【完結】双子の隠キャが踊ります?約束された幸せは幸せでした

鏑木 うりこ

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17 最近、手しか見ていない レイクリフ視点

「だって!あの化粧水は凄いんです!薬剤師に解析させてもアレと同じ物は作れないと!」

 王妃様はいつになく早口で目を見開いている。

「しかもなんですか!あのメイド達の服は!生地自体違うんです。軽くてしわになりにくいんです、それにデザインが可愛いし、あんなところにリボンとか普通つけませんよ?!斬新で、素敵」

 王妃様付きの侍女達まで唾を飛ばす勢いで食ってかかって来た。

「だが、双子王子は女性が、特に高貴な女性が恐ろしいから近づかないようにと全員に説明したはずですよね」
「そ、それはそうですが」

 宰相様の静かな声に王妃は少し冷静になるが、それどころではない。この話し合いの場に今日は私が来ている。王妃様と侍女達5名の女性に詰め寄られ、質問、いや詰問?されたリュキとマシェは青くなって縮こまりガタガタと震え、クローゼットの中から出てこられなくなってしまった。

「マシェ。おやつですよ」

 クローゼットのちょっとだけであいた隙間からマシェかリュキの手が伸びて来るから、高級チョコレートを二つ乗せてやる。しばらくすると包み紙を二つ分返してくれる。
 団長がそうやってつきっきりで今、世話をしている……それくらい悪化してしまった。

「女性の美しさへの追求は目を見張る物がありますが、これはやり過ぎでしょう」

 宰相様は頭を抱えているが、それどころではない。

「申し訳ないのですが、本当にそれどころの話ではないのです。これを見て下さい」

 あの時、不思議なドワーフの酒造工場から貰ってきた酒瓶を一つ取り出す。

「これは?」

 宰相様も王も不思議そうに覗き込んだ。透明度が高いガラスの瓶に入った琥珀色が美しい液体。

「新しい酒だそうです。双子はウイスキーと呼んでいました。独特の色と香りが……美しい。氷や水で割って飲む物らしいですが、美味いです」

 双子はシュワシュワした水でものすごく薄く割って喜んでいたがそこまでしては味が分からないのではないだろうか?

「で、この珍しい酒がどうしたと言うのだ?」

 王の問い、宰相様は思い当たったのか酒瓶を持ち上げ、眺めている。

「この酒はあの双子しか仕入れられません。そして……我が国で流通させても良いと言っているのです」
「……新しい物を、我が国で……」

 こくりと私は頷く。

「味をみましたが中々旨い。これは上流階級の男性に好まれると思います。一本1万ゴールド、いや10万ゴールド出しても買い求める人間が現れると思います……新しい産業として、成立しますよ、我が国で」

 王はガタリと立ち上がった。なんの産業もなく、ただ指を咥えて枯れてゆく国を見守るしかできなかった我が喉から手が出るほど欲しかった物が目の前にぶら下がったのだから。





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