【完結】廃棄王子、側妃として売られる。社畜はスローライフに戻りたいが離して貰えません!

鏑木 うりこ

文字の大きさ
105 / 139

105  また あだま、いだい

「あだま、いだい……」

「いつも通りだな」

 俺は布団中で唸っている……飲み過ぎた。

「おはよう御座います、陛下、ディエス様。いつもの持って来ましたよ……ってディエス様?何故布団の中にお住まいで?」

「うっさい、そこら辺置いといて」

 くそっ美味かった、ビール美味かった。セイリオスが氷魔法の使い手で、キンキンに冷えたビールは最高だった。だから飲み過ぎた!

「側妃様はこの変な野菜汁、お好きですよねぇ。これ、最近騎士団でも流行ってて二日酔いの団員達は飲んでるそうですよ」

「あ、そ」

 俺はベッドからラムを追い出して布団の中に立て篭ってる。騎士達の話なんてどうでも良い!草汁も飲めば良い!

「……今日はご機嫌が麗しくないのですか?」

「二日酔いでご機嫌麗しい奴がどこに居る」

 モゴモゴとくぐもってはいるけれど、多分聞こえているだろう、知らんけど。

「……朝食はこちらにお持ちしますね、陛下」

「ああ」

 俺がベッドから追い出したラムは近くの椅子で本を読んでいるらしい、知らんけど。て言うか、て言うか!
 静かに扉が閉まる音がして、ルトは出て行ったんだろう。あー!そしたらまたラムと2人っきりじゃねーか!気まずいぃ、気まずいぃーー!

「ディエス、何故出てこない」

「うるさい、ほっとけ!」

 ラムもどっか行け!ああ、もう!

「どうした?

「うるさいっ!」

「……」

 それから少し静かになって……居た堪れない時間が流れてから。

「お前。昨晩の事、覚えているな?」

「し、知らねーし!!」

 俺はビールが好きだ。酔っ払ってへべれけになるくらい好きだが、ビールで記憶を飛ばした事はない。

「ディエス」

「知らねーしっ!!」

 た、確かに今までの宅飲みで酔っ払って記憶を無くしてた。そんでなんか弄られてんなーってことはまあ気付いてた。でも、でもよ!あ、あんなに……は、激しい事してんの知らなかった!
 つまりだ、毎晩励んでいるのは序の口で、ラムの本気はアレでナンだった!!
 しかも、しかもだよ?!お、俺……自分から……うわぁーーー!恥ずかしい、穴があったら入りたいっ!!

「ディエス……悪かった。お前はこの世界に来る前の話を聞かれたくなかったんだな」

 ん?

「でも私は知りたかったんだ。お前がディエスでなくカズシとしてどう生きて来たか、何をしていたか……愛する者がいたか……元の世界は平和なんだろう?ここでは人の命は軽いのだろう?」

 ああ、まあそうだなぁ。日本で処刑なんて数える程らしいもんな。見ることもないし。

「それでも……ここに居て欲しくて、私はどうしてもお前の事を知りたかったんだ。お前は酔えばカズシの話を教えてくれるから」

「あれ?そうなのか?」

 んな事はどうでも良いし。はあ、和志の話?んなもんいくらでも教えるけど、それにしてもアレはちょっとどうなんだぁ?いや、激し過ぎるだろ?俺も俺で何がもっと、だよ!恥ずい、恥ず過ぎる!信じられない!!
 アレなんつーんだっけ?駅弁?だっけ……うわーうわーーー!思い出したくねーーー!

「お前が顔も見せたくないくらい私に失望したのは本当に済まない……」

「失望?」

 いや、激し過ぎて若干絶望ならしたけど。て言うか俺だよ俺!なんだよあの「もっと中にぃ」とか気持ち悪っ!ドン引きだよ、ドン引き!
 恥ずかしくてラムの顔見れねぇ!ほとぼりが冷めるまでどっか行っててくれ!

「それでも私を捨てないでくれ……ディエス……もうお前の嫌がる事はしないから私の側に居て欲しい」

「え?あ、うん?」

 なんか、俺たち食い違いがあるような気がするな?

感想 266

あなたにおすすめの小説

家に帰ったら、妻は冷たくなっていた。突然シングルファザーになった勇者パーティーの治癒師は家族を修復したい

八朔バニラ
ファンタジー
勇者パーティーに所属し、魔王討伐した治癒師(ヒーラー)のゼノスは街の人々の歓声に包まれながら、3年ぶりに家に帰った。家族が出迎えてくれると思ったが、誰も出迎えてくれない。ゼノスは不満に思いながら家に入ると、妻の身体は冷たくなっていた。15歳の長男ルミナスはゼノスの代わりに一家の柱として妹を守り抜き、父に深い拒絶のこもった瞳を向けていた。そして、8歳の長女ミリアは父の顔も忘れていた。 ゼノスは決意する。英雄の肩書きを捨て、一人の不器用な父親として、バラバラになった家族の心を繋ぎ合わせることを。 これは世界最強の治癒師が家族を修復する物語である。

