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16 心がまぁるくなって行く
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ここにいても良いんだと決まった日から私は積極的に使用人と触れ合ったりするようになった。
「本当にすみません、アクア様。実は前の奥様があまりにも酷くて私達今度こそ旦那様を守ろうと……」
まずは額を床に擦り付ける使用人を立たせる所から私の仕事は始まる事になった。
「そういえば、子供もいないみたいだね? 前の奥様とは死別とかなの……? どうしても聞きにくくて」
メイドに聞いてみると、一斉に声を揃えて訴え始めた。
「いいえ! 前の奥様との結婚生活は10日もありませんでした!」
「確かに旦那様は前の奥様に全く興味を示されず、初夜も……何もなかったなどという屈辱的な事をなさりました、けれど!」
だ、旦那様それは酷いです……でもメイドの話には続きがある。
「だからと言って10日も経たないうちに別に男と突然逃げてしまうのはいかがなものかと!!」
「旦那様はものすごい笑い物にされたんです! 旦那様はあまり人のうわさなど気にしない方ですが、私達は悔しくて悔しくて……」
「そ、そうだったんだ……」
旦那様も旦那様だけれど、最初の奥様も奥様だったんだ……。だから皆は「得体の知れない奥様」に警戒を顕にしてたのか。
「それに引き換えアクア様は毎日毎晩旦那様と仲良くされておるようで素晴らしいですわ!」
「えっ!」
何故それを知っているんですか!?
「私達一同、可愛い跡継ぎ様のお顔を早く見たいな~なんて」
「旦那様とアクア様のお子様なら絶対可愛いですよねー! 楽しみで楽しみで、頑張って下さい!」
「え、え、え、えええええええ」
お、お子様!? 私と旦那様の!? 今まで考えた事もなかった。だって旦那様にはもう子供がいると思っていたから……! 私より歳が上のメイド達はな、な、なんて事を言うのー!!
「あらあら……リンゴの様に真っ赤ですわ」
「アクア様、かわいー!」
「ほんとー! アクア様が新しい奥様で良かったー!」
「か、からかわないで下さい~~~!」
流石に恥ずかしくて走って逃げてしまった。もう! メイド達はなんてことを言うんだ、恥ずかしすぎる! ぱたぱたと廊下を走っていると正面からやってきた旦那様にさっと抱え上げられてしまう。
「アクア、走ると転ぶ」
「だ、大丈夫です!」
そんなに転びません! 一応学園での剣技も優だったんですから!
「顔が赤い。熱があるのか? 医者を、とりあえずベッドで寝ていないと駄目だ」
「熱はないですし、健康です!」
旦那様は本当に……思い出しても恥ずかしい!やっぱり旦那様はあんまり私の話を聞いていなくて、ベッドに寝かされてしまった。病気じゃないですってば!
「アクア、次の発情期はいつだろう。待ち遠しいよ。その時に、良いだろう?」
「……あの、私はいつでも……」
アルファがオメガのうなじに噛みついてつがいとする。タイミングはいつでもいいらしいが伝統として発情期の最中に行うのが一番良いと言われている。しかもオメガの発情のタイミングで行うのが最高だという事で、旦那様はそのタイミングをそわそわと待っているのだ。
「ありがとう、アクア。でも私がそうしたんだ。許してくれるかい?」
ふわりと、大好きな良い匂いがする。これが旦那様、ノエレージュ様のフェロモンの匂いらしい。甘くて少しすっぱいような……ちょっとリンゴジュースに似たような大好きな匂い。すーっと胸いっぱいに吸い込むととても安らいでしまう。
「はい、旦那様」
酷い事をされたはずなのに、それ程私の胸は痛まない。性格なのか長年のアメシスとの生活がそうさせたのか、私は私の行いで人が傷つく方に心を痛める傾向にあるらしい。
「アクア」がクレスト家で理不尽にクビにした使用人達の事を思い出してしまいタングストン家の使用人達に優しくしてしまっているのかもしれない。
「アクアの好きにして良いんだ。この家の誰もが君の事を愛している」
過去の傷をこの家の人達は沢山の愛で埋めて癒してくれる。特に旦那様の過保護は笑ってしまうくらいなのだが、私の存在も旦那様の足りない場所を埋める存在なんだと言われて嬉しくなる。
大丈夫、与えられるだけではなくこちらからもきちんと返せているんだと、じわじわと実感できた。
そうやって心がまぁるくなった頃に私に発情期が来た。あれから2か月もたった後で旦那様はその間ぐっと我慢をして過ごした。
後に「あれが一番つらかった。しかもアクアのいつでも良いですよ、と言う誘惑が一番つらかった!」なんて言っていたので少し笑ってしまった。私は約束通り発情中に旦那様を唯一として受け入れ、私達はつがいになったのだった。
「本当にすみません、アクア様。実は前の奥様があまりにも酷くて私達今度こそ旦那様を守ろうと……」
まずは額を床に擦り付ける使用人を立たせる所から私の仕事は始まる事になった。
「そういえば、子供もいないみたいだね? 前の奥様とは死別とかなの……? どうしても聞きにくくて」
メイドに聞いてみると、一斉に声を揃えて訴え始めた。
「いいえ! 前の奥様との結婚生活は10日もありませんでした!」
「確かに旦那様は前の奥様に全く興味を示されず、初夜も……何もなかったなどという屈辱的な事をなさりました、けれど!」
だ、旦那様それは酷いです……でもメイドの話には続きがある。
「だからと言って10日も経たないうちに別に男と突然逃げてしまうのはいかがなものかと!!」
「旦那様はものすごい笑い物にされたんです! 旦那様はあまり人のうわさなど気にしない方ですが、私達は悔しくて悔しくて……」
「そ、そうだったんだ……」
旦那様も旦那様だけれど、最初の奥様も奥様だったんだ……。だから皆は「得体の知れない奥様」に警戒を顕にしてたのか。
「それに引き換えアクア様は毎日毎晩旦那様と仲良くされておるようで素晴らしいですわ!」
「えっ!」
何故それを知っているんですか!?
