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69 さらばアリアン、安らかに眠れ
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「ルシーッ!」
「ただいま、アリアン」
「おかえり~ずっと待ってた!」
あの後、皆疲れただろうということで会議は終了解散となった。
「今日の所はこれで。詳しいことは後で」
「ええ、分かりました」
宰相がそういってくださったので、長居したくない王城をさっさと後にする。本当は飛んで帰りたかったのだが、悪目立ちは良くないと馬車を飛ばして帰ってきたところだった。玄関前で馬車を降りると、上からアリアンが飛び込んでくる。はは、3階の窓から私めがけて飛び降りたな? 可愛い奴だ。
「ルシ様~お帰りなさーい」
見上げれば、3階の窓からリンカが手を振っている。あそこから飛び降りたな? リンカは大きなポケット付きのエプロンのようなものを着用していて、そのポケットの中から卵の上部が見えている。ああやってどこへ行くにも連れて歩いている。リンカが付いていてくれれば何かと安心だ。
「ルシ……なんかやっぱくせぇよ。風呂入った方がいい」
「直接触るのはやめたはずなのだが、同じ部屋にかなりいたからか? そうだな、風呂に行こうか」
「うん。その方がいい。卵もきっと嫌がるぞ、その臭いにおい」
「それは困る」
アリアンを抱きかかえながら屋敷に戻ると、執事が恭しく頭を下げる。
「湯の準備はできております。すぐ向かわれますか?」
「ああ、そうしよう」
「畏まりました」
「リンカがな、お風呂入れといて~って皆にいっといてくれたんだ」
「気が利くな」
「だろ!」
それはリンカの手柄であって、アリアンの手柄ではないのに機嫌よく笑っている。まあ、リンカとアリアンは同一である部分が多いらしいのでそれでいいのかもしれない。
「このまま一緒に行くか?」
「うん!」
アリアンと一緒ならば王城であの女におかしな言葉をかけられた気持ち悪さも消えるだろう。
「さらばアリアン……安らかに眠れ」
〈リンカママ?〉
私達には聞こえていなかったが、三階でリンカは手を合わせていたらしい。
「ルシ様さ、言ってたじゃん。お腹に卵がいるから加減してたって。加減してたのに卵ちゃんは危険を感じたんでしょ? その卵ちゃんがもう外に出てるんだよ、手加減なしだよ? アリアンからの念話は切っとこ」
〈も、もしかしてアリアンママ、死んじゃう……?!〉
「死にはしないよー! 竜は丈夫だもの。でも……可愛く躾けられちゃうんじゃないかな! リンカちょっと楽しみー」
〈そ、そうなんだ……〉
大きな卵を撫でながらニヤニヤしていたと使用人の一人が後程教えてくれた。
私が可愛い伴侶を害するわけがないだろう……。
「ただいま、アリアン」
「おかえり~ずっと待ってた!」
あの後、皆疲れただろうということで会議は終了解散となった。
「今日の所はこれで。詳しいことは後で」
「ええ、分かりました」
宰相がそういってくださったので、長居したくない王城をさっさと後にする。本当は飛んで帰りたかったのだが、悪目立ちは良くないと馬車を飛ばして帰ってきたところだった。玄関前で馬車を降りると、上からアリアンが飛び込んでくる。はは、3階の窓から私めがけて飛び降りたな? 可愛い奴だ。
「ルシ様~お帰りなさーい」
見上げれば、3階の窓からリンカが手を振っている。あそこから飛び降りたな? リンカは大きなポケット付きのエプロンのようなものを着用していて、そのポケットの中から卵の上部が見えている。ああやってどこへ行くにも連れて歩いている。リンカが付いていてくれれば何かと安心だ。
「ルシ……なんかやっぱくせぇよ。風呂入った方がいい」
「直接触るのはやめたはずなのだが、同じ部屋にかなりいたからか? そうだな、風呂に行こうか」
「うん。その方がいい。卵もきっと嫌がるぞ、その臭いにおい」
「それは困る」
アリアンを抱きかかえながら屋敷に戻ると、執事が恭しく頭を下げる。
「湯の準備はできております。すぐ向かわれますか?」
「ああ、そうしよう」
「畏まりました」
「リンカがな、お風呂入れといて~って皆にいっといてくれたんだ」
「気が利くな」
「だろ!」
それはリンカの手柄であって、アリアンの手柄ではないのに機嫌よく笑っている。まあ、リンカとアリアンは同一である部分が多いらしいのでそれでいいのかもしれない。
「このまま一緒に行くか?」
「うん!」
アリアンと一緒ならば王城であの女におかしな言葉をかけられた気持ち悪さも消えるだろう。
「さらばアリアン……安らかに眠れ」
〈リンカママ?〉
私達には聞こえていなかったが、三階でリンカは手を合わせていたらしい。
「ルシ様さ、言ってたじゃん。お腹に卵がいるから加減してたって。加減してたのに卵ちゃんは危険を感じたんでしょ? その卵ちゃんがもう外に出てるんだよ、手加減なしだよ? アリアンからの念話は切っとこ」
〈も、もしかしてアリアンママ、死んじゃう……?!〉
「死にはしないよー! 竜は丈夫だもの。でも……可愛く躾けられちゃうんじゃないかな! リンカちょっと楽しみー」
〈そ、そうなんだ……〉
大きな卵を撫でながらニヤニヤしていたと使用人の一人が後程教えてくれた。
私が可愛い伴侶を害するわけがないだろう……。
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