219 / 373
第5章 世界大戦
第218話 最終決戦前夜
「まさか戦の影響がこの地にまで現れるとはな。俺は貯蔵があるが、お前達はどうだ?」
真っ暗い部屋の中央に水晶玉があり、それを囲むように7つの鏡が並んでいる。
その鏡には壱から漆までの数字が書かれた前垂れをした人物が映っていた。
「私の所は大丈夫です。戦場からも離れていますし」
「ワシの所は最悪じゃ。ワシはいいが街を荒らされ放題だわ」
「これだから自制の利かないバカ共は困る」
「とはいえこうも見事に物流を封鎖されるとは思わなんだ」
「何かしらの手は打ってくると思っていたが、ここまで大掛かりな事をするとはな」
それぞれが近況報告をしているが、食うに困ってはいないが他への被害が大きいようだ。
戦場の近くの街は略奪行為が横行し、離れた街は前線へと物資を送るからと次々に物が無くなっていく。
人々には関心の無かった戦争が起こり、圧勝だと言われていたはずが食うに困る状態になっている。
一体誰のせいなのか。
「12神将も半分が捕まったようですね」
「あいつらも存外不甲斐ない。9人の悪夢の騎士など敵ではないと言っていたのにな」
「9人の悪夢の騎士ですらない者にまでやられた様だしのぅ」
「確か上の3人は出て来ていないのだったな。こうなると我らも考えねばならん」
「3尊を出す……か?」
「しかし言う事を聞くかのぅ。あ奴らは気まぐれじゃ」
「ザナドゥをやるとでも言えば動かないか?」
「そういえばあの国の国王に興味を持っていたか」
「それではあの国の全てを好きにしていい、という事で」
「進め! 進めー!」
ベフラウィングの兵たちが血眼になって都市に攻撃をしている。
物資不足は限界を超え、すでに撤退するにしても食料が持たない様だ。
望んではいない、なかば強制的に背水の陣にさせられ、食うために攻撃をするしかないのだ。
「目の前の都市には食い物が沢山ある! 攻め落として腹いっぱいメシを食うんだ!」
在りもしない希望にすがり、大量の命が食料を求めて消費されていく。
体力もなく気力だけで動いているのだが、気力だけでは心身ともに充実した者に勝てるはずがなかった。
「おーおー、無駄な足掻きだねぇ。アタイの活躍には物足りないがね」
「あいつらも必死……でも、パメラさんが来てくれたから……あいつらの努力は無駄」
「それを言ってはカワイソウですわ。そうするしか手が無いのでございますから」
パメラ、ヴァージニア、ルルナラが防壁の上から見ているが、気迫はあるが能力が足りていないため、結局は今までと同じことの繰り返しになっている。
「終わらせて……いいんでしょ?」
「ああ、アタイが来たのも『最後だから好きにしろ』って言われたからだしねぇ。暴れさせてもらうさ」
「わ、私は見学しておりますね」
ポンとルルナラの肩が叩かれ、振り向くとパメラがいた。
「そうさね、お前は黙って見てな」
そして正面にもパメラがいた。
「アタイの活躍を見てな」
別の場所ではパメラが2人並んでいる。
「よーっし、じゃあアタイらで勝負するかい?」
「いいねぇ、誰が一番多く倒せるか勝負しようじゃないか」
ヴァージニアとルルナラが目を擦る。
そしてもう一度よく見るのだが……パメラが10人ほどいた。
「なに……? どういう事……?」
「パ、パメラ様が沢山……???」
「「「勝負開始だよ!!!」」」
10人のパメラが防壁から飛び降りると、10本の赤い線が放射状に広がっていく。
敵兵の首を切り落とし、隙間なく血が吹き出すと、途中からはそれぞれ方向を変えて行った。
だがその行先は赤い線で彩られており、どこにいるのかが一目でわかる……のだが、線の伸びる速度が尋常ではない。
防壁の上から見ていても、目で追うのがやっとだ。
「あれ……全部パメラさん?」
「その様でございますね」
「出る幕が無い……」
「私達はお休みしておりましょう」
30分ほどが過ぎただろうか。
防壁の周りには動く者が居なくなってしまった。
いや、パメラ以外、生きている者が居なくなった。
門を開けて悠々と戻って来た10人のパメラは、返り血などは浴びずに行ったままの姿だった。
1つだけ違うところがあるとしたら、誰かを連れて来た事だろうか。
「パメラ様? その者は一体何者でしょうか」
「あ……クンビーラ」
「クンビーラって言うのかい? 殺したはずなのに生きてたから、とりあえず全身にナイフを刺しといた」
ヴァージニアと死闘を繰り広げた12神将の筆頭・クンビーラ。
その姿は無残にも20本のナイフが体中に刺されている。
頭にも2本刺さっているのだが、どうにも様子がおかしい。
「あら? そのお方、まで生きてらっしゃいますね」
「ああ。クンビーラって言ったかい? そういえば死なない12神将がいるって聞いたけど、こいつがそうなのかもしれないねぇ」
ソレは別の場所でも同じことが起きていた。
「これは恐ろしいですね。殺しても死なないと聞いていましたが、まさか体に大きな穴を開けたまま立ち上がるなんて」
キャロラインは魔法で体に風穴を開けたのだが、その者は穴から血を流しながらも立ち上がり、ゆっくりと歩いていた。
真っ暗い部屋の中央に水晶玉があり、それを囲むように7つの鏡が並んでいる。
その鏡には壱から漆までの数字が書かれた前垂れをした人物が映っていた。
「私の所は大丈夫です。戦場からも離れていますし」
「ワシの所は最悪じゃ。ワシはいいが街を荒らされ放題だわ」
「これだから自制の利かないバカ共は困る」
「とはいえこうも見事に物流を封鎖されるとは思わなんだ」
