ステータスを好きにイジって遊んでたら、嫁たちが国造りを始めました

内海

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第7章 改変された世界

第342話 冒険者はラグナ?

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 東の陸地に到着した帆船は、結局修理が終わらないまま港に入った。
 騒ぎが起きるからと、浸水しない程度の処置だけをして海に浮かべ、ゆっくりと入港したため船が浮いているという騒ぎは起きなかった。

 しかし別の騒ぎが起きていた。

 シーサーペントを生きたまま曳航えいこうしていたため、港には防衛隊がずらりと並んで待機していたのだ。
 帆船の船長が事情を説明したが、それでも不安だからと防衛は解かれなかった。

「殺した方が良かったか?」

「いえいえいえ! 今冒険者ギルドに連絡を入れていますので、もうしばらくお待ちください」

 どうやら魔物の買取は冒険者ギルドがするようで、急いで連れてきているようだ。
 すぐにギルドの職員らしく男女数名が現れ、海面に揺蕩たゆたうシーサーペントを見て腰を抜かしていた。
 本当に生きているとは思っていなかったようだ。

「え、えっと、ギルドタグはお持ちですか?」

 ギルド職員からそんな事を言われたが、修斗はもちろんキャロライン王女バーバラ聖女も冒険者ギルドに登録などしていないため、ギルドタグなど持っていない。
 なので新規登録を進められたのだが、キャロラインとバーバラは素性がバレると面倒なので、修斗だけ登録する事にした。

「おや? すでに登録されていますね」

 簡単な書類を書き込むと、職員は何かを照合したようだ。
 しかし修斗が冒険者登録したのはラグナになる前の事。
 修斗として登録した記録が残っているのだろうか。

「ラグナさんとして登録されていますが、ラグナさんではないのですか?」

「ああ、そういえば向こうの屋敷に居る時に、冒険者資格を取ったんだったな。だったら俺で間違いないのか? いややっぱり違うな。登録内容の変更は可能か?」

「内容にもよりますが……」

「名前だけでいい」

「最も大事な部分なのですが!?」

「俺は捨て子で記憶喪失だったんだ。記憶が戻って本当の名前を思い出したんだ」

「ぐ……複雑な事情がおアリのようですね。申請をしておきますが、名前が変更された例は稀なので、あまり期待しないでください」

「その時は何とかしよう」

 しかしその後、冒険者ランクがEランクであることが発覚し、Eランクがシーサーペントを倒せるはずがない! 協力者は誰だ! となったのだが、なにぶん船乗り全員が目撃者の為、ラグナではなく修斗が、と説明すると職員は唸りながらも名前変更の件を前向きに検討すると言い、買取作業を開始した。

 生きたシーサーペントの価値はかなり高い為、ギルドにある金だけでは足りないかもしれないらしく、しばらくはギルドに預ける事となった。

「シーサーペントを1人で倒せる冒険者にお願いしたい依頼があります!」

 と言われたが、今は先を急ぎたいため断って街を出て行った。
 魔道車で国をいくつか渡り、アイン・アール首長国に到着すると、修斗は広範囲の探索魔法を使う。

「何人かいるな……しかし反応が強い者は2人、こいつらが俺の女か?」

「確かシュウトさんは娼館で何人も抱いたと言っていましたから、反応が多い中に大きなものはありませんか?」

「居るな。ひときわ大きな反応だ」

「それがメシューゼラで間違いないでしょう!」

「少し離れた場所に大きめの反応があるが、どっちの方がお気に入りだったんだ?」

「「娼館の方です」」

 2人が声を揃えて答えると、修斗はそちらへ向かうように命令する。
 
「止まれ。ここだな」

 ある街の娼館街の店舗前で魔道車が止まる。
 修斗が魔道車から降りると2人も降りるのだが……周囲の目がおかしい。
 それもそのはず、いい女2人を連れて娼館に来るバカは居ない。

 逆に売り女と思われたのか、声をかけてくる男が数名おり、2人が軽く裏拳をかまして吹き飛ばした。
 3人で店に入ると、キャロラインがメシューゼラを指名する。
 だが今は接客の最中らしく、客を受けたばかりだからと他の女を紹介される。

 店員の言葉を無視して宿内に入り、ズカズカと階段を登っていく修斗。
 
「この部屋か」

「お、おおい! 客が入ったばかりだと言っただろうが! さっさと戻らないと痛い目にあうピギャ!」

 今度は修斗が店員に裏拳を当て、鍵のかかった扉を破壊して入っていく。

「うわ! だ、誰だお前は!」

 男は服を脱いでいる所で、ベッドの上には女が1人、透け透けの下着で座っていた。

 


「ご主人様、ご主人様!」

 頭痛から回復したメシューゼラは、ベッドに座る修斗の腰にしがみ付いて泣いていた。

「ああなるほど、間違いなく俺ならお前を手に入れるだろうな」

「ご、ご主人様も記憶が?」

「そうだ。俺が記憶を取り戻したのは最近でな、こうやって順番に女を取り戻しているんだ」

「私は、要らない女ではなかったのですね?」

「当たり前だ。随分とお前を可愛がったはずだが、自信が持てるまで可愛がり尽くしてやろうか?」

「そ、それはその……お手柔らかにお願いします」

 店を出ようとすると、店長らしき男と厳つい男連中が立ちはだかる。
 商品を連れ出そうとしているのだから、当たり前の行動だろう。
 問答無用で襲い掛かってくるのだが、今はメシューゼラとの再会を楽しみたいらしく、修斗も問答無用で反撃をする。

 パチン、指を鳴らすと男たちの動きが止まり、もう一度指を鳴らすと地面から巨大な火柱があがり、男達は店長もろとも灰となり消え去ってしまった。

「もう1人も急がないといけないな」

 何事も無かったかのように魔道車に乗り込み、首都を目指すのだった。
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