【完結】イケボなハムスターと同居中~愚痴聞き神様と枯れ女子の日常

鏑木 うりこ

文字の大きさ
14 / 75

14 このアパート、多いぞ?(大福目線)

しおりを挟む
「わしが下のジジィじゃ」

「うわっ!」

 猫村さんとのLINEが途切れた瞬間、床からおじいさんの頭が生えてきて鼻の下辺りで止まった。なんで全部出てこないんだろうか?趣味?顔半分だけ出すのが趣味なんだろうか??

「ええか?愚痴聞きの。誠子はええ子じゃ。わしがおるせいで金持ちにはなれんがの」

 私とてハムスターだが、神の端くれだ。このお爺さんが何者か見ただけで分かった。

「貧乏神様で在られますか」

「如何にも。LINEでも交換しとくかの?」

 あ、ハイ。貧乏神様のQRを読み込んだ。流石貧乏神さまクラスだとスマホも物理を抜けてくる。その割に壊れない。

「わしのせいで誠子の家はずっと貧乏じゃった。だが、婆様もご両親もええ人じゃった。クロは婆様によう懐いておっての。まだ小さな誠子ともよう遊んでおった。妹だと思っておるんじゃ」

「クロ?」

「猫村じゃ。猫村九郎、クロじゃよ。誠子には内緒じゃぞ?」

 猫村さんは誠子のお婆さんの飼い猫で、そこで猫又になった。その後猫村さんと言うお宅でしばらく過ごし、苗字と戸籍を手に入れたそうだ。真っ黒なのでクロ。今でも一番好きな服の色は黒なんだそうだ。

「ええか、愚痴聞きの。誠子はええ子じゃ……お前はどうも誠子に気に入られておる故、我らも見守っておるが。ゆめゆめ忘れる事なかれ……」

 すーっと貧乏神様は下に消えてゆく。途中で止まって一言。

「……わしは覗き見などはしておらんからの……?」

「私もですよ!」

 出来るけどしない。それがマナーですから!私たちは良い存在ですので!



「……誠子は色々な物に好かれているな」

 そう言う私も誠子の事は好ましいと思う。誠子の言葉には嘘がない、誠子の言葉には過剰な飾りもない。なさすぎな気もするが。

「本当に何故人間にモテぬのか分からんな」

 その時、スマホが鳴って仕事の電話が入った。しっかり働かねばな。

「はい、私です。え?最近パワースポットとか言われて力を吸われすぎた?カラッカラのカッスカス??なるほどなるほど……」

 有名武将は泣きながら話し続ける。何かいい方法があれば良いのだが、私には分からない。ただ、心ゆくまで彼の愚痴を聞いてやるだけだった。
しおりを挟む
感想 41

あなたにおすすめの小説

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜

クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。 生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。 母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。 そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。 それから〜18年後 約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。 アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。 いざ〜龍国へ出発した。 あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね?? 確か双子だったよね? もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜! 物語に登場する人物達の視点です。

同窓会に行ったら、知らない人がとなりに座っていました

菱沼あゆ
キャラ文芸
「同窓会っていうか、クラス会なのに、知らない人が隣にいる……」  クラス会に参加しためぐるは、隣に座ったイケメンにまったく覚えがなく、動揺していた。  だが、みんなは彼と楽しそうに話している。  いや、この人、誰なんですか――っ!?  スランプ中の天才棋士VS元天才パティシエール。 「へえー、同窓会で再会したのがはじまりなの?」 「いや、そこで、初めて出会ったんですよ」 「同窓会なのに……?」

あまりさんののっぴきならない事情

菱沼あゆ
キャラ文芸
 強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。  充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。 「何故、こんなところに居る? 南条あまり」 「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」 「それ、俺だろ」  そーですね……。  カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。

後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜

二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。 そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。 その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。 どうも美華には不思議な力があるようで…?

『召喚ニートの異世界草原記』

KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。  ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。  剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。  ――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。  面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。  そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。  「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。  昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。  ……だから、今度は俺が――。  現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。  少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。  引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。 ※こんな物も召喚して欲しいなって 言うのがあればリクエストして下さい。 出せるか分かりませんがやってみます。

冷徹宰相様の嫁探し

菱沼あゆ
ファンタジー
あまり裕福でない公爵家の次女、マレーヌは、ある日突然、第一王子エヴァンの正妃となるよう、申し渡される。 その知らせを持って来たのは、若き宰相アルベルトだったが。 マレーヌは思う。 いやいやいやっ。 私が好きなのは、王子様じゃなくてあなたの方なんですけど~っ!? 実家が無害そう、という理由で王子の妃に選ばれたマレーヌと、冷徹宰相の恋物語。 (「小説家になろう」でも公開しています)

【完結】きみの騎士

  *  ゆるゆ
恋愛
村で出逢った貴族の男の子ルフィスを守るために男装して騎士になった平民の女の子が、おひめさまにきゃあきゃあ言われたり、男装がばれて王太子に抱きしめられたり、当て馬で舞踏会に出たりしながら、ずっとすきだったルフィスとしあわせになるお話です。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...