337 / 373
第7章 改変された世界
第335話 狙われた4女傑
しおりを挟む
レベッカとウィリアムは傭兵団と共にロールドルフ国へと移動させ、それと共にヤクシ、ガッコウ、シャンディラ、ターニャもロールドルフ国へと向かわせた。
フランチェスカは一緒に行くと言って聞かなかったため、キャロライン、ルルナラ、ティナの4人がラグナと行動を共にする。
「メナストーン国へ行った後の予定は決まっているのかしら?」
「予定ですと、帰り道にマジーク魔法国連邦があるので、アカデミー学園へ行く予定でございます」
フランチェスカとルルナラの会話だが、メナストーン国へ行った後は9人の悪夢の騎士を探す予定だったが、意外な事にパメラ以外は揃ってしまった。
なので大陸に残る修斗のお気に入りは、ポリンとシャロンだけになった。
それ以降は異世界や海を渡った向こうにいるため、少々準備が必要になる。
とはいえ空を飛べる人数が増えたので、さほど時間がかかるわけでもないだろう。
今回魔道車で地道に走って回ったのは、所在不明の人間を探すための情報収集をする為だったが、意外に早く見つけることが出来た。
この星にいる人間ならば、移動に時間をかければ会いに行けるが、問題は異世界だろう。
修斗が異世界へ行き来できたのは一重に神界天技のお陰であり、神界天技を使えない今の状態では、異世界への移動は不可能という事だ。
そのきっかけとなる物はすでにその手にあるのだが……さてどうなるか。
数日の移動を経てメナストーン国へとやってきた。
メナストーン国は鉄鋼及び宝石で栄えており、ザナドゥ王国が手を貸す前とは全く違う国になっていた。
キャロラインが王城に面談の手紙を送ると、翌日には返事が来た。
「……随分と早いけど、これが普通よね?」
「今までが今まででしたので、要らぬ考えを巡らせてしまいますわね」
高級宿屋に返事が届いたのは、昼を回ってすぐだった。
ルルナラが返事を受け取り、キャロラインが声に出して読んだのだが、あまりの返事の速さに驚いている。
「今日明日ならいつでもいいと書かれていますが、そんな簡単に国王に謁見できるものでしょうか?」
「でもラグナ君、こちらにも王族が居るのだから、謁見自体には問題ないと思うわ。それに、こう見えても私だって大公の娘、王族に名を連ねているのよ?」
フランチェスカが少しだけ自慢げに胸を張る。
果てしなく低いとはいえ、フランチェスカにも王位継承権はある。
重鎮の中では大して有利な事柄ではないが、一般的には非常に重要だ。
「でも良いと言うのなら行くとしましょうか。今から」
王城へ行くととても歓迎されているようで、兵士達が通路の両脇に並んで敬礼をし、謁見の間に入ると王族4人が待っていた。
国王、王妃、王子、王女だが、残念ながら王妃のお腹は大きくなっていない。
修斗時代に来た時、ミュゼウスはお姉さんになると言っていたのだが、どうやらなかった事になったようだ。
謁見を済ませ、ミュゼウスと女性陣が個人的に話しをしたいと申し出ると、簡単にOKがでた。
そこでミュゼウスと歓談したのち、ラグナと目を合わせた。
「ラグナ様、私はしばらく国に残りたいのですが、よろしいですか?」
朝のベッドの上で、ラグナの胸に抱き付きながらミュゼウスは付いて行かないと言った。
「それは構いませんが、国でやる事があるんですか?」
「はい。いまメナストーン国は皆さんのお陰で好景気です。しかしそれに付け込もうとする国や悪人が集まっています。記憶と能力の戻った私なら、対処できるのではないかと」
鉄鋼産業は昔からやっていたが、今は宝石の産地でもある為、盗掘者の侵入が後を絶たない。
しかし相手の方が上手で、気が付けば宝石が盗まれている事が幾度となくあったのだ。
それを何とかしたいのだろう。
「わかりました。しかしミュゼウスは凄いですね、しっかりと国の事を考えている」
「しゅ……ラグナ様のお陰です」
「ではひと段落ついたらロールドルフ国へいらしてください、歓迎しますよ」
「はい!」
