【完結】廃棄王子、側妃として売られる。社畜はスローライフに戻りたいが離して貰えません!

鏑木 うりこ

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33 一々ムカつく態度なのだが?(皇帝ラムシェーブル視点)

「てってれー」

「何だそれは?」

「ダーツ、ダーツ。ラム、それをこの丸い的に投げて。今から的を回転させるから!3本ね!」

「?」

 執務室に変なものをまた持ち込んでいる。言われるままに鋭いダーツを3本、回っている的に向かって放った。的に全部刺さって、ディエスは

「さーて。誰に当たったかなー?」

 回転している的を止めた。的には4公爵家、6侯爵家の名前が書かれていた。

「ディエス、なんなのだ?」

「次の俺主催の茶会に招く人よー」

「そんな大事な事をこんな事で決めたのか?!」

 この国でディエスの立場はまだまだ危うい。ソレイユと言う大きな後ろ盾はあるが、協力者を見つけ敵を探さなければならぬのに、何を悠長に遊んでいるのだ。

「大事だからだよ!ラムが選んだんだから誰も文句言わないでしょー。それに10人いっぺんの茶会なんて俺無理よー」

 確かに誰も選び方に文句は言えないだろう。皇帝が選び、しかもかなり無作為だ……ディエスはもしかして賢いのか?

「これで手紙は3通で済む」

 それが目的か?!

「令嬢に出すのか?夫人か?」

 側妃なので基本は女性宛に出すのが通例だが、「男の側妃」の場合はそうとも限らない。

「家に出すよ。誰を送り込んでくるかも見たいし」

 やはりディエスは賢い。誰が来るかで色々な推測も出来るだろう。令嬢ならばディエスの品定め、もしくは側妃の座を奪おうとする者かもしれん。令息ならばディエスに取り入り、私の部下へと自らを売り込んで来るやもしれぬ。

「どんなのを送って寄越すか楽しみだねー。見に来ても良いよ?席作っとく」

 見にこいと?

「ソレイユ様も来てくれないかなー」

 どこまでソレイユの威を借るつもりなんだ?私で良いだろう??

「へっ」

 心底馬鹿にした顔をしている。ムカつくな。

「ラムはさぁ、女の人の怖さが分かってないよぉーだから駄目なんだよ、分かる?分かんないよねぇ?」

 肩をすくめて道化の様に笑っているディエスは本当に良い度胸をしていると思う。この天下の皇帝に向かってそんな態度を取れるのはお前くらいだぞ、ディエス。

「花が一個ない、クッキーが一つ少ないだけでまとまる案件も全部最初からひっくり返されるんだぞ?女性のクライアントほど、気をつけなきゃならん事はないんだからな?」

 確かにそう言う事はあるかも知れん。

「さーて、ソレイユ様んとこ行って来るー。こないだお願いしたドレスを譲って貰うのオッケー貰ったからねー」

「ドレス?お前、着るのか?」

 冗談で透けているナイトドレスを用意したが絶対に嫌だと言ったのに?また心底私を見下げた様な顔をしている。

「はあ?俺がドレスを着る訳ないだろ……俺は男だぞ」

「だが側妃だ」

「はぁ……これだからラムは」

 今日の護衛のアリーチェを連れてソレイユの正妃の宮に行ってしまった。

 何か策があるのかも知れんが、兎に角ムカつくので仕返しは今晩たっぷりしてやろうと決めた。




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