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打倒!元実家!
93 ディライト家の没落6
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「悪いがそれは使う訳には行かない。今までのに入れても浮いてしまうし……もっと売れる所でお披露目したい!」
「えー……分かりました!これはまた後でですね。後でぴゅーやんに頼んで切り子作れるか聞こうっと」
虎さんがまたニヤニヤしてる。何にも言ってないのに、もう販売経路考えてるんだ!
「もう大口を押さえてあるからなぁ。提案だけでバカスカ売れる。一番売れる時期なのに、こう端から端から魅力的な商品出されたら敵わんよ」
ニヤニヤ、ニヤニヤ。
「隣の隣の国まで売りに行く勢いですね!」
「ガラスは輸送に気を使うが、食いもんと違って腐らないからな。ここいらの貴族の財布の中身の心配をしてただけだぜ?」
わあ!怖い!
俺は壊れた部品を作り直し、磨くのを手伝った。学園は休まず行って欲しいと言われたので、きちんと通った。
毎日遅くまで頑張ったし、ギアナ様は寝ていないようだったけど、なんとか間に合ったらしい。
「よーし、完成したぞー!みんな!おつかれ!今日明日明後日は取り敢えず休んでくれ!ボーナスはその後にだすからなー!」
「うおー!やったぜー!」
何かを完成させる達成感と、お休みとボーナスを約束して貰ってみんな声をあげた。
「リトにもボーナス出すからな!」
「ありがとうございます!」
何買おうかな!楽しみ!
俺たちがボーナスに浮かれていた頃、悲鳴を上げていた人もいたんだ。
「私達のせいで……」
ミレイは顔色をなくした。出して欲しいと置いてきた離婚届けをいつまでもジュディウスは出してくれなかった。
それを見逃しては貰えないようだ。
「やるなら徹底的に。俺の怒りは深い」
聞こえはしなかったが、猛虎の怒りの声は国を震わせている。
ミレイの実家、ドフレ侯爵家は恐怖に震えていた。
「申し訳ありません!何も……何もお持ちできないのですっ!」
床に頭を擦り付けて、御用聞きの商会が頭を下げている。
「まさか、リリーしょうか……」
「ドフレ様!それ以上は!それ以上は口に出してはなりません!!」
商会の頭取は必死に止めた。
「分かっておいででしょう!あそこの狙いは!虎の怒りを買ってはなりません!どうすればこの状況を抜け出せるのか!」
「……ミレイとシュマリエだな……」
ドフレ侯爵はミレイの兄だ。妹の事も嫌いではないし、姪のシュマリエも可愛いと思う。
「これは警告なのです!我が商会もまだそれほど被害を受けてはおりませんが、虎の一撃は素早い!早く対応してくださいませ!」
必死の訴えに侯爵は冷や汗を流す。
「人をやって……いや!私が、私が行く!人に任せては我が領は虎に飲まれてしまう!」
大急ぎで支度を整えて、馬車に飛び乗った。
「全速力でディライトの屋敷に行ってくれ!」
「分かりました!」
御者も主人の意図を汲み、馬に鞭を入れた。
あまり整備されていない荒れた道をできる限りの速度で飛ばし、ディライト領へ急いだ。
「これは……酷い」
街は荒れていた。人気がなく、手入れがされていない。道にはゴミが放置され、空き家が目立つ。まだぼろぼろではないので最近出て行った事が分かる。
店はほとんど閉まっていて、営業している所はほとんど見当たらない。
しかし、ドフレ侯爵はごくりと唾を飲み込んだ。
我が領もこうなるかも知れない
忘れてはならない、ディライト領の姿は未来のドフレ領かも知れないのだ。
「急ごう、私は家を守りたい」
ドフレはディライト家の屋敷にたどり着き、一応出てきた執事に案内されて、ジュディウスと対面した。
頻繁に顔を合わせたわけではなかったが、記憶の中のジュディウスとはまるで別人のように憔悴し痩せこけた男がそこにいた。
「ジュディウス殿、私が言いたい事はお分かりだろう」
「おお……ラギオ殿か……。書類の件だな……すまぬ、明日にも出そう……」
「いや!今すぐに出していただく。我が家も潰されてはたまったものではない」
「はは、まさか。一日二日でそんなこと……」
「虎は!人より早く動くのですぞ!しかも猛虎となれば普通ではないと、身を持って知ったのではないのか!それなのに、なんと悠長なことを!」
ラギオはぼろぼろの執務机を力任せに叩いた。
「えー……分かりました!これはまた後でですね。後でぴゅーやんに頼んで切り子作れるか聞こうっと」
虎さんがまたニヤニヤしてる。何にも言ってないのに、もう販売経路考えてるんだ!
