【完結】廃棄王子、側妃として売られる。社畜はスローライフに戻りたいが離して貰えません!

鏑木 うりこ

文字の大きさ
18 / 139

18 二つに裂けて死ぬんじゃ?!

「私も立場上、適当なヤツと寝るわけにはいかん。その為にも側妃が必要だったと言うわけなんだ」
「……俺以外の側妃と仲良くすればいいじゃないか」
「ディエス以外おらんが?」
「……へえ」

 ちょっと意外だった。皇帝なら美女でもはべらして爛れた日々でも過ごしてるのかな?と思ったら。

「ソレイユは後ろ盾がでかい。無用な派閥争いは好かない」
「へえ」

 そう言うのあるかもな。派閥争いは怖い物だと身をもって知っている俺としてはなるほどと頷かねばならない所だ。

「その点お前は良い。国内に派閥は皆無で廃嫡済みだが血統は悪くない。隣に立たせて置いて見栄えもするし、頭も悪いと言う触れ込み。何より男だ、ソレイユの心も穏やかになる」
「は、はは……そうか」

 そりゃちょうど良い人材が見つかって良かったな……。

「しかしキツ過ぎる。もう少しユルくしろ。ヤってる最中にこう何度も気を失われてはつまらん」
「そ、それ、俺にはどうしようもないんだけど?!」

 食っていたパンを取り上げられ、俺の上にのそりとラムは乗り上げて来る。な、何する気だこの野郎!

「知ってるか?新婚は閨に籠るもんだって。お前は男だし、側妃の立場だから少し短いが、3日はここから出られない」
「ひ?!う、嘘だろ……?!」

 今でもズキズキ痛む俺の尻穴が絶対絶命じゃねぇか?!

「まあそう言う時用に開発されてる薬もあるし、医者や神官も待機しているから安心して慣れるまで使うと良い」
「い、嫌だ!絶対、嫌だぁ!」

 青い顔をしてブルブルと首を横に振ったら、ラムは少し意外そうな顔をしてからニヤリと笑った。

「なぁんだ、自分の境遇を受け入れて大人しく抱かれてるのかと思ったら嫌がったりするのか?良いぞ、権力で売られて来た花嫁を無理矢理手篭めにする悪の皇帝役、しかと演じてみせよう!」
「演じなくてもそのままじゃねぇか!!」
「余裕あるな?」
「ひぃっ!」

 逃げようと身をよじってもベッドの天板にぶつかって終了だった。

「諦めろ。お前の好きな野菜作りもハンモックで昼寝もしばらくは出来ない。ソレイユが産んだ王太子が大きくなり次期国王として立てるようになる頃には解放できると思う。それまで諦めろ」
「そ、その王太子は今いくつなんだ……?」
「2歳だな」

 20年くらいだと!?信じられない!

「いや、無理、絶対無理!」

 その前に俺は尻から二つに裂けて死んでしまうに違いない!

「無理ならどうする?側妃宮から逃げ出すか?逃げられぬように警備はしているからそれを突破するか?そして突破した後どうする?お前の国には帰る事は出来ないだろう。市井におり、平民として暮らせるのか?」
「う……」

 俺はこの世界に来てから自分で金を稼いだことがなかった。何せ廃嫡されたとはいえ王子だったから地方に飛ばされても働かずのんびりできた。そして戻されて出荷される準備はしたが、そこで働いてはいない。この世界の平民たちがどんな暮らしをしているかすらよく分からない……。
 黙り込んでしまった俺にラムは囁く。

「慣れれば良い。ここに居る間、お前は多分安全だ。私もいるし何よりソレイユの守りがあるだろう。ソレイユとその一門は男の側妃のお前を歓迎している。ここに居る間に生きる道でも見つければよい」

 その囁きはなんとも現実味をもって俺に甘く降りかかる。それが一番でそれが正しい方法にしか思えない……そうだ……今は駄目でもやがて俺は……自由に、なれる。

 ゆっくりと足を割り開いて体の中心を撫で上げるラムの手を払いのけることが出来なかった。






 
感想 266

あなたにおすすめの小説

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する

SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中

婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。