ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第7章 改変された世界

第335話 狙われた4女傑

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 レベッカ魔法兵長ウィリアム騎士団長は傭兵団と共にロールドルフ国へと移動させ、それと共にヤクシ盲目の剣士ガッコウ銃使いシャンディラゴスロリ魔法少女ターニャ鮮血の鋼鉄姫もロールドルフ国へと向かわせた。

 フランチェスカ元生徒会長は一緒に行くと言って聞かなかったため、キャロライン王女ルルナラ残念エルフティナお嬢様の4人がラグナと行動を共にする。

「メナストーン国へ行った後の予定は決まっているのかしら?」

「予定ですと、帰り道にマジーク魔法国連邦があるので、アカデミー学園へ行く予定でございます」

 フランチェスカとルルナラの会話だが、メナストーン国へ行った後は9人の悪夢の騎士トリプルナインを探す予定だったが、意外な事にパメラ以外は揃ってしまった。
 なので大陸に残る修斗のお気に入りは、ポリンとシャロンだけになった。

 それ以降は異世界や海を渡った向こうにいるため、少々準備が必要になる。
 とはいえ空を飛べる人数が増えたので、さほど時間がかかるわけでもないだろう。
 今回魔道車で地道に走って回ったのは、所在不明の人間を探すための情報収集をする為だったが、意外に早く見つけることが出来た。

 この星にいる人間ならば、移動に時間をかければ会いに行けるが、問題は異世界だろう。
 修斗が異世界へ行き来できたのは一重ひとえ神界天技しんかいてんぎのお陰であり、神界天技を使えない今の状態では、異世界への移動は不可能という事だ。

 そのきっかけとなる物はすでにその手にあるのだが……さてどうなるか。

 数日の移動を経てメナストーン国へとやってきた。
 メナストーン国は鉄鋼及び宝石で栄えており、ザナドゥ王国が手を貸す前とは全く違う国になっていた。
 キャロラインが王城に面談の手紙を送ると、翌日には返事が来た。

「……随分と早いけど、これが普通よね?」

「今までが今まででしたので、要らぬ考えを巡らせてしまいますわね」

 高級宿屋に返事が届いたのは、昼を回ってすぐだった。
 ルルナラが返事を受け取り、キャロラインが声に出して読んだのだが、あまりの返事の速さに驚いている。

「今日明日ならいつでもいいと書かれていますが、そんな簡単に国王に謁見できるものでしょうか?」

「でもラグナ君、こちらにも王族が居るのだから、謁見自体には問題ないと思うわ。それに、こう見えても私だって大公の娘、王族に名を連ねているのよ?」

 フランチェスカが少しだけ自慢げに胸を張る。
 果てしなく低いとはいえ、フランチェスカにも王位継承権はある。
 重鎮の中では大して有利な事柄ことがらではないが、一般的には非常に重要だ。

「でも良いと言うのなら行くとしましょうか。今から」



 王城へ行くととても歓迎されているようで、兵士達が通路の両脇に並んで敬礼をし、謁見の間に入ると王族4人が待っていた。
 国王、王妃、王子、王女だが、残念ながら王妃のお腹は大きくなっていない。
 修斗時代に来た時、ミュゼウスはお姉さんになると言っていたのだが、どうやらなかった事になったようだ。

 謁見を済ませ、ミュゼウスと女性陣が個人的に話しをしたいと申し出ると、簡単にOKがでた。
 そこでミュゼウスと歓談したのち、ラグナと目を合わせた。



「ラグナ様、私はしばらく国に残りたいのですが、よろしいですか?」

 朝のベッドの上で、ラグナの胸に抱き付きながらミュゼウスは付いて行かないと言った。
 
「それは構いませんが、国でやる事があるんですか?」

「はい。いまメナストーン国は皆さんのお陰で好景気です。しかしそれに付け込もうとする国や悪人が集まっています。記憶と能力の戻った私なら、対処できるのではないかと」

 鉄鋼産業は昔からやっていたが、今は宝石の産地でもある為、盗掘者の侵入が後を絶たない。
 しかし相手の方が上手うわてで、気が付けば宝石が盗まれている事が幾度となくあったのだ。
 それを何とかしたいのだろう。

「わかりました。しかしミュゼウスは凄いですね、しっかりと国の事を考えている」

「しゅ……ラグナ様のお陰です」

「ではひと段落ついたらロールドルフ国へいらしてください、歓迎しますよ」

「はい!」

 王城で朝食を食べ、お土産を持たされてマジーク魔法国連邦へと向かう。
 帰り道ではあるが、メナストーン国からは随分と距離がある為、到着は6~8日はかかるだろう。

 それにしても一時的な事とはいえ、ロールドルフ国の戦力が恐ろしい事になっている。
 国に所属している訳ではないが、ザナドゥ王国の重鎮は1人1人が国家戦力級であり、9人の悪夢の騎士トリプルナインに至っては国家処の騒ぎではない。

 それが20名近くも揃っているのだ。
 もちろんその能力は大っぴらに公表されていないが、切っ掛けがあればすぐに広まるだろう。
 そしてそのきっかけは直ぐにやってきた。

 ロールドルフ国の4女傑の2人、ナターシャ第1王子妃キャシー第2王子妃が毒殺されそうになったのだ。
 もちろん毒などでどうにかできる者達ではないが、王族を毒殺しようなどと、あまりにも大胆不敵な行為に、国の威信は傷つけられてしまったのだ。

 公表はされていないが、極秘裏に犯人探しが始められた。
 始められたと同時に犯人が見つかり、今は背後関係を洗っているようだ。
 
「ほらほら、さっさと吐いて楽になっちまいなよ」

「……」

「強情な奴だな。仕方がない、裏の手で行くか」

 毒殺されそうになった張本人、キャシーが牢屋で尋問しているが、犯人は何もしゃべらない。
 最初は優しく、そして段々と険しくなり、また優しくなった。
 相手を油断させる手法だろうか?

「アタイはあんたが心配なのさ。このままだと殺されちまうんじゃないかい? 

「……構わないさ。お前達を苦しめられなかったのが心残りだがな」

「へぇ、殺すのが目的じゃなかったんだね」

「……ゴキブリはしぶといからな、全滅は無理でも数を減らせればいい」

「苦しい言い訳だねぇ、お隣さんは教育がなってないようだ」

 男は目を細めて顔を逸らす。
 どうやら隣国がロールドルフ国の国力を削るために、4女傑の力を削ごうと考えたようだ。
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