王城で朝食を食べ、お土産を持たされてマジーク魔法国連邦へと向かう。
帰り道ではあるが、メナストーン国からは随分と距離がある為、到着は6~8日はかかるだろう。
それにしても一時的な事とはいえ、ロールドルフ国の戦力が恐ろしい事になっている。
国に所属している訳ではないが、ザナドゥ王国の重鎮は1人1人が国家戦力級であり、9人の悪夢の騎士に至っては国家処の騒ぎではない。
それが20名近くも揃っているのだ。
もちろんその能力は大っぴらに公表されていないが、切っ掛けがあればすぐに広まるだろう。
そしてそのきっかけは直ぐにやってきた。
ロールドルフ国の4女傑の2人、ナターシャとキャシーが毒殺されそうになったのだ。
もちろん毒などでどうにかできる者達ではないが、王族を毒殺しようなどと、あまりにも大胆不敵な行為に、国の威信は傷つけられてしまったのだ。
公表はされていないが、極秘裏に犯人探しが始められた。
始められたと同時に犯人が見つかり、今は背後関係を洗っているようだ。
「ほらほら、さっさと吐いて楽になっちまいなよ」
「……」
「強情な奴だな。仕方がない、裏の手で行くか」
毒殺されそうになった張本人、キャシーが牢屋で尋問しているが、犯人は何もしゃべらない。
最初は優しく、そして段々と険しくなり、また優しくなった。
相手を油断させる手法だろうか?
「アタイはあんたが心配なのさ。このままだと殺されちまうんじゃないかい?
「……構わないさ。お前達を苦しめられなかったのが心残りだがな」
「へぇ、殺すのが目的じゃなかったんだね」
「……ゴキブリはしぶといからな、全滅は無理でも数を減らせればいい」
「苦しい言い訳だねぇ、お隣さんは教育がなってないようだ」
男は目を細めて顔を逸らす。
どうやら隣国がロールドルフ国の国力を削るために、4女傑の力を削ごうと考えたようだ。
フランチェスカは一緒に行くと言って聞かなかったため、キャロライン、ルルナラ、ティナの4人がラグナと行動を共にする。
「メナストーン国へ行った後の予定は決まっているのかしら?」
「予定ですと、帰り道にマジーク魔法国連邦があるので、アカデミー学園へ行く予定でございます」
フランチェスカとルルナラの会話だが、メナストーン国へ行った後は9人の悪夢の騎士を探す予定だったが、意外な事にパメラ以外は揃ってしまった。
なので大陸に残る修斗のお気に入りは、ポリンとシャロンだけになった。
それ以降は異世界や海を渡った向こうにいるため、少々準備が必要になる。
とはいえ空を飛べる人数が増えたので、さほど時間がかかるわけでもないだろう。
今回魔道車で地道に走って回ったのは、所在不明の人間を探すための情報収集をする為だったが、意外に早く見つけることが出来た。
この星にいる人間ならば、移動に時間をかければ会いに行けるが、問題は異世界だろう。
修斗が異世界へ行き来できたのは一重に神界天技のお陰であり、神界天技を使えない今の状態では、異世界への移動は不可能という事だ。
そのきっかけとなる物はすでにその手にあるのだが……さてどうなるか。
数日の移動を経てメナストーン国へとやってきた。
メナストーン国は鉄鋼及び宝石で栄えており、ザナドゥ王国が手を貸す前とは全く違う国になっていた。
キャロラインが王城に面談の手紙を送ると、翌日には返事が来た。
「……随分と早いけど、これが普通よね?」
「今までが今まででしたので、要らぬ考えを巡らせてしまいますわね」
高級宿屋に返事が届いたのは、昼を回ってすぐだった。
ルルナラが返事を受け取り、キャロラインが声に出して読んだのだが、あまりの返事の速さに驚いている。
「今日明日ならいつでもいいと書かれていますが、そんな簡単に国王に謁見できるものでしょうか?」
「でもラグナ君、こちらにも王族が居るのだから、謁見自体には問題ないと思うわ。それに、こう見えても私だって大公の娘、王族に名を連ねているのよ?」
フランチェスカが少しだけ自慢げに胸を張る。
果てしなく低いとはいえ、フランチェスカにも王位継承権はある。
