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虎
23 逃げたカレン達は2
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馬車は夕暮れ近くに隣の隣の街についた。夜の闇の中を走るのは襲われる確率が上がるので、極力行わない。
「降りるぞ、こっちだ」
名も知らぬ行商人はカレン達に手招きした。
「俺について歩いてきて」
少し足早に進む。何かから逃げるように。
「宿に泊まる金は持っているか?」
小さな声にこくりと頷くだけの返事をする。
「分かった。真っ直ぐいくぞ。手を繋げ」
カレンは行商人の手を握り、残った手でザザをザザはシュルの手をしっかり握る。
「人が多い。絶対に手を離すな。宿まで急ぐ」
スタスタと行商人の早足に、子供達は小走りになったが何とか付いてきた。
転がるように宿に飛び込み。
「1人部屋と、2人が3人泊まれる部屋を頼む」
「4人部屋じゃないのかい?」「カレンがよー一丁前におじさんと一緒の部屋なんて死んでも嫌っていうんだぜーー!」
笑いながら話して鍵を貰い、お金を払った。
「いいか、こうやって交渉して、ここで金を払って鍵をもらう。分かったな?」
目の前で宿の泊まり方を教えてくれているとカレンは気がついた。
こくり、とうなずき、リトが持たせてくれたカバンから、お金を取り出し払う。勉強のおかげでお金の事は分かるし、1泊このくらいの金額なのだと覚える。
「部屋番は、俺が3でお前たちは5だな。明日朝早く出る。声かけてやるよ」
こくり、カレンは頷く。
「部屋に入ったら窓からに鍵がかかるかどうかちゃんとみて、すぐに扉を締めるんだ。そして明日の朝まであけるんじゃない。トイレもなるべく出るなよ?」
頷く。そして扉を締めた。
そのまま、扉が開かないことを確かめ、窓も確かめる。カタカタと建て付けは悪く、動いたが空くほどでは無かった。外から開かない事を確認する。
カレンは窓の外をみる。ここに来るまで、行商人のおじさんは何度も何度も振り返っていた。
多分、私達は誰かに追いかけられている。怖い怖い!
「おねえ……」
今まで唇を噛んで一言も喋らなかったザザが一言。
「おねえ……」
シュルとザザは双子。しゃべる事、行動全て似ている。
「ザザ、シュル……お兄様は、戻って来ないかもしれない。私達だけでお爺ちゃまの家まで行かないといけないわ」
「分かった、おねえ」
「僕たちはどうしたらいい?おねえ」
弟達はわかっている。自分達でなんとかしなくちゃいけない事を。自分より4つも下なのに、私を支えてお爺ちゃまの家まで辿り着く方法を考えている。
「おねえ、何か食べよう」
「おにいが言ってた。お腹が空くと良くない事考えるって」
カレンはハッとする。今まで飲まず食わずでここまできた。思い出すと、お腹が派手な音を立ててぐうっとなった。
「そうね……」
カレンはカバンの中をゴソゴソと探ってみる。このリトが持たせてくれたあまりおしゃれじゃない鞄は見た目よりたくさん物が入る。
中から残ったパンにりんごジュース、燻製を出す。まずは食べようそれからだ。
「私達が住んでいた山のふもとの街まで行くの。そこから南に向かうのよ。お爺ちゃまの名前はルシリア伯爵だから、ルシリア領に行けば良いの」
2人は頷いた。
「あの行商人のおじさんは良い人だけど、ずっとは一緒にいけない。そして、一緒にいたら迷惑をかけるわ……多分私達は追いかけられている」
「捕まったらまた連れ戻される?」
「あにいは捕まっちゃった?」
カレンは分からないと言うしかない。
「でも、私達が先に安全なお爺ちゃまの家に逃げ込む。そしたらお兄様もお母様も逃げ出しやすい、そうでしょう?」
力強く2人は頷いた。
「そしてお爺ちゃまに助けを求めるの。私達しか出来ないことよ」
ザザとシュルははっとする。
「俺達は逃げてるだけじゃないんだね」
「俺達がみんなを助けるんだ」
3人は固まってベッドに丸まった。明日もまだまだ移動しなければならない。油断できない緊張の旅だ。
恐怖や不安を家族を助けるという使命で包み上げて、眠りについた。