「私達一同、可愛い跡継ぎ様のお顔を早く見たいな~なんて」
「旦那様とアクア様のお子様なら絶対可愛いですよねー! 楽しみで楽しみで、頑張って下さい!」
「え、え、え、えええええええ」
お、お子様!? 私と旦那様の!? 今まで考えた事もなかった。だって旦那様にはもう子供がいると思っていたから……! 私より歳が上のメイド達はな、な、なんて事を言うのー!!
「あらあら……リンゴの様に真っ赤ですわ」
「アクア様、かわいー!」
「ほんとー! アクア様が新しい奥様で良かったー!」
「か、からかわないで下さい~~~!」
流石に恥ずかしくて走って逃げてしまった。もう! メイド達はなんてことを言うんだ、恥ずかしすぎる! ぱたぱたと廊下を走っていると正面からやってきた旦那様にさっと抱え上げられてしまう。
「アクア、走ると転ぶ」
「だ、大丈夫です!」
そんなに転びません! 一応学園での剣技も優だったんですから!
「顔が赤い。熱があるのか? 医者を、とりあえずベッドで寝ていないと駄目だ」
「熱はないですし、健康です!」
旦那様は本当に……思い出しても恥ずかしい!やっぱり旦那様はあんまり私の話を聞いていなくて、ベッドに寝かされてしまった。病気じゃないですってば!
「アクア、次の発情期はいつだろう。待ち遠しいよ。その時に、良いだろう?」
「……あの、私はいつでも……」
アルファがオメガのうなじに噛みついてつがいとする。タイミングはいつでもいいらしいが伝統として発情期の最中に行うのが一番良いと言われている。しかもオメガの発情のタイミングで行うのが最高だという事で、旦那様はそのタイミングをそわそわと待っているのだ。
「ありがとう、アクア。でも私がそうしたんだ。許してくれるかい?」
ふわりと、大好きな良い匂いがする。これが旦那様、ノエレージュ様のフェロモンの匂いらしい。甘くて少しすっぱいような……ちょっとリンゴジュースに似たような大好きな匂い。すーっと胸いっぱいに吸い込むととても安らいでしまう。
「はい、旦那様」
酷い事をされたはずなのに、それ程私の胸は痛まない。性格なのか長年のアメシスとの生活がそうさせたのか、私は私の行いで人が傷つく方に心を痛める傾向にあるらしい。
「アクア」がクレスト家で理不尽にクビにした使用人達の事を思い出してしまいタングストン家の使用人達に優しくしてしまっているのかもしれない。
「アクアの好きにして良いんだ。この家の誰もが君の事を愛している」
過去の傷をこの家の人達は沢山の愛で埋めて癒してくれる。特に旦那様の過保護は笑ってしまうくらいなのだが、私の存在も旦那様の足りない場所を埋める存在なんだと言われて嬉しくなる。
大丈夫、与えられるだけではなくこちらからもきちんと返せているんだと、じわじわと実感できた。
そうやって心がまぁるくなった頃に私に発情期が来た。あれから2か月もたった後で旦那様はその間ぐっと我慢をして過ごした。
後に「あれが一番つらかった。しかもアクアのいつでも良いですよ、と言う誘惑が一番つらかった!」なんて言っていたので少し笑ってしまった。私は約束通り発情中に旦那様を唯一として受け入れ、私達はつがいになったのだった。
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