「何かしらの手は打ってくると思っていたが、ここまで大掛かりな事をするとはな」
それぞれが近況報告をしているが、食うに困ってはいないが他への被害が大きいようだ。
戦場の近くの街は略奪行為が横行し、離れた街は前線へと物資を送るからと次々に物が無くなっていく。
人々には関心の無かった戦争が起こり、圧勝だと言われていたはずが食うに困る状態になっている。
一体誰のせいなのか。
「12神将も半分が捕まったようですね」
「あいつらも存外不甲斐ない。9人の悪夢の騎士など敵ではないと言っていたのにな」
「9人の悪夢の騎士ですらない者にまでやられた様だしのぅ」
「確か上の3人は出て来ていないのだったな。こうなると我らも考えねばならん」
「3尊を出す……か?」
「しかし言う事を聞くかのぅ。あ奴らは気まぐれじゃ」
「ザナドゥをやるとでも言えば動かないか?」
「そういえばあの国の国王に興味を持っていたか」
「それではあの国の全てを好きにしていい、という事で」
「進め! 進めー!」
ベフラウィングの兵たちが血眼になって都市に攻撃をしている。
物資不足は限界を超え、すでに撤退するにしても食料が持たない様だ。
望んではいない、なかば強制的に背水の陣にさせられ、食うために攻撃をするしかないのだ。
「目の前の都市には食い物が沢山ある! 攻め落として腹いっぱいメシを食うんだ!」
在りもしない希望にすがり、大量の命が食料を求めて消費されていく。
体力もなく気力だけで動いているのだが、気力だけでは心身ともに充実した者に勝てるはずがなかった。
「おーおー、無駄な足掻きだねぇ。アタイの活躍には物足りないがね」
「あいつらも必死……でも、パメラさんが来てくれたから……あいつらの努力は無駄」
「それを言ってはカワイソウですわ。そうするしか手が無いのでございますから」
パメラ、ヴァージニア、ルルナラが防壁の上から見ているが、気迫はあるが能力が足りていないため、結局は今までと同じことの繰り返しになっている。
「終わらせて……いいんでしょ?」
「ああ、アタイが来たのも『最後だから好きにしろ』って言われたからだしねぇ。暴れさせてもらうさ」
「わ、私は見学しておりますね」
ポンとルルナラの肩が叩かれ、振り向くとパメラがいた。
「そうさね、お前は黙って見てな」
そして正面にもパメラがいた。
「アタイの活躍を見てな」
別の場所ではパメラが2人並んでいる。
「よーっし、じゃあアタイらで勝負するかい?」
「いいねぇ、誰が一番多く倒せるか勝負しようじゃないか」
ヴァージニアとルルナラが目を擦る。
そしてもう一度よく見るのだが……パメラが10人ほどいた。
「なに……? どういう事……?」
「パ、パメラ様が沢山……???」
「「「勝負開始だよ!!!」」」
10人のパメラが防壁から飛び降りると、10本の赤い線が放射状に広がっていく。
敵兵の首を切り落とし、隙間なく血が吹き出すと、途中からはそれぞれ方向を変えて行った。
だがその行先は赤い線で彩られており、どこにいるのかが一目でわかる……のだが、線の伸びる速度が尋常ではない。
防壁の上から見ていても、目で追うのがやっとだ。
「あれ……全部パメラさん?」
「その様でございますね」
「出る幕が無い……」
「私達はお休みしておりましょう」
30分ほどが過ぎただろうか。
防壁の周りには動く者が居なくなってしまった。
いや、パメラ以外、生きている者が居なくなった。
門を開けて悠々と戻って来た10人のパメラは、返り血などは浴びずに行ったままの姿だった。
1つだけ違うところがあるとしたら、誰かを連れて来た事だろうか。
「パメラ様? その者は一体何者でしょうか」
「あ……クンビーラ」
「クンビーラって言うのかい? 殺したはずなのに生きてたから、とりあえず全身にナイフを刺しといた」
ヴァージニアと死闘を繰り広げた12神将の筆頭・クンビーラ。
その姿は無残にも20本のナイフが体中に刺されている。
頭にも2本刺さっているのだが、どうにも様子がおかしい。
「あら? そのお方、まで生きてらっしゃいますね」
「ああ。クンビーラって言ったかい? そういえば死なない12神将がいるって聞いたけど、こいつがそうなのかもしれないねぇ」
ソレは別の場所でも同じことが起きていた。
「これは恐ろしいですね。殺しても死なないと聞いていましたが、まさか体に大きな穴を開けたまま立ち上がるなんて」
キャロラインは魔法で体に風穴を開けたのだが、その者は穴から血を流しながらも立ち上がり、ゆっくりと歩いていた。
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
クラス転移したからクラスの奴に復讐します
wrath
ファンタジー
俺こと灞熾蘑 煌羈はクラスでいじめられていた。
ある日、突然クラスが光輝き俺のいる3年1組は異世界へと召喚されることになった。
だが、俺はそこへ転移する前に神様にお呼ばれし……。
クラスの奴らよりも強くなった俺はクラスの奴らに復讐します。
まだまだ未熟者なので誤字脱字が多いと思いますが長〜い目で見守ってください。
閑話の時系列がおかしいんじゃない?やこの漢字間違ってるよね?など、ところどころにおかしい点がありましたら気軽にコメントで教えてください。
追伸、
雫ストーリーを別で作りました。雫が亡くなる瞬間の心情や死んだ後の天国でのお話を書いてます。
気になった方は是非読んでみてください。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!