【完結】双子の隠キャが踊ります?約束された幸せは幸せでした

鏑木 うりこ

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47 旅は年二回くらいで

「レイ殿ぉ~! 」
「リュキ! 」

 レイ殿の愛馬はゴルディという名前の白馬だ。全身が真っ白で鬣と尻尾が金色で目が青い、物語の王子様みたいな色をしていてとてもカッコいいんだ。頼り甲斐もある牡馬で牝馬達からもモテモテのイケメン馬だ。その王子様馬の上からレイ殿がひらりと降り立った。うっ!カッコいい!王子様かっ!

「ただいま戻りましたよ、リュキ! 」
「お帰りなさい、レイ殿ー」

 そのままパッと抱き上げられたけれど、この国ではよく人を抱き上げる。ライルもリックのことをひょいひょい抱っこしてるし、ナッシュもニールをサイラスはシュレイをそりゃもうひょいひょい持ち上げるてるから、これが普通なんだ。
 私達が生まれ育ったフィフナーでは、愛する伴侶くらいしか抱き上げなかったけどね……んん、あれ?普通、だよね??だってマシェもオル団長に流れるように抱っこされてるもん。

「普通、普通」
「え?何がです??」
「何でもないでござるよ~!」

 普通、だよね?

「お城のお話はどうだった?」
「お二人に不自由がないか聞かれただけですよ。大丈夫ですと答えておきました」
「そっかー!出て行けって言われなくて良かった」

 お金を納めたり、あまり変なことをしていないつもりだけれど、嫌われることもある。自分では気が付かないうちになんかやらかしてるのかもしれない……そうならないようにしているつもりなんだけどね。

「……そんなことになったら……私もついて行っていいですか? 」
「えっだってレイ殿はこの国の騎士でしょう? 」
「その時は騎士を辞めます」
「や……」

 辞めちゃ駄目だ、今までの努力とか地位とかいろんなものが全部なくなってしまうよ、というつもりだったのに口から出た言葉は別な物で自分でもびっくりしてしまった。

「そ、それは心強いです。4人旅でしょうか」
「ふふ、そうですね」

 つい4人なんて言ってしまったけれど、良く考えてみればオル団長が来るわけがない。彼こそこの国で色々な功績を積んでいる人なんだ。私が追い出される時は多分マシェも一緒、だからオル団長もセットでくっ付いてくるような気がしてしまってそんなことを言っちゃったんだ。

「旅か、いいかもしれません。リュキもマシェも旅をする体力ありますか? 」
「ひょえっ!?拙者達そこまでひ弱ではござらんよ!」

 私とレイ殿の会話は近くにいたオル団長の耳に届いたらしい。え……やっぱりオル団長も来るの?私達が追い出されたら一緒に来ちゃうの?

「追い出されたら、ですよ? 」
「追い出されないようにするでござる~! 」

 私達は基本的に引きこもり。旅はたま~にしたいような気もするけれど、たまにでいい。例えるなら夏と冬にビックなサイトに出かけるくらいでいいのだ。

「うん、やっぱり追い出されないようにする方に力を注ごうかなっ」
「それは助かります」

 私を抱っこしたままレイ殿が笑った。うん、かっこいいレイ殿は騎士様の称号があった方が良いだろう、だってかっこよさが2倍くらいになるもんね。でももしもの時、一緒に居てくれるのはとても嬉しいと思った。ますます頼りにしてしまいそう。

 

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