【本編完結】作られた悪役令息は断罪後の溺愛に微睡む。

鏑木 うりこ

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44 居心地が良いのだと言う

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 私のお腹はまん丸お月様みたいになった。

「わあ!素敵ですねぇ」

 あやかっていいですか??とメイド達が撫でに来る。するとお腹の中から挨拶を返すみたいにぽこんと蹴り返して来る我が子は旦那様より愛想が良いみたいだ。

「そうだな」

 これに関しては旦那様も同意しているのはとても面白い。

「間違いなくアラン様に似た可愛い赤ちゃんが産まれて来ますよ!」

「それも間違いない」

 私はどちらに似ても可愛いと思うのだけれど、お義父様は

「ノエルに似たら悪魔だろう」

 そんな馬鹿な事がありますか?なんて思ったけれど、屋敷中の人間が皆目を逸らしたので、なんと言えばいいか分からないです!

「アランに似るから大丈夫だ」

 皆の総意はそう言う事らしい。私はどちらに似ても可愛いと思うんだけれどなあ?

「それにしても……もうお生まれになってもおかしくないのだけれどねぇ」

 ミトお婆ちゃんが私のお腹をさすりながら心配そうに呟く。

「アランちゃんのお腹の中はとっても居心地が良いんだろうねぇ……でもちょっと遅いねぇ」

 私は出産予定日からもうかなり経っているのに、まだお腹に赤ちゃんを抱えていた。

「これ以上産気づかないなら、切る事も考えなくてはなりません」

 ミトお婆ちゃんはお腹を撫でながら様子を見てくれている。

「駄目だ、危険過ぎる」

「ノエルちゃん、でもこのままではアランちゃんも赤ちゃんも死んでしまうよ」

「駄目だ、アランに何かあったらどうするミト婆!」

「絶対に大丈夫だとは言えない……でもそうするより他ないのはノエルちゃんも分かってるんだろう?」

 駄目だ、と旦那様は繰り返すけれど皆分かってるんだ。勿論一番分かっているのは私だ。

「お腹を切って下さい、ミトお婆ちゃん。私は大丈夫ですから」

「許可せんぞ!アラン」

「嫌です」

 私はこの時初めて旦那様の意見に逆らった。

「私はこの子に会いたい。そして旦那様と2人でこの子を幸せに育てたい。そうするのに一番いい方法は一つしかありません」

 ミトお婆ちゃんもゆっくり頷く。

「ノエルちゃん、私は何人もこうやって赤ちゃんを取り上げてきたのは知ってるだろう?歳が若くて男性のオメガは体の構成上あまり大きな赤ちゃんは産めない。だからお腹を切って出して上げる。ノエルちゃんも分かっているはずだよ?」

「しかし!!」

 本当は旦那様も分かっているんだよね。でも、私を心配して反対しているんだ……嬉しいけれど、これだけは譲れない。私は赤ちゃんに会いたいもの!

 部屋が静まり返る。全員が分かっている、旦那様の気持ちも、私の気持ちも。そして答えを出せずにいる所に。

「アクアーーー!スーパーなんでも出来る弟が来たよーーー!!」

「玉ねぎ小僧!何しに来た!!」

 空気をぶち壊してアメシスが飛び込んで来た。






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