石が降り注ぐ。
「な、何が起きているというのだ……まさか、まさか魔王が再臨したという噂は本当だったのか!?」
街の遠方で、この世ならざる現象が起きているのだが、その現象を起こした張本人は結構大変だった。
「く……流石に複数の合成魔法は私にはキツイわね……でもこの破壊力なら、私1人でも数万の魔物は倒せるはずだわ」
上空を飛びながら、10種類の属性を使い分け、そして合成して魔法を放っていたのはフランチェスカだった。
今のフランチェスカの能力ではとてもできない芸当なのだが、修斗から貰った杖と防具などの装備のお陰で、随分と能力が上乗せされているから可能な事だ。
「杖の能力だけでも凄いのに、革鎧にある属性防御を暴走させることで攻撃魔法として使えるなんて……シュウト君って怖い事をさせるわよね」
そうなのだ、本来は魔法攻撃の属性を中和させ装着者へのダメージを減らすのが目的なのだが、意図的に暴走させることで、その属性を攻撃に転換する事が可能になっている。
もちろん制御が激ムズだ。
「でもお陰で12の魔法を同時使用する事が可能になったわ。合成魔法の威力なら、魔物の数をもっと効率よく倒せ……!!!」
体をかわしたフランチェスカの横を攻撃魔法が飛んで行く。
この辺りはまだ第2波であり、これより後方からの攻撃となると第3波になるのだが……どうやら魔法を使える魔物が居るようだ。
その魔物は空を飛び、大きな体と翼をもつ最大級の魔物、氷結龍だった。
ゆっくりと歩いていたはずだが、どうやらフランチェスカを見つけて空を飛んできたようだ。
「氷結龍……私に狙いを付けてくれたのかしら?」
フランチェスカの顔から冷や汗が流れる。
そう、今のフランチェスカではとても勝てるような、いや、まともに戦える相手ではないのだ。
フランチェスカの能力平均は2000~3000。
対して氷結龍は7000を超えている。
そう、単体で魔王クラスの能力があるのだ。
体の大きさはそれほどでもないが、氷結龍は体の小さな龍であり、幼体に見えるが成体なのだ。
今のフランチェスカでは……手も足も出ない。
自分の担当範囲に魔物が居なくなったが、それ以外の場所にはまだまだ魔物が押し寄せている。
それにしてもこれだけ戦っているにもかかわらず、魔物の数が一向に減る様子が無い。
ラグズに借りた望遠鏡を覗き込んでみると、遠くにあるダンジョンからまだまだ魔物があふれ出ていた。
「一体どれだけの魔物が発生したのかしら。このままだと、夜が明けても戦い続けなくてはいけないのだけれど」
望遠鏡をしまい、とにかく魔物を倒さなくては終わらない、そう考えて魔法攻撃を続行する。
しかし今確認した魔物の数は、推定7万~8万近くになっており、恐らくこのまま戦ってもジリジリと城壁が破壊され、街の中に侵入されてしまうだろう。
そうなってからでは遅い。
ちらりとSランク冒険者のベルゴットを見る。
ハイエルフなだけあり魔法戦もこなせる様だが、恐らくメインは接近戦であり、魔法は補助的な使い方をするのが本来の姿であろう。
つまりSランクとしての能力が発揮できていないのだ。
今の段階で城壁の外へ出る事は自殺行為であり、接近戦要員は空から襲ってくる飛行型モンスターの対処しか出来ていない。
「もっと数を減らせれば、外に出ても大丈夫なのだろうけれど」
だが魔物の波は衰える事は無く、そろそろ城壁に張り付こうとしている。
目の前には第1波・第2波がおり、第3波は少し後方に見えているのだが、第3波は大型が多いため、城壁にたどり着かれたら破壊される危険もある。
「少しだけ……試してみようかしら」
杖に記憶された魔法の構成を変更する。
杖のステータスを表示させ、1~10スロットにそれぞれ属性の違う魔法を登録し、回復魔法は無くしてしまう。
「これで杖に任せる事で制御は楽になるはずだし、魔力の消費も抑えられるはず。後は……私の度胸が試されるわね」
杖を構え、1つの魔法を発動させる。
フワリとフランチェスカの体が宙に浮く。
試す様に上昇下降を繰り返し、左右への移動も問題なく行えることを確認する。
「よし、随分と楽だわ。Sランクさん! 私は少し出かけてきますので、ここのフォローをお願いできるかしら!」
「な! 君は空を飛べるのか!? しかしどこへ行こうというのだ! 敵前逃亡は……あ!」
Sランク冒険者・ベルゴットの言葉を聞かずに、フランチェスカは街の外へと飛んで行ってしまった。
「おのれ! これだから田舎から出てきたお上りAランクはダメなのだ! やはり私がやらねばこの街はもたな……っ!?!?!?」
街のはるか遠方で大爆発が起こる。
かと思うと違う所で雷が連続して降り注ぎ、巨大な氷柱が出来たかと思うと、今度は空から隕石が降り注ぐ。
「な、何が起きているというのだ……まさか、まさか魔王が再臨したという噂は本当だったのか!?」
街の遠方で、この世ならざる現象が起きているのだが、その現象を起こした張本人は結構大変だった。
「く……流石に複数の合成魔法は私にはキツイわね……でもこの破壊力なら、私1人でも数万の魔物は倒せるはずだわ」
上空を飛びながら、10種類の属性を使い分け、そして合成して魔法を放っていたのはフランチェスカだった。
今のフランチェスカの能力ではとてもできない芸当なのだが、修斗から貰った杖と防具などの装備のお陰で、随分と能力が上乗せされているから可能な事だ。
「杖の能力だけでも凄いのに、革鎧にある属性防御を暴走させることで攻撃魔法として使えるなんて……シュウト君って怖い事をさせるわよね」
そうなのだ、本来は魔法攻撃の属性を中和させ装着者へのダメージを減らすのが目的なのだが、意図的に暴走させることで、その属性を攻撃に転換する事が可能になっている。
もちろん制御が激ムズだ。
「でもお陰で12の魔法を同時使用する事が可能になったわ。合成魔法の威力なら、魔物の数をもっと効率よく倒せ……!!!」
体をかわしたフランチェスカの横を攻撃魔法が飛んで行く。
この辺りはまだ第2波であり、これより後方からの攻撃となると第3波になるのだが……どうやら魔法を使える魔物が居るようだ。
その魔物は空を飛び、大きな体と翼をもつ最大級の魔物、氷結龍だった。
ゆっくりと歩いていたはずだが、どうやらフランチェスカを見つけて空を飛んできたようだ。
「氷結龍……私に狙いを付けてくれたのかしら?」
フランチェスカの顔から冷や汗が流れる。
そう、今のフランチェスカではとても勝てるような、いや、まともに戦える相手ではないのだ。
フランチェスカの能力平均は2000~3000。
対して氷結龍は7000を超えている。
そう、単体で魔王クラスの能力があるのだ。
体の大きさはそれほどでもないが、氷結龍は体の小さな龍であり、幼体に見えるが成体なのだ。
今のフランチェスカでは……手も足も出ない。
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