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37 日頃のディエス
ラムに友達はいない。だから俺と24時間べったりくっついている。引き離そうとした事もあったが無駄だったから諦めた。そんな非効率なことを俺は選択しない、と言うか面倒だからしない。
「ラム。俺、下町の酒場とかで酒飲んでみたい」
「……酒ならもっと高級で美味いものがあるだろう。何故下町に行きたがる?」
俺、この世界に来てからあちこち行った事無いんだよ。だからどうなってるか見たいんだけど?
「良いよ、じゃあ俺一人で行くから」
付き合いが悪いとは言わない。だって俺がやってみたい事であってラムがしたい事じゃない。
俺は執務室の壁をかさかさと触っている。あと本棚!本棚の中の一冊が鍵になっててそれを「ガコン!」ってしたら、本棚が動いて秘密の通路が現れるんだろ??
ワクワクしながら確かめたのに本は全部普通の本だった……。俺の求めていた「ガコン!」はどこをどう触っても現れない……おかしい、王様のお城って絶対緊急脱出用の抜け道があるだろ?絶対あるよな!?何かの虫みたいにカサコソと壁を這いまわっていると、ため息をつきながらラムが折れた。
「……私の執務机の床だ」
「え?本当にあるんだ!」
ラムの机の下の床板が一枚ぽこっと取れて中に下へ降りる階段が見えた。
「そうだよ!これだよ、これええ!城の外に繋がってる??」
「ああ、外壁まで繋がっているらしいが中は複雑だぞ」
「行ってみる!」
すげー!ファンタジーっぽい!!俺はラムの足元から梯子を降り始めた。
「誰か、風呂の用意をしておけ。あと少ししたら西の廃井戸に縄梯子を持って行くぞ」
「ふえええ……俺ぇ、俺ぇ!死ぬかと思ったぁーーー!」
蜘蛛の巣と臭い泥に塗れた俺は上から差し込んだ光にマジ泣きしながら拝んだ。俺の感覚では丸一日は暗くて汚い通路の中を彷徨っていたけれど、時間にしたら30分くらいだったらしい……。
俺は暗闇の迷路みたいになった通路で立派な迷子になっていた。
「だから複雑だと言ったんだ。一人で地図もなしに抜けられるほど簡単な場所じゃない」
「うう……反省した。次からはラムも行こう」
「……」
呆れ顔をされたが、俺は別の所から怒られた。
「側妃ディエス様、陛下を下町に連れて行こうとしないでください。警備するこちらの身にもなって!」
「えーーーー!」
俺の前には騎士のランス……いや、本当は帝国諜報機関の外部主任を務めるリゼロが立っていてガミガミとお小言を貰っていた。あの小さな町に送られた俺についてくる予定だった本物の騎士のランスはなんとリゼロから大金を貰ってとんずら、最初からランスに化けたリゼロがついてきていたらしい。
最初はランスとそっくりな顔と行動をしていたけれど、一緒に行く騎士達はあまりランスと交流がなかったのを利用して少しづつ変装をラムの顔に寄せて行ったらしい。
「あの時も大変でした……陛下自ら騎士のふりをして見に行くなど……あーもー思い出したくない!」
「それに比べたら夜にちょーっと抜け出して酒盛りくらい……」
「駄目ですっ!」
「良いじゃん……何のために通路があると思ってんだよ……」
「緊急脱出用です!緊急でもなんでもないでしょ!」
「ちぇー」
リゼロは頭が固いなあ。しかし俺は怒られながらも迷子になりながらも何度も何度もあの通路を行き来してとうとう城の外へ出ることを覚えたのだ!