有能すぎる親友の隣が辛いので、平凡男爵令息の僕は消えたいと思います

緑虫
BL
第三王子の十歳の生誕パーティーで、王子に気に入られないようお城の花園に避難した、貧乏男爵令息のルカ・グリューベル。 知り合った宮廷庭師から、『ネムリバナ』という水に浮かべるとよく寝られる香りを放つ花びらをもらう。 花園からの帰り道、噴水で泣いている少年に遭遇。目の下に酷いクマのある少年を慰めたルカは、もらったばかりの花びらを男の子に渡して立ち去った。 十二歳になり、ルカは寄宿学校に入学する。 寮の同室になった子は、まさかのその時の男の子、アルフレート(アリ)・ユーネル侯爵令息だった。 見目麗しく文武両道のアリ。だが二年前と変わらず睡眠障害を抱えていて、目の下のクマは健在。 宮廷庭師と親交を続けていたルカには、『ネムリバナ』を第三王子の為に学校の温室で育てる役割を与えられていた。アリは花びらを王子の元まで運ぶ役目を負っている。育てる見返りに少量の花びらを入手できるようになったルカは、早速アリに使ってみることに。 やがて問題なく眠れるようになったアリはめきめきと頭角を表し、しがない男爵令息にすぎない平凡なルカには手の届かない存在になっていく。 次第にアリに対する恋心に気づくルカ。だが、男の自分はアリとは不釣り合いだと、卒業を機に離れることを決意する。 アリを見ない為に地方に移ったルカ。実はここは、アリの叔父が経営する領地。そこでたった半年の間に朗らかで輝いていたアリの変わり果てた姿を見てしまい――。 ハイスペ不眠攻めxお人好し平凡受けのファンタジーBLです。ハピエン。

そばかす糸目はのんびりしたい

楢山幕府
BL
由緒ある名家の末っ子として生まれたユージン。 母親が後妻で、眉目秀麗な直系の遺伝を受け継がなかったことから、一族からは空気として扱われていた。 ただ一人、溺愛してくる老いた父親を除いて。 ユージンは、のんびりするのが好きだった。 いつでも、のんびりしたいと思っている。 でも何故か忙しい。 ひとたび出張へ出れば、冒険者に囲まれる始末。 いつになったら、のんびりできるのか。もう開き直って、のんびりしていいのか。 果たして、そばかす糸目はのんびりできるのか。 懐かれ体質が好きな方向けです。

殿下に婚約終了と言われたので城を出ようとしたら、何かおかしいんですが!?

krm
BL
「俺達の婚約は今日で終わりにする」 突然の婚約終了宣言。心がぐしゃぐしゃになった僕は、荷物を抱えて城を出る決意をした。 なのに、何故か殿下が追いかけてきて――いやいやいや、どういうこと!? 全力すれ違いラブコメファンタジーBL! 支部の企画投稿用に書いたショートショートです。前後編二話完結です。

嫌われ魔術師の俺は元夫への恋心を消去する

SKYTRICK
BL
旧題:恋愛感情抹消魔法で元夫への恋を消去する ☆11/28完結しました。 ☆第11回BL小説大賞奨励賞受賞しました。ありがとうございます! 冷酷大元帥×元娼夫の忘れられた夫 ——「また俺を好きになるって言ったのに、嘘つき」 元娼夫で現魔術師であるエディことサラは五年ぶりに祖国・ファルンに帰国した。しかし暫しの帰郷を味わう間も無く、直後、ファルン王国軍の大元帥であるロイ・オークランスの使者が元帥命令を掲げてサラの元へやってくる。 ロイ・オークランスの名を知らぬ者は世界でもそうそういない。魔族の血を引くロイは人間から畏怖を大いに集めながらも、大将として国防戦争に打ち勝ち、たった二十九歳で大元帥として全軍のトップに立っている。 その元帥命令の内容というのは、五年前に最愛の妻を亡くしたロイを、魔族への本能的な恐怖を感じないサラが慰めろというものだった。 ロイは妻であるリネ・オークランスを亡くし、悲しみに苛まれている。あまりの辛さで『奥様』に関する記憶すら忘却してしまったらしい。半ば強引にロイの元へ連れていかれるサラは、彼に己を『サラ』と名乗る。だが、 ——「失せろ。お前のような娼夫など必要としていない」 噂通り冷酷なロイの口からは罵詈雑言が放たれた。ロイは穢らわしい娼夫を睨みつけ去ってしまう。使者らは最愛の妻を亡くしたロイを憐れむばかりで、まるでサラの様子を気にしていない。 誰も、サラこそが五年前に亡くなった『奥様』であり、最愛のその人であるとは気付いていないようだった。 しかし、最大の問題は元夫に存在を忘れられていることではない。 サラが未だにロイを愛しているという事実だ。 仕方なく、『恋愛感情抹消魔法』を己にかけることにするサラだが——…… ☆お読みくださりありがとうございます。良ければ感想などいただけるとパワーになります!

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました

由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。 彼女は何も言わずにその場を去った。 ――それが、王太子の終わりだった。 翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。 裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。 王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。 「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」 ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。

【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】  最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。  戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。  目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。  ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!  彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!! ※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中