【完結】双子の隠キャが踊ります?約束された幸せは幸せでした

鏑木 うりこ

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54 リゾートのラウンジでカシオレを

 この世界、ゴムの素材はあった。でも上手な活用は出来ていなかった。素材とアイディアを物作りのプロであるアイアン親方率いるドワーフ軍団に教えるとすぐ何とかしてくれた。

「ゴムボート、ビーチボールに浮き輪! 」
「んなもん何に使うんだって親方に呆れ顔されたけど、楽しい! 」

 ぷかぷかと海に浮かべてみたら、やっぱり楽しかった。

「何すかね……この浮遊感……堪らんすね」
「良いっす……このまま寝そうッス」

 騎士団独り身コンビ東西……ウェスとイースが浮き輪の真ん中の穴にお尻を嵌めて、ぷかぷかと海面に浮かんでいる。うん、あれ気持ちいいよなぁ。でも高い波が来るとひっくり返るし、誰かにひっくり返され易かったりするんだけど、それも楽しいよね。

「ゴムボート……良いですね。空気を抜くと小さくなる所、ひっくり返っても復帰が早い所。使えそうです」

 オル団長が真面目な顔で見てた……仕事に使うのかい??

「オル殿が使うなら、もうちょっと厚いゴムを使った方がいいですかねぇ? 」
「でもすぐに穴が空いちゃうと駄目じゃない?」
「ああ、耐久性には難ありですよね」

 オル団長はこんな時でも真面目だったけど、きっとこの真面目さが信頼になるんだろうなぁ。

「トラックのタイヤくらい分厚く作れば良いんでしょうけど、そしたら持ち運びは不可だしなぁ……」

 オル団長の隣でマシェも真面目に悩んでいる。「とらっく?」オル団長が首を傾げてるぞ、マシェ。

「とりあえずリュキはそろそろ日陰に入った方が良いですよ」
「ほわっ?! 」

 レイ殿の的確な判断により酷い日焼けになる前に避難した。なんせ我々は超インドア派の生っ白い陰キャ。真っ赤になる前で助かったけれど、一緒に来た人達は何人も酷い日焼けになって悶えていた。すまない……サンオイルは使った事がなくて、さっぱり分からないんだ……。

「でね、困ったらこう言うんだ。カシオレひとつー」
「あはは!なるほどぉ」

 ビーチの陽キャの夜はお酒を飲むのだ!それでこのバカンスは女の人もいっぱい参加してる。だから、このホテルのラウンジにカクテルの概念を持ち込んでさらにお酒も持ち込んでしまった。

「こ、これが王都で流行っているウィスキーという酒!」
「す、凄い……あとこの麦酒美味しいですね。我々のものと製法が違うのでしょうか……?」

 とかなんとかの呟きも丸っと無視して提供してもらったんだ。あとカシオレなんだけど、本当はカシスリキュールとオレンジジュースで作るらしいんだけど……カシスリキュールだけ別に飲んだことなんてないから「カシスオレンジ」で出来てしまった……。情緒がないけど許して欲しい!
 でお酒にあまり強くない女性はこういっとけばいいよ、と教えていた所だったのだ。

「ほぼオレンジジュースなんだけど、お酒も入っているからほどほどにね。飲める人はなんでも飲むと良いよ。ここの支払いも経費だからじゃんじゃんやっちゃって! 」
「うっひょうー! 太っ腹じゃないですかー!リュキ様」
「ガンガン行かせて貰いますよぉ!くそー!彼女募集中ぅー!」

 調子に乗ったウェスとイースに習って皆、酔っ払っていったし、新婚さん達はそそくさと消えた。

「もうその辺で」
「うにゃぁ~」

「マシェも」
「ぽみぃ~」

 我々も酒は強くないので、いつの間にか回収されていたらしい。彼女募集中の東西コンビはそれはそれはタダ酒を飲みまくってベロンベロンになり

「あれじゃ彼女出来んよな」

 と、周りからため息をつかれていたらしい。多分そう言うところがダメなんだと思う~~。


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