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第6章 ダンジョンから始まる世界交流
第249話 黒い影
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奴隷を駆使し、41階の全体を回り終わった時、生き残っている奴隷は12人だった。
死んだ奴隷の数は100を超えているが、それでも隙間なく調べる事が出来た様だ。
「色々と見つかりましたね。一度戻って換金しますか?」
「そっだな。リュックも一杯だし、このフロアは終わりだしな」
「残った奴隷はここに残していこう。移動が面倒なのは困る」
「ほっとけば勝手に死ぬよ。ここは冒険者が少ないから構わないが、他のフロアじゃ目立っちまうからねぇ」
一応自分達がいけない事をしている自覚はある様だ。
あっても直す気は無さそうだが。
40階からテレポーターステーションに入り、1階へと戻ってくる。
簡易冒険者ギルドへ向かうと調査結果を受付に報告をした。
「わあ! ありがとうございます! このフロアは罠ばかりで、確認作業も進まなかったんです! でもこれで地図の確認作業が進みます」
41階は罠フロアなため、ヤクシ達が地図を提供した後も確認の作業が遅々として進まなかった。
それが一気に全部の確認が終わったので、受付嬢は喜んでいる。
「なになに、俺達にかかりゃ~簡単なもんよ」
「アイテムの換金……買取もお願いしたいのですが」
ヘルメット男が悦に入っていると、ドレス女は沢山の荷物が詰め込まれたリュックを複数個、受付嬢に渡した。
ニコニコ顔で受け取ると、担当に渡して受付業務を続ける。
ヤクシ達が出した地図との違いや、新しい発見が無いかの確認だが、ヤクシ達の地図が正確だった事の確認にしかならなかった。
「こんな正確な地図をいきなり完成させる者とは、一体何者なのだ?」
黒ローブが興味深そうに尋ねるが、受付嬢は笑顔を崩さず口を開く。
「申し訳ありません、そういった情報は言えない事になっていますので」
「そうか、それは残念だ」
そういって懐から飴の様なものを取り出し、ポイっと口に入れる。
他の3人も同じく自分の口に放り込んでいく。
「おっと、お嬢さんもどうだね、甘くておいしいぞ」
小さな包みに入った飴の様なものを受付嬢に渡す。
「ありがとうございます、いただきます」
「それで、地図を描いたのは誰なのだ?」
「ヤクシ……ガッコウ……シャンディラという……3人の新人冒険者です」
「あの3人か。ウワサじゃ全員女だって聞いたぜ?」
「はい……まだ若い……キレイな人たち……でした」
「ふむ、今はどこにいるのだ?」
「地図の確認……が……取れるまで……さらに上……の攻略を」
「いつごろ戻ってくるか分かりますか?」
「2~3日……で、戻ると……言っていました」
「それはいつなんだい?」
「2日前……に入った……ので、明日か明後日……だと」
更にはヤクシ達の特徴を聞き出し、しばらくは塔に登らないで待つ事にした様だ。
受付嬢に何か飲み薬を渡し、その後はアイテムの買い取りを待っていた。
「あ、あら? 私ったら一体何を……? は! すみません! 私ぼーっとしてたみたいで!」
「いえいえ、構いませんよ。受付業務は大変ですからね」
「本当にすみません、あ、アイテムの鑑定が終わったようです。あ! Bランクの武器があったようですよ!」
見つかったのは狙った相手に誘導するように飛んで行く投げナイフ『糸引きナイフ』だった。
かなり良い物なのだが、投げナイフは使わないという理由で売る様だ。
地図情報、その他のアイテムを売った価格は12G23S(122万3千円)だった。
地図の確認だけなのと、アイテムは糸引きナイフ以外は普通だったようだ。
それでも1日でこの金額だ。
翌日、ヤクシ達は塔から戻って来て、120階までの情報を提供する。
更にはまたAランクアイテムを見つけたようで、ギルド内はお祭り騒ぎだ。
「凄いです皆さん! 地図は正確ですし、罠や魔物情報も文句ありません。ああんもう! はやくSランクになって欲しいです!」
Aランク冒険者では100階には到達できない。
Sランクですら未開の地域を開拓する事には及び腰だ。
それを進んで、更には実力にも問題は無く、性格も特に問題は無く、しかも美しい。
ある意味憧れの冒険者を体現している。
「どうでしょうか。お役に立てるのは嬉しいですが、ランクにはこだわりませんので」
「そっだよな~、ワタシらはランクなんて必要ないかんな」
「こ、怖い所には……い、行きたくないです」
ある意味もっとも恐ろしい場所を探索しているのだが、どうやらその自覚は無いようだ。
ついでにいうと3人は、Sランクの枠からはとうの昔に飛び出している。
今回見つけたAランクアイテムは『はっぱの剣』で、斬る事よりも刺す事に重点を置いたものだ。
前回もそうだったが、ヤクシ達が見つけた高ランクアイテムは、オークションで売りに出される。
本人達には特に必要がないし、修斗からの命令は100階までの攻略であり、アイテムなど見つけたものは自由にしていいのだ。
余程自分にあったものなら使うだろうが、前回見つけたSランク武器の剣は使わないし、今回の剣も使わない。
ちなみに前回の『澄み渡る刃』は、どこぞの国の貴族が1億5千5百Gで落札したらしい。
思ったよりも安かった。
