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3 王子で勇者は素敵なんだ……
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「え? この辺りに聖剣、ですか?」
「ええ……森の中に聖剣が隠されており、それは勇者にしか引き抜けぬもので、それがあれば魔王を打ち滅ぼせると聞き及んでおります」
村に南の国の王子様一行がやって来てそんな話をしている。どうやらその王子様が新しい勇者様に選ばれた凄い人らしい。村人全員に囲まれて全然姿が見えない。
「森か……おーい、レン、リンー」
村長に呼ばれた俺達は急いで駆け寄る。俺らの生活を脅かす魔王を倒してくれる勇者様には協力したいからな。あと、王子様の勇者様がどんな人か見てみたい。
「何だい? 村長」
「お前ら兄弟はよく森に出かけてるだろう? 勇者様を案内してやってくれないか?」
「おう! 任せとけ」
「もちろん、俺達も安心して暮らしたいしね!」
人の輪の真ん中に立っていた王子様の勇者様を見ると凄くカッコいい人だった。
背が高くて金髪で、目はちょっと濃い青の美形だ。手足も長くて王子様だっていうのに頼りなさげな所もなくて騎士っぽい! それでいてごりごりの筋肉って訳じゃなくて爽やかで、完璧な王子様だった。
「うわー、王子様ってカッコいいんですね」
ぽけーっと見惚れてた俺の横でリンが率直な感想を述べている。茶髪の緑目の俺ら普通の村民とは訳が違って気品とか高貴さとかが漂っている。あとなんかいい匂いする……。
「私はアレンフィールドと申します。あなた方が森を案内してくれるのですか? こんな可愛らしい方々では外は危ないのではないですか?」
「大丈夫ですよ、殿下! レンもリンもちょっと頼りない感じの顔ですがしっかりしたもんです」
仕方がないだろう、この世界に来た時からこの顔だったし。というかゲームのキャラそっくりなんだ。そしてちょっと日本人っぽい雰囲気があるから若く見られがちだけど、俺達には馴染みのある顔立ちなんだよなぁ。
「頼りないってなんだよ、村長ー」
「わはは、いつまでも髭も生えてこないじゃないか!」
「体質だってば!」
リンと村長のやり取りは俺の耳を素通りしていく。俺はアレン殿下に釘付けだったからだ。思わずじっと見つめてしまう。
「えーと、レン、さん?」
「あっ、はいっ! 大丈夫、ご案内できます!」
「助かります」
「はい……はぁ……きれい、最高だぁ」
「?!」
俺は釘付けなんだ……アレン殿下の着ている鎧……なんだろ、アレ……白銀鉄鋼かな、もしかして金剛神鋼だったらどうしよう! ああ、溶解して叩いてみたい、一体どんなものが作れるんだろう……ああ! なんてきれいな金属なんだ……ずっと見ていられる……最高だ。
「あ、あの……レンさん? そ、そんなに見つめられると照れてしまいます」
「え……」
「わーっ兄ちゃん! 森へ行く準備しましょーーっ」
「へ? あ、うん」
リンが俺をくるりとUターンさせて俺達の店舗兼自宅の方を向かせてくれた。良かった、俺、殿下の鎧に目が釘付けで離せなかったんだ。危ない危ない。リンがこそっと耳打ちで注意してくれる。
「兄ちゃん、気をつけてよ。勇者様の鎧をボコって素材にしちゃダメだからな!」
「そうだよなぁ、やっぱりダメだよなぁ。魔王倒して貰わないとダメだもんなぁ……待てよ、てことはだ。魔王倒した後ならいいのかな?! 貰えたりするかな?」
「そ、そうかもしれないけど……」
「うわぁっなら早く魔王倒して貰わないと!」
「あはは、兄ちゃんらしいや」
俺達は勇者様に全面的に協力することにした。まあ普通に魔王怖いから当たり前なんだけど。
鎧、くれるかなぁ?!
「ええ……森の中に聖剣が隠されており、それは勇者にしか引き抜けぬもので、それがあれば魔王を打ち滅ぼせると聞き及んでおります」
村に南の国の王子様一行がやって来てそんな話をしている。どうやらその王子様が新しい勇者様に選ばれた凄い人らしい。村人全員に囲まれて全然姿が見えない。
「森か……おーい、レン、リンー」
村長に呼ばれた俺達は急いで駆け寄る。俺らの生活を脅かす魔王を倒してくれる勇者様には協力したいからな。あと、王子様の勇者様がどんな人か見てみたい。
「何だい? 村長」
「お前ら兄弟はよく森に出かけてるだろう? 勇者様を案内してやってくれないか?」
「おう! 任せとけ」
「もちろん、俺達も安心して暮らしたいしね!」
人の輪の真ん中に立っていた王子様の勇者様を見ると凄くカッコいい人だった。
背が高くて金髪で、目はちょっと濃い青の美形だ。手足も長くて王子様だっていうのに頼りなさげな所もなくて騎士っぽい! それでいてごりごりの筋肉って訳じゃなくて爽やかで、完璧な王子様だった。
「うわー、王子様ってカッコいいんですね」
ぽけーっと見惚れてた俺の横でリンが率直な感想を述べている。茶髪の緑目の俺ら普通の村民とは訳が違って気品とか高貴さとかが漂っている。あとなんかいい匂いする……。
「私はアレンフィールドと申します。あなた方が森を案内してくれるのですか? こんな可愛らしい方々では外は危ないのではないですか?」
「大丈夫ですよ、殿下! レンもリンもちょっと頼りない感じの顔ですがしっかりしたもんです」
仕方がないだろう、この世界に来た時からこの顔だったし。というかゲームのキャラそっくりなんだ。そしてちょっと日本人っぽい雰囲気があるから若く見られがちだけど、俺達には馴染みのある顔立ちなんだよなぁ。
「頼りないってなんだよ、村長ー」
「わはは、いつまでも髭も生えてこないじゃないか!」
「体質だってば!」
リンと村長のやり取りは俺の耳を素通りしていく。俺はアレン殿下に釘付けだったからだ。思わずじっと見つめてしまう。
「えーと、レン、さん?」
「あっ、はいっ! 大丈夫、ご案内できます!」
「助かります」
「はい……はぁ……きれい、最高だぁ」
「?!」
俺は釘付けなんだ……アレン殿下の着ている鎧……なんだろ、アレ……白銀鉄鋼かな、もしかして金剛神鋼だったらどうしよう! ああ、溶解して叩いてみたい、一体どんなものが作れるんだろう……ああ! なんてきれいな金属なんだ……ずっと見ていられる……最高だ。
「あ、あの……レンさん? そ、そんなに見つめられると照れてしまいます」
「え……」
「わーっ兄ちゃん! 森へ行く準備しましょーーっ」
「へ? あ、うん」
リンが俺をくるりとUターンさせて俺達の店舗兼自宅の方を向かせてくれた。良かった、俺、殿下の鎧に目が釘付けで離せなかったんだ。危ない危ない。リンがこそっと耳打ちで注意してくれる。
「兄ちゃん、気をつけてよ。勇者様の鎧をボコって素材にしちゃダメだからな!」
「そうだよなぁ、やっぱりダメだよなぁ。魔王倒して貰わないとダメだもんなぁ……待てよ、てことはだ。魔王倒した後ならいいのかな?! 貰えたりするかな?」
「そ、そうかもしれないけど……」
「うわぁっなら早く魔王倒して貰わないと!」
「あはは、兄ちゃんらしいや」
俺達は勇者様に全面的に協力することにした。まあ普通に魔王怖いから当たり前なんだけど。
鎧、くれるかなぁ?!
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