95 / 117
打倒!元実家!
93 ディライト家の没落6
しおりを挟む
「悪いがそれは使う訳には行かない。今までのに入れても浮いてしまうし……もっと売れる所でお披露目したい!」
「えー……分かりました!これはまた後でですね。後でぴゅーやんに頼んで切り子作れるか聞こうっと」
虎さんがまたニヤニヤしてる。何にも言ってないのに、もう販売経路考えてるんだ!
「もう大口を押さえてあるからなぁ。提案だけでバカスカ売れる。一番売れる時期なのに、こう端から端から魅力的な商品出されたら敵わんよ」
ニヤニヤ、ニヤニヤ。
「隣の隣の国まで売りに行く勢いですね!」
「ガラスは輸送に気を使うが、食いもんと違って腐らないからな。ここいらの貴族の財布の中身の心配をしてただけだぜ?」
わあ!怖い!
俺は壊れた部品を作り直し、磨くのを手伝った。学園は休まず行って欲しいと言われたので、きちんと通った。
毎日遅くまで頑張ったし、ギアナ様は寝ていないようだったけど、なんとか間に合ったらしい。
「よーし、完成したぞー!みんな!おつかれ!今日明日明後日は取り敢えず休んでくれ!ボーナスはその後にだすからなー!」
「うおー!やったぜー!」
何かを完成させる達成感と、お休みとボーナスを約束して貰ってみんな声をあげた。
「リトにもボーナス出すからな!」
「ありがとうございます!」
何買おうかな!楽しみ!
俺たちがボーナスに浮かれていた頃、悲鳴を上げていた人もいたんだ。
「私達のせいで……」
ミレイは顔色をなくした。出して欲しいと置いてきた離婚届けをいつまでもジュディウスは出してくれなかった。
それを見逃しては貰えないようだ。
「やるなら徹底的に。俺の怒りは深い」
聞こえはしなかったが、猛虎の怒りの声は国を震わせている。
ミレイの実家、ドフレ侯爵家は恐怖に震えていた。
「申し訳ありません!何も……何もお持ちできないのですっ!」
床に頭を擦り付けて、御用聞きの商会が頭を下げている。
「まさか、リリーしょうか……」
「ドフレ様!それ以上は!それ以上は口に出してはなりません!!」
商会の頭取は必死に止めた。
「分かっておいででしょう!あそこの狙いは!虎の怒りを買ってはなりません!どうすればこの状況を抜け出せるのか!」
「……ミレイとシュマリエだな……」
ドフレ侯爵はミレイの兄だ。妹の事も嫌いではないし、姪のシュマリエも可愛いと思う。
「これは警告なのです!我が商会もまだそれほど被害を受けてはおりませんが、虎の一撃は素早い!早く対応してくださいませ!」
必死の訴えに侯爵は冷や汗を流す。
「人をやって……いや!私が、私が行く!人に任せては我が領は虎に飲まれてしまう!」
大急ぎで支度を整えて、馬車に飛び乗った。
「全速力でディライトの屋敷に行ってくれ!」
「分かりました!」
御者も主人の意図を汲み、馬に鞭を入れた。
あまり整備されていない荒れた道をできる限りの速度で飛ばし、ディライト領へ急いだ。
「これは……酷い」
街は荒れていた。人気がなく、手入れがされていない。道にはゴミが放置され、空き家が目立つ。まだぼろぼろではないので最近出て行った事が分かる。
店はほとんど閉まっていて、営業している所はほとんど見当たらない。
しかし、ドフレ侯爵はごくりと唾を飲み込んだ。
我が領もこうなるかも知れない
忘れてはならない、ディライト領の姿は未来のドフレ領かも知れないのだ。
「急ごう、私は家を守りたい」
ドフレはディライト家の屋敷にたどり着き、一応出てきた執事に案内されて、ジュディウスと対面した。
頻繁に顔を合わせたわけではなかったが、記憶の中のジュディウスとはまるで別人のように憔悴し痩せこけた男がそこにいた。
「ジュディウス殿、私が言いたい事はお分かりだろう」
「おお……ラギオ殿か……。書類の件だな……すまぬ、明日にも出そう……」
「いや!今すぐに出していただく。我が家も潰されてはたまったものではない」
「はは、まさか。一日二日でそんなこと……」
「虎は!人より早く動くのですぞ!しかも猛虎となれば普通ではないと、身を持って知ったのではないのか!それなのに、なんと悠長なことを!」
ラギオはぼろぼろの執務机を力任せに叩いた。
「えー……分かりました!これはまた後でですね。後でぴゅーやんに頼んで切り子作れるか聞こうっと」
虎さんがまたニヤニヤしてる。何にも言ってないのに、もう販売経路考えてるんだ!
「もう大口を押さえてあるからなぁ。提案だけでバカスカ売れる。一番売れる時期なのに、こう端から端から魅力的な商品出されたら敵わんよ」
ニヤニヤ、ニヤニヤ。
「隣の隣の国まで売りに行く勢いですね!」
「ガラスは輸送に気を使うが、食いもんと違って腐らないからな。ここいらの貴族の財布の中身の心配をしてただけだぜ?」
わあ!怖い!