まだ100階までの確認が終わっていないようなので、3人はしばらく町で過ごす事にした様だ。
「お嬢さんがた、少し話を聞いてもいいかね?」
黒いローブの男が声をかけた。
死んだ奴隷の数は100を超えているが、それでも隙間なく調べる事が出来た様だ。
「色々と見つかりましたね。一度戻って換金しますか?」
「そっだな。リュックも一杯だし、このフロアは終わりだしな」
「残った奴隷はここに残していこう。移動が面倒なのは困る」
「ほっとけば勝手に死ぬよ。ここは冒険者が少ないから構わないが、他のフロアじゃ目立っちまうからねぇ」
一応自分達がいけない事をしている自覚はある様だ。
あっても直す気は無さそうだが。
40階からテレポーターステーションに入り、1階へと戻ってくる。
簡易冒険者ギルドへ向かうと調査結果を受付に報告をした。
「わあ! ありがとうございます! このフロアは罠ばかりで、確認作業も進まなかったんです! でもこれで地図の確認作業が進みます」
41階は罠フロアなため、ヤクシ達が地図を提供した後も確認の作業が遅々として進まなかった。
それが一気に全部の確認が終わったので、受付嬢は喜んでいる。
「なになに、俺達にかかりゃ~簡単なもんよ」
「アイテムの換金……買取もお願いしたいのですが」
ヘルメット男が悦に入っていると、ドレス女は沢山の荷物が詰め込まれたリュックを複数個、受付嬢に渡した。
ニコニコ顔で受け取ると、担当に渡して受付業務を続ける。
ヤクシ達が出した地図との違いや、新しい発見が無いかの確認だが、ヤクシ達の地図が正確だった事の確認にしかならなかった。
「こんな正確な地図をいきなり完成させる者とは、一体何者なのだ?」
黒ローブが興味深そうに尋ねるが、受付嬢は笑顔を崩さず口を開く。
「申し訳ありません、そういった情報は言えない事になっていますので」
「そうか、それは残念だ」
そういって懐から飴の様なものを取り出し、ポイっと口に入れる。
他の3人も同じく自分の口に放り込んでいく。
「おっと、お嬢さんもどうだね、甘くておいしいぞ」
小さな包みに入った飴の様なものを受付嬢に渡す。
「ありがとうございます、いただきます」
「それで、地図を描いたのは誰なのだ?」
「ヤクシ……ガッコウ……シャンディラという……3人の新人冒険者です」
「あの3人か。ウワサじゃ全員女だって聞いたぜ?」
「はい……まだ若い……キレイな人たち……でした」
「ふむ、今はどこにいるのだ?」
「地図の確認……が……取れるまで……さらに上……の攻略を」
「いつごろ戻ってくるか分かりますか?」
「2~3日……で、戻ると……言っていました」
「それはいつなんだい?」
「2日前……に入った……ので、明日か明後日……だと」
更にはヤクシ達の特徴を聞き出し、しばらくは塔に登らないで待つ事にした様だ。
受付嬢に何か飲み薬を渡し、その後はアイテムの買い取りを待っていた。
「あ、あら? 私ったら一体何を……? は! すみません! 私ぼーっとしてたみたいで!」
「いえいえ、構いませんよ。受付業務は大変ですからね」
「本当にすみません、あ、アイテムの鑑定が終わったようです。あ! Bランクの武器があったようですよ!」
見つかったのは狙った相手に誘導するように飛んで行く投げナイフ『糸引きナイフ』だった。
かなり良い物なのだが、投げナイフは使わないという理由で売る様だ。
地図情報、その他のアイテムを売った価格は12G23S(122万3千円)だった。
地図の確認だけなのと、アイテムは糸引きナイフ以外は普通だったようだ。
それでも1日でこの金額だ。
翌日、ヤクシ達は塔から戻って来て、120階までの情報を提供する。
更にはまたAランクアイテムを見つけたようで、ギルド内はお祭り騒ぎだ。
「凄いです皆さん! 地図は正確ですし、罠や魔物情報も文句ありません。ああんもう! はやくSランクになって欲しいです!」
Aランク冒険者では100階には到達できない。
Sランクですら未開の地域を開拓する事には及び腰だ。
それを進んで、更には実力にも問題は無く、性格も特に問題は無く、しかも美しい。
ある意味憧れの冒険者を体現している。
「どうでしょうか。お役に立てるのは嬉しいですが、ランクにはこだわりませんので」
「そっだよな~、ワタシらはランクなんて必要ないかんな」
「こ、怖い所には……い、行きたくないです」
ある意味もっとも恐ろしい場所を探索しているのだが、どうやらその自覚は無いようだ。
ついでにいうと3人は、Sランクの枠からはとうの昔に飛び出している。
今回見つけたAランクアイテムは『はっぱの剣』で、斬る事よりも刺す事に重点を置いたものだ。
前回もそうだったが、ヤクシ達が見つけた高ランクアイテムは、オークションで売りに出される。
本人達には特に必要がないし、修斗からの命令は100階までの攻略であり、アイテムなど見つけたものは自由にしていいのだ。
余程自分にあったものなら使うだろうが、前回見つけたSランク武器の剣は使わないし、今回の剣も使わない。
ちなみに前回の『澄み渡る刃』は、どこぞの国の貴族が1億5千5百Gで落札したらしい。
思ったよりも安かった。
まだ100階までの確認が終わっていないようなので、3人はしばらく町で過ごす事にした様だ。
「お嬢さんがた、少し話を聞いてもいいかね?」
黒いローブの男が声をかけた。
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