「もう大口を押さえてあるからなぁ。提案だけでバカスカ売れる。一番売れる時期なのに、こう端から端から魅力的な商品出されたら敵わんよ」
ニヤニヤ、ニヤニヤ。
「隣の隣の国まで売りに行く勢いですね!」
「ガラスは輸送に気を使うが、食いもんと違って腐らないからな。ここいらの貴族の財布の中身の心配をしてただけだぜ?」
わあ!怖い!
俺は壊れた部品を作り直し、磨くのを手伝った。学園は休まず行って欲しいと言われたので、きちんと通った。
毎日遅くまで頑張ったし、ギアナ様は寝ていないようだったけど、なんとか間に合ったらしい。
「よーし、完成したぞー!みんな!おつかれ!今日明日明後日は取り敢えず休んでくれ!ボーナスはその後にだすからなー!」
「うおー!やったぜー!」
何かを完成させる達成感と、お休みとボーナスを約束して貰ってみんな声をあげた。
「リトにもボーナス出すからな!」
「ありがとうございます!」
何買おうかな!楽しみ!
俺たちがボーナスに浮かれていた頃、悲鳴を上げていた人もいたんだ。
「私達のせいで……」
ミレイは顔色をなくした。出して欲しいと置いてきた離婚届けをいつまでもジュディウスは出してくれなかった。
それを見逃しては貰えないようだ。
「やるなら徹底的に。俺の怒りは深い」
聞こえはしなかったが、猛虎の怒りの声は国を震わせている。
ミレイの実家、ドフレ侯爵家は恐怖に震えていた。
「申し訳ありません!何も……何もお持ちできないのですっ!」
床に頭を擦り付けて、御用聞きの商会が頭を下げている。
「まさか、リリーしょうか……」
「ドフレ様!それ以上は!それ以上は口に出してはなりません!!」
商会の頭取は必死に止めた。
「分かっておいででしょう!あそこの狙いは!虎の怒りを買ってはなりません!どうすればこの状況を抜け出せるのか!」
「……ミレイとシュマリエだな……」
ドフレ侯爵はミレイの兄だ。妹の事も嫌いではないし、姪のシュマリエも可愛いと思う。
「これは警告なのです!我が商会もまだそれほど被害を受けてはおりませんが、虎の一撃は素早い!早く対応してくださいませ!」
必死の訴えに侯爵は冷や汗を流す。
「人をやって……いや!私が、私が行く!人に任せては我が領は虎に飲まれてしまう!」
大急ぎで支度を整えて、馬車に飛び乗った。
「全速力でディライトの屋敷に行ってくれ!」
「分かりました!」
御者も主人の意図を汲み、馬に鞭を入れた。
あまり整備されていない荒れた道をできる限りの速度で飛ばし、ディライト領へ急いだ。
「これは……酷い」
街は荒れていた。人気がなく、手入れがされていない。道にはゴミが放置され、空き家が目立つ。まだぼろぼろではないので最近出て行った事が分かる。
店はほとんど閉まっていて、営業している所はほとんど見当たらない。
しかし、ドフレ侯爵はごくりと唾を飲み込んだ。
我が領もこうなるかも知れない
忘れてはならない、ディライト領の姿は未来のドフレ領かも知れないのだ。
「急ごう、私は家を守りたい」
ドフレはディライト家の屋敷にたどり着き、一応出てきた執事に案内されて、ジュディウスと対面した。
頻繁に顔を合わせたわけではなかったが、記憶の中のジュディウスとはまるで別人のように憔悴し痩せこけた男がそこにいた。
「ジュディウス殿、私が言いたい事はお分かりだろう」
「おお……ラギオ殿か……。書類の件だな……すまぬ、明日にも出そう……」
「いや!今すぐに出していただく。我が家も潰されてはたまったものではない」
「はは、まさか。一日二日でそんなこと……」
「虎は!人より早く動くのですぞ!しかも猛虎となれば普通ではないと、身を持って知ったのではないのか!それなのに、なんと悠長なことを!」
ラギオはぼろぼろの執務机を力任せに叩いた。
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