【完結】廃棄王子、側妃として売られる。社畜はスローライフに戻りたいが離して貰えません!

鏑木 うりこ

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72 一件落着だろ!

 こうしてセイリオスの婚約者にはサファイアがクロードの婚約者にはプリネラがすっぽり収まった。

「結婚して10年で愛人を持つことを許可する、ですって。ただし夫側の愛人は女性意外とする。ふふ、書面も真面目な方なんですね。私、人間としてセイリオス様の事好きですわよ」

 セイリオスが二人に提示した書類を思い出してサファイアは笑った。そこまで盛り込まなくていいのに、と言う思いもあったからだ。

「クロード様も真面目なんですけど、騎士団の事と白百合の事しか考えてなくて、私の事は忘れがちなんですけど、すぐ謝って下さるんですよね。「物で誤魔化すつもりではないのだが」って小さなネックレスやイヤリングをよく下さいます」

「あ、それ私とお揃いよ。間違いなくセイリオス様の差し金だわ」

「二人で同じ物買ったのね。ホント仲が良いわよねえ」

 思い出しながら微笑む二人。

「二人とも良くやった」

「「ありがとうございます、皇帝陛下!」」

 なんでラムが二人を褒めて、二人はのろけみたいのを執務室に報告へ来てるの??

「あ、私達これからお昼を届けてまいりますので」

「4人で食べますのよ……約束通り」

「うむ。存分に務めを果たせ」

「「心得ましてございます」」

 二人は完璧な礼儀作法で執務室から出て行った。

「……思ったより楽しそうだな」

「良い報告も上がっている」

 クロードとセイリオスが皇帝命令で婚約者を与えられ……婚約者同士が仲が良かった為、積極的に交流を……しかし、二人ともいがみ合うわけでもなく少しづつ打ち解けているようだ、と周囲から認識されている。と報告が上がっている。

「これでこの件も解決だな」

「そだね。ある意味レジム公爵の娘のお陰で解決した……皮肉かな」

 リリシア・レジムは3日ほど牢に入ったが、大量の保釈金をレジム公爵が支払って自宅で軟禁という形に落ち着いている。金が無くなったレジム家から更にむしり取った。そしてその直後に鉱山と薬草園を差し押さえた通達を出したらしい。

「は……?え?わ、我が家は一体どうやって暮らして行けば……??」

「違反は違反。規則は規則ですので」

 げっそりとやつれたようだが、まあ領地からの収入もあるんだから……。

「……今年の収益は怪しいけれど」

 そろそろ冷夏になるという予想を皆に伝えないと。あちこちで買い占めやらなんやらも起こるかもしれないからその対策にも忙しくなりそう。

「だが、祝杯だ。何せ片付いたのだからな!」

 ホント、ラムは酒が好きだなあ!

「ま、片付いたしね!ラムの蔵酒、良い物あるんだろうなあ!」

「私も飲んだことはないがライスワインというのが届いているぞ」

「ライス……米……?日本酒か!!良いね!」

 この世界、米が普通にあるんだよ~~!

「くう~~~~!じゃあ肴はあぶったイカでいい!」

「イカ?」

「しみじみ飲もうぜ、しみじみ!!」

 日本酒ぽん酒はあんまり飲む方じゃないけれど、ラムの酒ならきっとうーーんとお高いのが出てくるはず!きっとうまいんだろうなあ!

「よくわからんがダイギンジョーのイノシロ?とか」

「間違いなく過去に来た奴が作ってそーーーー!」

 かなりワクワクしてきた。俺は今晩の宅飲みの為に今日の仕事をさっさと終わらせようとペンを手に取った。


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