姉は自分より小さい弟達の為に、弟達は姉のために泣きたい心をギュッと自分の中に押し込めて。
「降りるぞ、こっちだ」
名も知らぬ行商人はカレン達に手招きした。
「俺について歩いてきて」
少し足早に進む。何かから逃げるように。
「宿に泊まる金は持っているか?」
小さな声にこくりと頷くだけの返事をする。
「分かった。真っ直ぐいくぞ。手を繋げ」
カレンは行商人の手を握り、残った手でザザをザザはシュルの手をしっかり握る。
「人が多い。絶対に手を離すな。宿まで急ぐ」
スタスタと行商人の早足に、子供達は小走りになったが何とか付いてきた。
転がるように宿に飛び込み。
「1人部屋と、2人が3人泊まれる部屋を頼む」
「4人部屋じゃないのかい?」「カレンがよー一丁前におじさんと一緒の部屋なんて死んでも嫌っていうんだぜーー!」
笑いながら話して鍵を貰い、お金を払った。
「いいか、こうやって交渉して、ここで金を払って鍵をもらう。分かったな?」
目の前で宿の泊まり方を教えてくれているとカレンは気がついた。
こくり、とうなずき、リトが持たせてくれたカバンから、お金を取り出し払う。勉強のおかげでお金の事は分かるし、1泊このくらいの金額なのだと覚える。
「部屋番は、俺が3でお前たちは5だな。明日朝早く出る。声かけてやるよ」
こくり、カレンは頷く。
「部屋に入ったら窓からに鍵がかかるかどうかちゃんとみて、すぐに扉を締めるんだ。そして明日の朝まであけるんじゃない。トイレもなるべく出るなよ?」
頷く。そして扉を締めた。
そのまま、扉が開かないことを確かめ、窓も確かめる。カタカタと建て付けは悪く、動いたが空くほどでは無かった。外から開かない事を確認する。
カレンは窓の外をみる。ここに来るまで、行商人のおじさんは何度も何度も振り返っていた。
多分、私達は誰かに追いかけられている。怖い怖い!
「おねえ……」
今まで唇を噛んで一言も喋らなかったザザが一言。
「おねえ……」
シュルとザザは双子。しゃべる事、行動全て似ている。
「ザザ、シュル……お兄様は、戻って来ないかもしれない。私達だけでお爺ちゃまの家まで行かないといけないわ」
「分かった、おねえ」
「僕たちはどうしたらいい?おねえ」
弟達はわかっている。自分達でなんとかしなくちゃいけない事を。自分より4つも下なのに、私を支えてお爺ちゃまの家まで辿り着く方法を考えている。
「おねえ、何か食べよう」
「おにいが言ってた。お腹が空くと良くない事考えるって」
カレンはハッとする。今まで飲まず食わずでここまできた。思い出すと、お腹が派手な音を立ててぐうっとなった。
「そうね……」
カレンはカバンの中をゴソゴソと探ってみる。このリトが持たせてくれたあまりおしゃれじゃない鞄は見た目よりたくさん物が入る。
中から残ったパンにりんごジュース、燻製を出す。まずは食べようそれからだ。
「私達が住んでいた山のふもとの街まで行くの。そこから南に向かうのよ。お爺ちゃまの名前はルシリア伯爵だから、ルシリア領に行けば良いの」
2人は頷いた。
「あの行商人のおじさんは良い人だけど、ずっとは一緒にいけない。そして、一緒にいたら迷惑をかけるわ……多分私達は追いかけられている」
「捕まったらまた連れ戻される?」
「あにいは捕まっちゃった?」
カレンは分からないと言うしかない。
「でも、私達が先に安全なお爺ちゃまの家に逃げ込む。そしたらお兄様もお母様も逃げ出しやすい、そうでしょう?」
力強く2人は頷いた。
「そしてお爺ちゃまに助けを求めるの。私達しか出来ないことよ」
ザザとシュルははっとする。
「俺達は逃げてるだけじゃないんだね」
「俺達がみんなを助けるんだ」
3人は固まってベッドに丸まった。明日もまだまだ移動しなければならない。油断できない緊張の旅だ。
恐怖や不安を家族を助けるという使命で包み上げて、眠りについた。
姉は自分より小さい弟達の為に、弟達は姉のために泣きたい心をギュッと自分の中に押し込めて。
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