「松明を用意してさ、蜘蛛の巣を焼き払いながら進むんだ。そんで靴は長めのブーツを履けば泥水が溜まっててもなんとかなるんだ!」
「そうか、ディエスは賢いな」
「だろう!」
俺はなんかサバイバルも出来るんじゃないか!?少し馬鹿にされている気がしないでもないが、慣れて来るとなかなか楽しかった。
「よし、ラム。今晩城を抜け出して飲みに行くぞ」
「分かった」
珍しく乗ってきたその日の夜、二人で通路を歩いて外へ出る扉を開けたら
「中々お早いお着きですね。これなら賊が城へ入っても即座に逃げ出せるでしょう、安心いたしました」
「ぎゃあ!」
目の前にリゼロが青筋を立てながら立っていて、揃って馬車に詰め込まれ強制送還されてしまった。ちくしょう!
「ラム。俺、下町の酒場とかで酒飲んでみたい」
「……酒ならもっと高級で美味いものがあるだろう。何故下町に行きたがる?」
俺、この世界に来てからあちこち行った事無いんだよ。だからどうなってるか見たいんだけど?
「良いよ、じゃあ俺一人で行くから」
付き合いが悪いとは言わない。だって俺がやってみたい事であってラムがしたい事じゃない。
俺は執務室の壁をかさかさと触っている。あと本棚!本棚の中の一冊が鍵になっててそれを「ガコン!」ってしたら、本棚が動いて秘密の通路が現れるんだろ??
ワクワクしながら確かめたのに本は全部普通の本だった……。俺の求めていた「ガコン!」はどこをどう触っても現れない……おかしい、王様のお城って絶対緊急脱出用の抜け道があるだろ?絶対あるよな!?何かの虫みたいにカサコソと壁を這いまわっていると、ため息をつきながらラムが折れた。
「……私の執務机の床だ」
「え?本当にあるんだ!」
ラムの机の下の床板が一枚ぽこっと取れて中に下へ降りる階段が見えた。
「そうだよ!これだよ、これええ!城の外に繋がってる??」
「ああ、外壁まで繋がっているらしいが中は複雑だぞ」
「行ってみる!」
すげー!ファンタジーっぽい!!俺はラムの足元から梯子を降り始めた。
「誰か、風呂の用意をしておけ。あと少ししたら西の廃井戸に縄梯子を持って行くぞ」
「ふえええ……俺ぇ、俺ぇ!死ぬかと思ったぁーーー!」
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俺は暗闇の迷路みたいになった通路で立派な迷子になっていた。
「だから複雑だと言ったんだ。一人で地図もなしに抜けられるほど簡単な場所じゃない」
「うう……反省した。次からはラムも行こう」
「……」
呆れ顔をされたが、俺は別の所から怒られた。
「側妃ディエス様、陛下を下町に連れて行こうとしないでください。警備するこちらの身にもなって!」
「えーーーー!」
俺の前には騎士のランス……いや、本当は帝国諜報機関の外部主任を務めるリゼロが立っていてガミガミとお小言を貰っていた。あの小さな町に送られた俺についてくる予定だった本物の騎士のランスはなんとリゼロから大金を貰ってとんずら、最初からランスに化けたリゼロがついてきていたらしい。
最初はランスとそっくりな顔と行動をしていたけれど、一緒に行く騎士達はあまりランスと交流がなかったのを利用して少しづつ変装をラムの顔に寄せて行ったらしい。
「あの時も大変でした……陛下自ら騎士のふりをして見に行くなど……あーもー思い出したくない!」
「それに比べたら夜にちょーっと抜け出して酒盛りくらい……」
「駄目ですっ!」
「良いじゃん……何のために通路があると思ってんだよ……」
「緊急脱出用です!緊急でもなんでもないでしょ!」
「ちぇー」
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「だろう!」
俺はなんかサバイバルも出来るんじゃないか!?少し馬鹿にされている気がしないでもないが、慣れて来るとなかなか楽しかった。
「よし、ラム。今晩城を抜け出して飲みに行くぞ」
「分かった」
珍しく乗ってきたその日の夜、二人で通路を歩いて外へ出る扉を開けたら
「中々お早いお着きですね。これなら賊が城へ入っても即座に逃げ出せるでしょう、安心いたしました」
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