【完結】双子の隠キャが踊ります?約束された幸せは幸せでした

鏑木 うりこ

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109 やっとバレずに

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「今よりルゼン国の国王は私の息子、ヴィシュルです!すぐに暗雲は去るでしょう!」

 そう王妃は宣言したらしい。でも皆思ったよね。

「王太子、いたんだ!?」

 レイ殿やオル団長に確認しても二人とも首を傾げる。

「いた、ような気もしますが、ここ十年話も聞きませんし、姿も見ていません……」
「でも、いたようですね」

 騎士団の中でも優秀だった二人もこのくらいの認識だった。もちろん他の皆は全く知らなかった。

「まあでも、王女達をお嫁さんに出したってことは、跡継ぎがいたんだよね」
「そのようですね」

 幻の王太子が王様になったようだ。当然王妃のゴリ押しだったよね。

 そして、女神の怒りは解けなかった。

「何故?!フィフナーはそれで暗雲が去ったのでしょう?!我が国だけ何故天候が回復しないの?王も側妃も追放したのよ!」

 そりゃまあ……。仕方がなくオル団長のお父上が進言したようだ。

「フィフナーの前王妃は双子王子を影から保護しておりましたし、現王の母親です。女神の御慈悲もありましょう。しかし貴女はあのスカーレット様の母親であり、双子王子を助けなかった。貴女がいる限り暗雲は晴れますまい」
「うそっ!だって正妃は助かるんでしょう!」
「違います。王子達をぞんざいに扱わず大切にしたものが女神の怒りを許され、恩恵を受けるのです。あの二人は真に女神の使徒であったのです」

 ルゼン国元王妃はずっと叫んでいたが、彼女が騎士達に連れられて離宮の小さな部屋に閉じ込められると途端に雨が止んだので誰も意を唱えなかった。

「王よ、元王妃を追放してください。せめて王都からは追い出して下さい!」
「えっ……でも、あの、わ、わたしの、は、母上だし……」
「彼女がいる限り暗雲は消えませんぞっ!」
「そ、それは困るぅ……」
「王よ、ご決断を! 」
「えええええ……でもぉ……」
「あなたが王なのです! 」
「でもぉ……」

 ヴィシュル王はそんな感じで全く頼りにならず、王妃は何日も閉じ込められたらしい。なにも進まない会議が一ヶ月以上も続き、とうとう王妃の方が根を上げた。

「もう部屋に閉じ込められるのはうんざりよーー!どこの領でも良いから王都から去らせてぇー!」

 そこまで言われても一週間くらい決断できなかったけれど、やっと王妃は王都から去ることが決まった。王妃の乗った馬車にくっついて黒雲が移動して行ったらしく、ぜひ見て見たかったなーと思った。

 王妃の追放でやっとルゼン王都も赦された。空から太陽の光がやっと見えたんだって。

「これで我らの居場所が特定されなくなるでござるー! 」
「やったー!あの青空の下にお姫様がいるんだね!って言われなくてすむでござるー」

 女神様はやり過ぎなんでごさるよ!



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