重鎮の中では大して有利な事柄ではないが、一般的には非常に重要だ。
「でも良いと言うのなら行くとしましょうか。今から」
王城へ行くととても歓迎されているようで、兵士達が通路の両脇に並んで敬礼をし、謁見の間に入ると王族4人が待っていた。
国王、王妃、王子、王女だが、残念ながら王妃のお腹は大きくなっていない。
修斗時代に来た時、ミュゼウスはお姉さんになると言っていたのだが、どうやらなかった事になったようだ。
謁見を済ませ、ミュゼウスと女性陣が個人的に話しをしたいと申し出ると、簡単にOKがでた。
そこでミュゼウスと歓談したのち、ラグナと目を合わせた。
「ラグナ様、私はしばらく国に残りたいのですが、よろしいですか?」
朝のベッドの上で、ラグナの胸に抱き付きながらミュゼウスは付いて行かないと言った。
「それは構いませんが、国でやる事があるんですか?」
「はい。いまメナストーン国は皆さんのお陰で好景気です。しかしそれに付け込もうとする国や悪人が集まっています。記憶と能力の戻った私なら、対処できるのではないかと」
鉄鋼産業は昔からやっていたが、今は宝石の産地でもある為、盗掘者の侵入が後を絶たない。
しかし相手の方が上手で、気が付けば宝石が盗まれている事が幾度となくあったのだ。
それを何とかしたいのだろう。
「わかりました。しかしミュゼウスは凄いですね、しっかりと国の事を考えている」
「しゅ……ラグナ様のお陰です」
「ではひと段落ついたらロールドルフ国へいらしてください、歓迎しますよ」
「はい!」
王城で朝食を食べ、お土産を持たされてマジーク魔法国連邦へと向かう。
帰り道ではあるが、メナストーン国からは随分と距離がある為、到着は6~8日はかかるだろう。
それにしても一時的な事とはいえ、ロールドルフ国の戦力が恐ろしい事になっている。
国に所属している訳ではないが、ザナドゥ王国の重鎮は1人1人が国家戦力級であり、9人の悪夢の騎士に至っては国家処の騒ぎではない。
それが20名近くも揃っているのだ。
もちろんその能力は大っぴらに公表されていないが、切っ掛けがあればすぐに広まるだろう。
そしてそのきっかけは直ぐにやってきた。
ロールドルフ国の4女傑の2人、ナターシャとキャシーが毒殺されそうになったのだ。
もちろん毒などでどうにかできる者達ではないが、王族を毒殺しようなどと、あまりにも大胆不敵な行為に、国の威信は傷つけられてしまったのだ。
公表はされていないが、極秘裏に犯人探しが始められた。
始められたと同時に犯人が見つかり、今は背後関係を洗っているようだ。
「ほらほら、さっさと吐いて楽になっちまいなよ」
「……」
「強情な奴だな。仕方がない、裏の手で行くか」
毒殺されそうになった張本人、キャシーが牢屋で尋問しているが、犯人は何もしゃべらない。
最初は優しく、そして段々と険しくなり、また優しくなった。
相手を油断させる手法だろうか?
「アタイはあんたが心配なのさ。このままだと殺されちまうんじゃないかい?
「……構わないさ。お前達を苦しめられなかったのが心残りだがな」
「へぇ、殺すのが目的じゃなかったんだね」
「……ゴキブリはしぶといからな、全滅は無理でも数を減らせればいい」
「苦しい言い訳だねぇ、お隣さんは教育がなってないようだ」
男は目を細めて顔を逸らす。
どうやら隣国がロールドルフ国の国力を削るために、4女傑の力を削ごうと考えたようだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
セクスカリバーをヌキました!
桂
ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。
国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。
ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる