【完結】双子の隠キャが踊ります?約束された幸せは幸せでした

鏑木 うりこ

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71 へっへー貰っちゃったもんねー

「むふふ」
「むふー」 

 マシェと二人並んでお互いの左の薬指に嵌った指輪を眺めてはニヤついてる。

「えーと、何でしたっけ?婚約は薬指に。結婚したら小指に。つまり二度指輪を買うんですね?素晴らしい」

 騎士サウスの婚約者であり、ワール商会の次男のヴィクトルが聞き取り調査にやって来た。儲けの匂いある所にワールの影あり。

「うん。婚約指輪は給料の3ヶ月分が相場なんだって」
「ほっほう!するとお二人の指に嵌っているものはさぞかしお高いんでしょうな?! 」

 これはマシェと顔を見合わせて苦笑するしかなかった。この国の騎士の給料はまあ、そこそこと言った所だった。だから、うちに勤めている騎士達は全員この屋敷を出て行かないんだ、と凄く納得した。
 だってここなら、家賃は要らないし、ご飯は出るし毎日お風呂に入れるし。でも休日新婚用の家の家賃もこっちで払ってるんだけどなぁ?まあ、皆いてくれた方が楽しいから良いんだけどさ。
 
 指できらりと光る指輪はきっと3ヶ月分以上だと思う。シンプルながら、光の加減で金色に見える……一目でコレだ!って思っちゃったもんね。

「値段より、気に入った物が良いっていうのもあるんだけどねぇ」
「分かりまする~」

 まあこの指輪を贈る習慣はなかったようで、急いでワール商会の貴金属取り扱い部門で指輪職人を雇ったらしい。

「さりげなく見せびらかしたり。力仕事なんかで壊れそうな時は紐で結えて首から下げたりするのが良いようですぞ」

「売れますし、羨ましいです! 」
「サウスなら買ってくれるよ、ね?」

 ちょうど隣にいるサウスに話を振ると心臓の辺りを押さえながら

「も、もちろんなんだけど、ヴィクトルってば中々容赦ないんだよなぁ~!半年分くらいは貯金してるから、大丈夫だけどな! 」
「あー、騎士団それぞれの名義で資産運用してるから、そのお金使ってもいーぞー」

 そういえばそんなこともしてたなぁ。結構溜まってるはずだと思い出したら、サウスが「ひょ?!」と変な声を上げてた。

「衣食住は揃ってるわ、給料は良いわ休みは多いわ勝手にお金増やしてくれるわなんてリュキ様とマシェ様は一体何なんです??」
「えっと……普通の隣国の無能王子ですが……」
「はぁ……私もここに住もうかな」

 ヴィクトルにまで呆れ顔をされてしまった。住むのは構わないけど、その顔はやめてほしいです、はい。

「さて、こんな素敵なプレゼントを貰ったんだから働こうか、マシェ」
「そうですな、兄者。旦那様が困っているならば手助けせねばなりませんからのう! 」

 あの月に一回無意味に呼び出され、どっと疲れて帰って来るアレを何とかしましょう、と拙者達は情報収集を始める事にした。だれだって好きな人がつかれている顔をしていたら何とかしてあげたくなるものでござろ?

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