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39 私は耐えようとしたのだが
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「撫でて……」
「ああ」
消え入りそうな頼みが聞こえてきた。腹の鱗を剥がした場所が痛むのだろう。アリアンが勝手にやったこととはいえ、私の身を守るためにできてしまった怪我だ。少しの罪悪感が芽生えるし、この程度どうということもない。
低く唸っていたアリアンの呼吸がゆっくり元に戻っていく。
「ん……」
「大丈夫か?」
「……ん……」
大丈夫かどうかであれば間違いなく大丈夫ではないのだろうけれど、落ち着いてきてはいた。
ぴたりと胸に頬をつけて目を閉じている。あまり長くないまつ毛がピクピク震えているからまだ痛みを堪えているのだろう。
あのアリアンがこうなるとは意外だった。山を一つ吹っ飛ばすことなど造作もない暴力の塊みたいな存在が、たかが親指一つ分くらいの傷に身動きできなくなるなんて。弱点、よくいったものだ。
それを認識すると、ぞくりとした優越感が込み上げてくる。基本的にアリアンは私に逆らえない。しかし、この剥げた鱗の傷はそれどころの話じゃない。今でも小刻みに震え、まるで雨に濡れた子犬より弱々しい姿だ、あのアリアンが!
それでもこの傷は利用しようとは思わない。これができた経緯を思えば、そこまで人でなしになりたくないというものだ。
「アリアン」
アリアンの体は細身なのでそこまで重いとは感じないが、やはりこの状況は変えたい。何せ、私とアリアンはまだ繋がったままなのだから。
「んあ……っ!」
いつの間にかアリアンの声色が変わっていた。妙に艶を含んでいる声。そしてくちゅりとぬかるみ、絡んでくる中……これは、不味い。
「あ、あれ……な、なにこ、れ……ん、んん……んく……」
「ア、アリアン今抜くから、勝手に動くな」
「え? や、あっ! あぅんっひっ!ぃ、いっ、いっ~~~っ」
このままでは引き返せないと、焦ったのが良くなかった。アリアンの体を支えて、ゆっくり引き抜かせれば良かったのに、自分の体の変化に驚いたアリアンは少し腰を浮かせ、そしてやはり力が入らず落ちた。
「あっ! あっ! あひ、あっ! ひっ」
「うっ……く」
そして、その衝撃でアリアンは絶頂に達したのだろう。目を見開いて、ひくひくと快楽に打ち震えている。
まずい、何とか耐えなければ。アリアンの中は痛いほど締め付けてきて、非常にまずい!
「あう……あうぅ……」
アリアンが一匹、アリアンが二匹……柵を飛び越える黒竜の姿を考えて気を逸らしながらアリアンが落ち着くのを待った。私は冷静沈着な公爵、大丈夫この程度耐えてみせる。
「……うう……ルシ……」
「アリアン、落ち着いたか……ならば」
早く上から退け、そろそろ限界もいい所だ。
しかし、コレがアリアンだということを私はすっかり失念していたのだ。
「す、すごかった……これ、凄く気持ち良い! もっとして!」
「お、お前はーーっ!」
流石の私でも色々なモノがブチンと切れた。
「ああ」
消え入りそうな頼みが聞こえてきた。腹の鱗を剥がした場所が痛むのだろう。アリアンが勝手にやったこととはいえ、私の身を守るためにできてしまった怪我だ。少しの罪悪感が芽生えるし、この程度どうということもない。
低く唸っていたアリアンの呼吸がゆっくり元に戻っていく。
「ん……」
「大丈夫か?」
「……ん……」
大丈夫かどうかであれば間違いなく大丈夫ではないのだろうけれど、落ち着いてきてはいた。
ぴたりと胸に頬をつけて目を閉じている。あまり長くないまつ毛がピクピク震えているからまだ痛みを堪えているのだろう。
あのアリアンがこうなるとは意外だった。山を一つ吹っ飛ばすことなど造作もない暴力の塊みたいな存在が、たかが親指一つ分くらいの傷に身動きできなくなるなんて。弱点、よくいったものだ。
それを認識すると、ぞくりとした優越感が込み上げてくる。基本的にアリアンは私に逆らえない。しかし、この剥げた鱗の傷はそれどころの話じゃない。今でも小刻みに震え、まるで雨に濡れた子犬より弱々しい姿だ、あのアリアンが!
それでもこの傷は利用しようとは思わない。これができた経緯を思えば、そこまで人でなしになりたくないというものだ。
「アリアン」
アリアンの体は細身なのでそこまで重いとは感じないが、やはりこの状況は変えたい。何せ、私とアリアンはまだ繋がったままなのだから。
「んあ……っ!」
いつの間にかアリアンの声色が変わっていた。妙に艶を含んでいる声。そしてくちゅりとぬかるみ、絡んでくる中……これは、不味い。
「あ、あれ……な、なにこ、れ……ん、んん……んく……」
「ア、アリアン今抜くから、勝手に動くな」
「え? や、あっ! あぅんっひっ!ぃ、いっ、いっ~~~っ」
このままでは引き返せないと、焦ったのが良くなかった。アリアンの体を支えて、ゆっくり引き抜かせれば良かったのに、自分の体の変化に驚いたアリアンは少し腰を浮かせ、そしてやはり力が入らず落ちた。
「あっ! あっ! あひ、あっ! ひっ」
「うっ……く」
そして、その衝撃でアリアンは絶頂に達したのだろう。目を見開いて、ひくひくと快楽に打ち震えている。
まずい、何とか耐えなければ。アリアンの中は痛いほど締め付けてきて、非常にまずい!
「あう……あうぅ……」
アリアンが一匹、アリアンが二匹……柵を飛び越える黒竜の姿を考えて気を逸らしながらアリアンが落ち着くのを待った。私は冷静沈着な公爵、大丈夫この程度耐えてみせる。
「……うう……ルシ……」
「アリアン、落ち着いたか……ならば」
早く上から退け、そろそろ限界もいい所だ。
しかし、コレがアリアンだということを私はすっかり失念していたのだ。
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