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14 叱るに叱れない
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「申し訳ございませんでしたーーー!」
使用人全員にまとめて頭を下げられた。
「まあ、旦那様がああでしたもんね?」
「全くその通りだ、アクア。すまない」
「皆さんだけを罰する事なんて出来ませんし、かと言って旦那様を罰する事も出来ませんしね?」
使用人は主人の意向を汲んだのだという事で、出来た使用人と言えばそうなのだ……ここで頭ごなしに叱る事は長年貴族教育を受けてきた私には出来なかった。
「すまんしか言えない不甲斐ない夫ですまん……」
私に頭を下げる旦那様を有り得ないモノを見るような目でみている使用人達。どうも旦那様は優しい主人ではなかったようだと少しづつ分かってきた。公平であり、正しいけれど温かみの無い方であったらしい……信じられない。
「お、奥様は特別な方だったんだ……!」
恐怖? いや驚きで物凄く震え上がっているから、相当なんだろう。どうも強くしかる気になれず私は許す事にした。ここに来てまだ1か月も経っていないのもあって、そんなにつらさは感じなかったのもある。
「もう無視しないで下さいね?」
そういうとこの広間にいた人間全ては涙ぐみながら
「はいっ!!!」
と、気持ち良く大きな声で返事をしてくれた。クレスト家にあった陰湿さが全くなくてとても清々しい返事だった。そして私は畑へ走って行く。
「おじいさーん」
「おお、アクア。なんとかなったんじゃな」
「はい! 何とかしていただけました!」
私にふかし芋をたくさんくれたおじいさんに挨拶に来たのだ。怪しい素性も知れない私に何も聞かずに手を差し伸べてくれた人にお礼を言いたかった。
「ごめんなさい、最後に貰ったお芋ときゅうりを吹き飛ばしてしまって食べられなかったんです」
「はは、ベッドの上で食っていたんだろう? 行儀が悪い事をするからそうなるんじゃ」
「ううっ。すみませんもうしません……」
どうして私がベッドの上でお芋を食べていたのがバレたんだろう? このおじいさん、何者?? 私の行く所全てについてくる旦那様が苦虫をかみつぶしたような顔で追いついてくる。私が小走りなのに旦那様は歩いてきてほぼ同じ速度……足が長い……!
「父上」
「馬鹿息子め。もう少してワシが乗り込む所であったわ」
「……申し訳ありません」
旦那様がまた頭を下げた。って、父上って言ったし息子って言ったよね?! えっもしかしてここで畑を耕して私にお芋をくれたこの人は!?
「お、お義父様……?!」
びっくりしてもう一度おじいさんをみると、白髪交じりだけれど髪の毛は旦那様と同じ黒だし、顔も似ていらっしゃる! そうか私は今まで旦那様のお顔を存じ上げていなかったから分からなかったんだ。
「日に日に萎びて行くアクアを見ておった。一人で行動し、現状を打開した。頑張って良くわしの元まで来たね。偉かったぞ」
私は1人だと思っていたのに、見守ってくれていた人がいたなんて! 大きな手で頭を撫でてくれた。親と呼ばれる存在に撫でてもらうなんて久し振り過ぎて忘れていた……そして褒められるなんて……嬉しい。
「それに比べてノエル、お前は……」
「申し訳、ございません
「アクアの為ならば頭も下げるのだな、あのお前が! お前の謝罪など10年以上ぶりに聞いたぞ」
「ええ、アクアの為ならばいくらでも下げましょう」
と、言いつつ旦那様とお義父様はなんだか空気が淀んでいて、ケンカを始めてしまいそうな不穏な感じが渦巻き始めた気がする。きっとお二人の間には何か確執があるのかもしれない。私には分からない話だけれどもこのまま分からないで済ませていい事だろうか。多分良くない事だと思う。
それに私は「訳あり」だ。旦那様もお義父様もそれが分かっていらして、こんなにも私に目をかけてくださるのだろうか。私という存在はこの家に影しか落とさないのではないだろうか。
「あ、あのっ……私は旦那様にそこまで大切にしてもらっていい存在ではありません」
「そんなことはない!」