俺は壊れた部品を作り直し、磨くのを手伝った。学園は休まず行って欲しいと言われたので、きちんと通った。
毎日遅くまで頑張ったし、ギアナ様は寝ていないようだったけど、なんとか間に合ったらしい。
「よーし、完成したぞー!みんな!おつかれ!今日明日明後日は取り敢えず休んでくれ!ボーナスはその後にだすからなー!」
「うおー!やったぜー!」
何かを完成させる達成感と、お休みとボーナスを約束して貰ってみんな声をあげた。
「リトにもボーナス出すからな!」
「ありがとうございます!」
何買おうかな!楽しみ!
俺たちがボーナスに浮かれていた頃、悲鳴を上げていた人もいたんだ。
「私達のせいで……」
ミレイは顔色をなくした。出して欲しいと置いてきた離婚届けをいつまでもジュディウスは出してくれなかった。
それを見逃しては貰えないようだ。
「やるなら徹底的に。俺の怒りは深い」
聞こえはしなかったが、猛虎の怒りの声は国を震わせている。
ミレイの実家、ドフレ侯爵家は恐怖に震えていた。
「申し訳ありません!何も……何もお持ちできないのですっ!」
床に頭を擦り付けて、御用聞きの商会が頭を下げている。
「まさか、リリーしょうか……」
「ドフレ様!それ以上は!それ以上は口に出してはなりません!!」
商会の頭取は必死に止めた。
「分かっておいででしょう!あそこの狙いは!虎の怒りを買ってはなりません!どうすればこの状況を抜け出せるのか!」
「……ミレイとシュマリエだな……」
ドフレ侯爵はミレイの兄だ。妹の事も嫌いではないし、姪のシュマリエも可愛いと思う。
「これは警告なのです!我が商会もまだそれほど被害を受けてはおりませんが、虎の一撃は素早い!早く対応してくださいませ!」
必死の訴えに侯爵は冷や汗を流す。
「人をやって……いや!私が、私が行く!人に任せては我が領は虎に飲まれてしまう!」
大急ぎで支度を整えて、馬車に飛び乗った。
「全速力でディライトの屋敷に行ってくれ!」
「分かりました!」
御者も主人の意図を汲み、馬に鞭を入れた。
あまり整備されていない荒れた道をできる限りの速度で飛ばし、ディライト領へ急いだ。
「これは……酷い」
街は荒れていた。人気がなく、手入れがされていない。道にはゴミが放置され、空き家が目立つ。まだぼろぼろではないので最近出て行った事が分かる。
店はほとんど閉まっていて、営業している所はほとんど見当たらない。
しかし、ドフレ侯爵はごくりと唾を飲み込んだ。
我が領もこうなるかも知れない
忘れてはならない、ディライト領の姿は未来のドフレ領かも知れないのだ。
「急ごう、私は家を守りたい」
ドフレはディライト家の屋敷にたどり着き、一応出てきた執事に案内されて、ジュディウスと対面した。
頻繁に顔を合わせたわけではなかったが、記憶の中のジュディウスとはまるで別人のように憔悴し痩せこけた男がそこにいた。
「ジュディウス殿、私が言いたい事はお分かりだろう」
「おお……ラギオ殿か……。書類の件だな……すまぬ、明日にも出そう……」
「いや!今すぐに出していただく。我が家も潰されてはたまったものではない」
「はは、まさか。一日二日でそんなこと……」
「虎は!人より早く動くのですぞ!しかも猛虎となれば普通ではないと、身を持って知ったのではないのか!それなのに、なんと悠長なことを!」
ラギオはぼろぼろの執務机を力任せに叩いた。
47
あなたにおすすめの小説
嘘はいっていない
コーヤダーイ
BL
討伐対象である魔族、夢魔と人の間に生まれた男の子サキは、半分の血が魔族ということを秘密にしている。しかしサキにはもうひとつ、転生者という誰にも言えない秘密があった。
バレたら色々面倒そうだから、一生ひっそりと地味に生きていく予定である。
転生して王子になったボクは、王様になるまでノラリクラリと生きるはずだった
angel
BL
つまらないことで死んでしまったボクを不憫に思った神様が1つのゲームを持ちかけてきた。
『転生先で王様になれたら元の体に戻してあげる』と。
生まれ変わったボクは美貌の第一王子で兄弟もなく、将来王様になることが約束されていた。
「イージーゲームすぎね?」とは思ったが、この好条件をありがたく受け止め
現世に戻れるまでノラリクラリと王子様生活を楽しむはずだった…。
完結しました。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします
* ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!?
しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です!
めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので!
ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)
インスタ @yuruyu0
Youtube @BL小説動画 です!
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです!
ヴィル×ノィユのお話です。
本編完結しました!
『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました!
時々おまけのお話を更新するかもです。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
記憶を無くしたら家族に愛されました
レン
BL
リオンは第三王子で横暴で傲慢で侍女や執事が少しでも気に入らなかったら物を投げたり怒鳴ったりする。家族の前でも態度はあまり変わらない…
家族からも煩わしく思われたていて嫌われていた… そんなある日階段から落ちて意識をなくした…数日後目を覚ましたらリオンの様子がいつもと違くて…
妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。
藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。
妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、
彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。
だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、
なぜかアラン本人に興味を持ち始める。
「君は、なぜそこまで必死なんだ?」
「妹のためです!」
……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。
妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。
ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。
そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。
断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。
誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる