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第5章 世界大戦
第190話 星の形
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「1億1千万って言ったら、えーっと? アタイ達の何倍だい?」
「桁数で言えば4つ違うから1万倍だな」
古代龍親子を除けば、重鎮たちの能力平均は3万~9万。
勇者クラスで1000~2000であり、Sランク冒険者はアイテム大盛りで2000に行くか行かないかだろう。
重鎮たちはアイテム無しで10倍以上の能力があり、その異常性が見て取れる。
だが修斗は遥か上に居た。
「でもシュウトさんのスキルがあるのなら、私達の能力をもっと簡単に上げれませんか?」
「それをやるとなキャロライン……少しなら良いが、大幅に上げると体が破裂して死んでしまうんだ」
以前実験をした、病弱な男に勇者になれる薬を与えた話をした。
薬の効果があるうちは良いが、薬の効果が切れた瞬間、体が力に耐えられず崩壊してしまったのだ。
「能力だけをあげても、体が付いてこない……という事でしょうか?」
「ああ。薬には器も大きくする力があるんだろうが、薬の効果が切れて器は元に戻ったが、能力は直ぐには戻らなかったんだ。その結果が崩壊だ」
その危険性があるから修斗は他人の数値を直接触る事は無かったのだ。
だがスキルにより成長速度が速くなる場合、器も一緒に成長するため、その心配はなかったのだろう。
「まぁ俺の能力はどうでもいい。それよりも各地方の地図はどうなってる」
「は、各地域の偵察隊より、詳細な地図が届いてございます。今はそれを組み合わせて、完全な世界地図にしている所です」
フローレンス都市開発長が立ち上がり、胸に手を当てて報告をする。
「じゃあそろそろ完成するのか?」
「それなのですが……世界全体の形が思っていた物と違っており、まるでパズルのようにピースをはめ込んでいるのですが……手こずっております」
「そういう事か。空から見るにしても限界があるからな、よし、俺も少し協力しよう」
修斗が意識を集中させると、その意識は体を離れ、空へと飛んで行く。
高く高く上がり、雲を突き抜けてさらに登っていくと、そこは宇宙空間。
そして目下には青い星がゆっくりと回転していた。
大きさは地球に近いが、大陸の形が全く違っている。
一番大きい大陸は、北海道を太らせて巨大化させて様な形をしており、修斗達が暮らしている大陸だ。
その左には縦長で北に向かって伸びる陸地と、右には楕円形に近い形の島が少し南にある。
ぐるりと回って裏にいくと、随分と大陸と離れた場所に中くらいの島が縦に帯のように連なっていた。
それらを全て記憶し、修斗の意識は体へと戻っていく。
ゆっくり目を開けると、修斗は静かに立ち上がり、近くに飾ってあった盾を手にする。
「シュウト? どうしたんだい?」
パメラの言葉に返事をせず、盾を手にして何かを始めた。
盾は熱を持って真っ赤になり、形を球体に変えていく。
1メートルほどの大きさになり、あちこちがボコボコと盛り上がったりへこんだりしていく。
熱が収まり、黒い球体が姿を現す。
「後は色を塗っておくか」
黒い球体が色鮮やかになっていく。
緑の森が産まれ、海が広がり、陸地や川が生まれていき、砂漠もある。
「こんなものか。これがこの星の形だ」
地球ではないので地球儀とは言えないが、まぎれもないこの星の模型が完成した。
上から見て来ただけあり、その完成度はバツグンに高い。
「こっ! これが私達の住んでいる所ですか!?」
「こんなに丸かったのか。俺の予想以上だな」
「ああ、ココにカワがあるのデスネ。ドウリで」
「ここの砂漠はここまで広がっていたのですか。それなら迂回していけば……」
「ふむふむ、こんな裏にまで国があるのでございますですか」
「魔の森が大きいな。これほど大きかったのだな」
9人の悪夢の騎士の6人が球儀を興味深く見ている。
丸い星にいる事を理解していたようだ。
「世界を相手にするなら、こっちの方が分かりやすいだろう。各地から集められた地図は平面で作っておけ。世界を見る時はこの模型で、それ以外は平面図を使えば良いだろう」
「ありがとうございますシュウト様。これで地図の作成がはかどる事でしょう」
星の模型があれば全体像が分かるので、地図の作成に役立つだろう。
それにしても、みんなの興味は他に移っていた。
「ねぇシュウト。この左右にある島とか裏側にある島、どうするんだい?」
「友好を築ければいいですね! ダメなら脅しましょう!」
「私としては、出来る限り平和に支配したいですね」
「そっちは今回の事が終わってからだな。魔の森が大陸の3分の1を占めているとは思っていなかったから、これを開拓するのもいいかもしれないな」
新たなビジョンが示されたが、そんな事をしている間に、相手は次々と手を打って来ていた。
「アナタ? 何を言っているのかご理解されているのでしょうか?」
「何を言っているんだ! あの男は俺をバカにした男だぞ! そんな国は無くなってしまえばいい!」
ロールドルフ国の謁見の間で、第1王子が息巻いている。
第1王子だけではない、第2王子やその下の子供達、それに国王や王妃までもが賛成していた。
「お前さん、シュウト様に楯突く気なのかい? 本気じゃないだろうね」
「お前は俺の妻だろう! 妻ならば黙って夫の言う事を聞いていればいいんだ!」
ナターシャとキャシーが他の王族を前にして、必死に説得を試みている。