旦那様は言い切るけれど、私は私の素性をお二人に話さなければならないと、心を決めた。
使用人全員にまとめて頭を下げられた。
「まあ、旦那様がああでしたもんね?」
「全くその通りだ、アクア。すまない」
「皆さんだけを罰する事なんて出来ませんし、かと言って旦那様を罰する事も出来ませんしね?」
使用人は主人の意向を汲んだのだという事で、出来た使用人と言えばそうなのだ……ここで頭ごなしに叱る事は長年貴族教育を受けてきた私には出来なかった。
「すまんしか言えない不甲斐ない夫ですまん……」
私に頭を下げる旦那様を有り得ないモノを見るような目でみている使用人達。どうも旦那様は優しい主人ではなかったようだと少しづつ分かってきた。公平であり、正しいけれど温かみの無い方であったらしい……信じられない。
「お、奥様は特別な方だったんだ……!」
恐怖? いや驚きで物凄く震え上がっているから、相当なんだろう。どうも強くしかる気になれず私は許す事にした。ここに来てまだ1か月も経っていないのもあって、そんなにつらさは感じなかったのもある。
「もう無視しないで下さいね?」
そういうとこの広間にいた人間全ては涙ぐみながら
「はいっ!!!」
と、気持ち良く大きな声で返事をしてくれた。クレスト家にあった陰湿さが全くなくてとても清々しい返事だった。そして私は畑へ走って行く。
「おじいさーん」
「おお、アクア。なんとかなったんじゃな」
「はい! 何とかしていただけました!」
私にふかし芋をたくさんくれたおじいさんに挨拶に来たのだ。怪しい素性も知れない私に何も聞かずに手を差し伸べてくれた人にお礼を言いたかった。
「ごめんなさい、最後に貰ったお芋ときゅうりを吹き飛ばしてしまって食べられなかったんです」
「はは、ベッドの上で食っていたんだろう? 行儀が悪い事をするからそうなるんじゃ」
「ううっ。すみませんもうしません……」
どうして私がベッドの上でお芋を食べていたのがバレたんだろう? このおじいさん、何者?? 私の行く所全てについてくる旦那様が苦虫をかみつぶしたような顔で追いついてくる。私が小走りなのに旦那様は歩いてきてほぼ同じ速度……足が長い……!
「父上」
「馬鹿息子め。もう少してワシが乗り込む所であったわ」
「……申し訳ありません」
旦那様がまた頭を下げた。って、父上って言ったし息子って言ったよね?! えっもしかしてここで畑を耕して私にお芋をくれたこの人は!?
「お、お義父様……?!」
びっくりしてもう一度おじいさんをみると、白髪交じりだけれど髪の毛は旦那様と同じ黒だし、顔も似ていらっしゃる! そうか私は今まで旦那様のお顔を存じ上げていなかったから分からなかったんだ。
「日に日に萎びて行くアクアを見ておった。一人で行動し、現状を打開した。頑張って良くわしの元まで来たね。偉かったぞ」
私は1人だと思っていたのに、見守ってくれていた人がいたなんて! 大きな手で頭を撫でてくれた。親と呼ばれる存在に撫でてもらうなんて久し振り過ぎて忘れていた……そして褒められるなんて……嬉しい。
「それに比べてノエル、お前は……」
「申し訳、ございません
「アクアの為ならば頭も下げるのだな、あのお前が! お前の謝罪など10年以上ぶりに聞いたぞ」
「ええ、アクアの為ならばいくらでも下げましょう」
と、言いつつ旦那様とお義父様はなんだか空気が淀んでいて、ケンカを始めてしまいそうな不穏な感じが渦巻き始めた気がする。きっとお二人の間には何か確執があるのかもしれない。私には分からない話だけれどもこのまま分からないで済ませていい事だろうか。多分良くない事だと思う。
それに私は「訳あり」だ。旦那様もお義父様もそれが分かっていらして、こんなにも私に目をかけてくださるのだろうか。私という存在はこの家に影しか落とさないのではないだろうか。
「あ、あのっ……私は旦那様にそこまで大切にしてもらっていい存在ではありません」
「そんなことはない!」
旦那様は言い切るけれど、私は私の素性をお二人に話さなければならないと、心を決めた。
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