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30 この先、仲良く暮らす為に
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私の家族は平民と貴族の中間くらいで生きていくようだ。弟妹は読み書きを習うのに、平民の通う学校に行く事になり、父さんと母さんはしばらくは安全の為に王都で暮らす事になった。
クレスト家が本当に手を引いたと確認出来たら、いただいた領地で平民として暮らすそうだ。領地経営はしっかりした管理者がいるそうでそちらに任せておけば問題ないらしい。
領主が領主屋敷もあるのに、平民として小さな家で暮らすのはどうかとも思うが、そうしたいならそうするべきだと旦那様が押して下さった。
そして私が平民の出である事はこの国の貴族に殆ど知れ渡っているので、社交界も出る必要がないとの事。
「うるさいハエどももすぐ居なくなりますよ」
平民だから騙してやろうと寄ってくる貴族の撃退は旦那様と執事さんが裏でやってくれるみたいだった。
「潰そうと思っていたゴミどもが良く獲れる。ある意味手間が省けた」
悪巧みをしながらニヤリと笑う旦那様は相変わらず悪悪しくて素敵でした。私もあんな笑顔が出来たら立派な「悪役令息」になれたでしょうか?
「どうしたんです?にこにこして。何か良い事でもあったんですか??」
鏡の前で悪役顔の研究をしていたら、通りがかったメイドにくすくす笑われた……そ、そうじゃないのに!
私の方も殆ど社交界には顔を出さなくて良いと言われているが、タングストン家の夫人として出来る事はやらせて下さい!と旦那様と執事さんを説得して頑張っている。
「ほほほ、アランさんは本当にお可愛いらしい」
「いえいえ、私は「悪役令息」でしたんですよ?ふふ、夫と一緒に常に悪巧みをしております」
「あらあら、恐ろしいわぁ」
貴族の奥様達とのお茶会での定番のネタになっていて、皆にこにこと聞いて下さる。そしてあまり私は敵対視されていない。何せ旦那様は社交界でも割と嫌われ者で、旦那様自身も仲良くしたいと思っていないのだ!
「あんな奴らの所になど顔を出さなくて良い!アランが減る!!」
「減りませんよ~旦那様」
「減る!目減りする!アランは私の物なのに!!」
そう言ってぎゅうぎゅう抱き締めて下さるから、敵対視される程顔を出していないのだ。
「旦那様が現れると会場が凍りつきますから、行かない方が宜しいのです」
なんて執事のロバートに言われてしまっている。そうやって社交界から離れているのに、タングストン家は揺らがないからある意味凄いのかもしれない。私としては最低限のお付き合いをしているつもりだったのだけれども
「アラン様は働き過ぎです!もう少しお仕事を減らしましょう」
なんて言われてしまってどうしたらいいか分からなくなった。
「アランは真面目だな。でもお前の一番の仕事はノエルの傍にいてあいつが人間らしくするようにすることだからの」
あまりに暇すぎてお義父様の畑に遊びに行くとそんなことを言われてしまった。どうもこの畑は趣味というか
「これは流行っている「すろーらいふ」というものなのだ。引退した貴族達の間では有名なんだぞ?」
「そうなのですね」
こうやって小さな畑を持ち、出来た収穫物を自慢しあったりするらしい。趣味だから味は美味しくないが、なんて言われたけれど、お芋はやっぱりお義父様の畑のお芋が一番美味しいと思う。
「アランはやっぱり良い子だなあ」
今日も掘りたてのお芋を貰って、料理長にふかしてもらう。出来たてを旦那様と一緒に食べるのは世界で最高に美味しいと思うんだ!
クレスト家が本当に手を引いたと確認出来たら、いただいた領地で平民として暮らすそうだ。領地経営はしっかりした管理者がいるそうでそちらに任せておけば問題ないらしい。
領主が領主屋敷もあるのに、平民として小さな家で暮らすのはどうかとも思うが、そうしたいならそうするべきだと旦那様が押して下さった。
そして私が平民の出である事はこの国の貴族に殆ど知れ渡っているので、社交界も出る必要がないとの事。
「うるさいハエどももすぐ居なくなりますよ」
平民だから騙してやろうと寄ってくる貴族の撃退は旦那様と執事さんが裏でやってくれるみたいだった。
「潰そうと思っていたゴミどもが良く獲れる。ある意味手間が省けた」
悪巧みをしながらニヤリと笑う旦那様は相変わらず悪悪しくて素敵でした。私もあんな笑顔が出来たら立派な「悪役令息」になれたでしょうか?
「どうしたんです?にこにこして。何か良い事でもあったんですか??」
鏡の前で悪役顔の研究をしていたら、通りがかったメイドにくすくす笑われた……そ、そうじゃないのに!
私の方も殆ど社交界には顔を出さなくて良いと言われているが、タングストン家の夫人として出来る事はやらせて下さい!と旦那様と執事さんを説得して頑張っている。
「ほほほ、アランさんは本当にお可愛いらしい」
「いえいえ、私は「悪役令息」でしたんですよ?ふふ、夫と一緒に常に悪巧みをしております」
「あらあら、恐ろしいわぁ」
貴族の奥様達とのお茶会での定番のネタになっていて、皆にこにこと聞いて下さる。そしてあまり私は敵対視されていない。何せ旦那様は社交界でも割と嫌われ者で、旦那様自身も仲良くしたいと思っていないのだ!
「あんな奴らの所になど顔を出さなくて良い!アランが減る!!」
「減りませんよ~旦那様」
「減る!目減りする!アランは私の物なのに!!」
そう言ってぎゅうぎゅう抱き締めて下さるから、敵対視される程顔を出していないのだ。
「旦那様が現れると会場が凍りつきますから、行かない方が宜しいのです」
なんて執事のロバートに言われてしまっている。そうやって社交界から離れているのに、タングストン家は揺らがないからある意味凄いのかもしれない。私としては最低限のお付き合いをしているつもりだったのだけれども
「アラン様は働き過ぎです!もう少しお仕事を減らしましょう」
なんて言われてしまってどうしたらいいか分からなくなった。
「アランは真面目だな。でもお前の一番の仕事はノエルの傍にいてあいつが人間らしくするようにすることだからの」
あまりに暇すぎてお義父様の畑に遊びに行くとそんなことを言われてしまった。どうもこの畑は趣味というか
「これは流行っている「すろーらいふ」というものなのだ。引退した貴族達の間では有名なんだぞ?」
「そうなのですね」
こうやって小さな畑を持ち、出来た収穫物を自慢しあったりするらしい。趣味だから味は美味しくないが、なんて言われたけれど、お芋はやっぱりお義父様の畑のお芋が一番美味しいと思う。
「アランはやっぱり良い子だなあ」
今日も掘りたてのお芋を貰って、料理長にふかしてもらう。出来たてを旦那様と一緒に食べるのは世界で最高に美味しいと思うんだ!
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