真っ先にザナドゥ王国に忠誠を誓った国・ロールドルフ国だが、そこでは賢姫・剣姫では対処できない事態に陥っていた。
「桁数で言えば4つ違うから1万倍だな」
古代龍親子を除けば、重鎮たちの能力平均は3万~9万。
勇者クラスで1000~2000であり、Sランク冒険者はアイテム大盛りで2000に行くか行かないかだろう。
重鎮たちはアイテム無しで10倍以上の能力があり、その異常性が見て取れる。
だが修斗は遥か上に居た。
「でもシュウトさんのスキルがあるのなら、私達の能力をもっと簡単に上げれませんか?」
「それをやるとなキャロライン……少しなら良いが、大幅に上げると体が破裂して死んでしまうんだ」
以前実験をした、病弱な男に勇者になれる薬を与えた話をした。
薬の効果があるうちは良いが、薬の効果が切れた瞬間、体が力に耐えられず崩壊してしまったのだ。
「能力だけをあげても、体が付いてこない……という事でしょうか?」
「ああ。薬には器も大きくする力があるんだろうが、薬の効果が切れて器は元に戻ったが、能力は直ぐには戻らなかったんだ。その結果が崩壊だ」
その危険性があるから修斗は他人の数値を直接触る事は無かったのだ。
だがスキルにより成長速度が速くなる場合、器も一緒に成長するため、その心配はなかったのだろう。
「まぁ俺の能力はどうでもいい。それよりも各地方の地図はどうなってる」
「は、各地域の偵察隊より、詳細な地図が届いてございます。今はそれを組み合わせて、完全な世界地図にしている所です」
フローレンス都市開発長が立ち上がり、胸に手を当てて報告をする。
「じゃあそろそろ完成するのか?」
「それなのですが……世界全体の形が思っていた物と違っており、まるでパズルのようにピースをはめ込んでいるのですが……手こずっております」
「そういう事か。空から見るにしても限界があるからな、よし、俺も少し協力しよう」
修斗が意識を集中させると、その意識は体を離れ、空へと飛んで行く。
高く高く上がり、雲を突き抜けてさらに登っていくと、そこは宇宙空間。
そして目下には青い星がゆっくりと回転していた。
大きさは地球に近いが、大陸の形が全く違っている。
一番大きい大陸は、北海道を太らせて巨大化させて様な形をしており、修斗達が暮らしている大陸だ。
その左には縦長で北に向かって伸びる陸地と、右には楕円形に近い形の島が少し南にある。
ぐるりと回って裏にいくと、随分と大陸と離れた場所に中くらいの島が縦に帯のように連なっていた。
それらを全て記憶し、修斗の意識は体へと戻っていく。
ゆっくり目を開けると、修斗は静かに立ち上がり、近くに飾ってあった盾を手にする。
「シュウト? どうしたんだい?」
パメラの言葉に返事をせず、盾を手にして何かを始めた。
盾は熱を持って真っ赤になり、形を球体に変えていく。
1メートルほどの大きさになり、あちこちがボコボコと盛り上がったりへこんだりしていく。
熱が収まり、黒い球体が姿を現す。
「後は色を塗っておくか」
黒い球体が色鮮やかになっていく。
緑の森が産まれ、海が広がり、陸地や川が生まれていき、砂漠もある。
「こんなものか。これがこの星の形だ」
地球ではないので地球儀とは言えないが、まぎれもないこの星の模型が完成した。
上から見て来ただけあり、その完成度はバツグンに高い。
「こっ! これが私達の住んでいる所ですか!?」
「こんなに丸かったのか。俺の予想以上だな」
「ああ、ココにカワがあるのデスネ。ドウリで」
「ここの砂漠はここまで広がっていたのですか。それなら迂回していけば……」
「ふむふむ、こんな裏にまで国があるのでございますですか」
「魔の森が大きいな。これほど大きかったのだな」
9人の悪夢の騎士の6人が球儀を興味深く見ている。
丸い星にいる事を理解していたようだ。
「世界を相手にするなら、こっちの方が分かりやすいだろう。各地から集められた地図は平面で作っておけ。世界を見る時はこの模型で、それ以外は平面図を使えば良いだろう」
「ありがとうございますシュウト様。これで地図の作成がはかどる事でしょう」
星の模型があれば全体像が分かるので、地図の作成に役立つだろう。
それにしても、みんなの興味は他に移っていた。
「ねぇシュウト。この左右にある島とか裏側にある島、どうするんだい?」
「友好を築ければいいですね! ダメなら脅しましょう!」
「私としては、出来る限り平和に支配したいですね」
「そっちは今回の事が終わってからだな。魔の森が大陸の3分の1を占めているとは思っていなかったから、これを開拓するのもいいかもしれないな」
新たなビジョンが示されたが、そんな事をしている間に、相手は次々と手を打って来ていた。
「アナタ? 何を言っているのかご理解されているのでしょうか?」
「何を言っているんだ! あの男は俺をバカにした男だぞ! そんな国は無くなってしまえばいい!」
ロールドルフ国の謁見の間で、第1王子が息巻いている。
第1王子だけではない、第2王子やその下の子供達、それに国王や王妃までもが賛成していた。
「お前さん、シュウト様に楯突く気なのかい? 本気じゃないだろうね」
「お前は俺の妻だろう! 妻ならば黙って夫の言う事を聞いていればいいんだ!」
ナターシャとキャシーが他の王族を前にして、必死に説得を試みている。
真っ先にザナドゥ王国に忠誠を誓った国・ロールドルフ国だが、そこでは賢姫・剣姫では対処できない事態に陥っていた。
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