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種の章
13 僕の負け
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「バール侯爵が変わった」
バール侯爵はしばらく領地に帰っていた。家族全員でだ。そして戻ってくると様変わりしていた。
膿んだ貴族のようだったのに、今は年相応の貫禄がある堂々とした立姿。長年の不摂生のせいで禿げ上がった髪は少しづつ復活している。
ブヨブヨとした下腹は無くなり、筋肉の張った肩が男らしさを増している。
「少し領地で体を動かしましてな」
笑ってそう言うが少しでそんな風にはならないだろう!貴族達は言いたかった。彼の2人いる妻も美しくなっており、何かといがみ合ってばかりいたのに、仲良く談笑している姿も見られた。
2人で手分けして良く仕事もこなしているらしい。
貴族の理想がそこにあった。
「侯爵殿、なにか魔法でもお使いになったのか?」
「ははは、実はそうなのですよ」
と、言いながら、言いつけ通りにフィエルの事はしっかり伏せられた。
あまりの変わりように最初こそ驚かれたが、毒のない態度に皆、警戒を解きバール侯爵は良き貴族としての地位を確立していった。
「フィー……ハルと一緒に寝てんの?」
「うん。ハルが1人だと嫌みたいでね」
侯爵家の1番良い部屋にフィエルは住んでいる。
ハルは僕を抱っこしてスリスリしてくる。ほんと好きだねぇ。
「で?ヤったの?」
「は?」
だぁん!大きな音がしてアンバーは壁に押し付けられ、首に仕込みナイフの先端がちょこっと突き刺さり血が出ている。
「……ハル、やめてあげて。アンバーも勝てないんだから、変な事言わないの」
ナイフをすっとしまって、ハルはまた僕の後ろに回って僕をぎゅっと抱き込んだ。
「いてぇ」
「変な事言うからだろう?なんだよ、やるって。エッチするって事?」
ぺったりくっついているハルがぴくんと反応したので僕はちょっとびっくりした。
「あれ?」
「……なんだよ、フィー。気づいてないのか?ハルは……うおっ!」
アンバーはどでかい殺気をぶつけられたようで怯んでいる。レベルが上がって人の強さを感じる事が出来る様になったみたいなんだ。
「こえー!じゃあな!」
逃げ出すアンバーと、部屋に残った僕とハル。あーえー……どうしよ。
ハルは多分間違いなく、主人とテイムされた人間との枠を超えて僕を好きなんだ。流石に僕でも気づいたぞ。
ハルの手を振り払えば、ハルは弱体化して、カードに引きこもるだろうな。心が折れたって奴だ。
でもこのままだと確実に先に進むな。僕のお尻のピンチだ。はぁどうしよう。
「フィー……そばに居て……?」
「ハル。それ、天然?」
「……ちょっとだけ……」
「このやろうぅー!」
結局僕はハルを強制的にカードに戻せなかった。ちくしょう!
バール侯爵はしばらく領地に帰っていた。家族全員でだ。そして戻ってくると様変わりしていた。
膿んだ貴族のようだったのに、今は年相応の貫禄がある堂々とした立姿。長年の不摂生のせいで禿げ上がった髪は少しづつ復活している。
ブヨブヨとした下腹は無くなり、筋肉の張った肩が男らしさを増している。
「少し領地で体を動かしましてな」
笑ってそう言うが少しでそんな風にはならないだろう!貴族達は言いたかった。彼の2人いる妻も美しくなっており、何かといがみ合ってばかりいたのに、仲良く談笑している姿も見られた。
2人で手分けして良く仕事もこなしているらしい。
貴族の理想がそこにあった。
「侯爵殿、なにか魔法でもお使いになったのか?」
「ははは、実はそうなのですよ」
と、言いながら、言いつけ通りにフィエルの事はしっかり伏せられた。
あまりの変わりように最初こそ驚かれたが、毒のない態度に皆、警戒を解きバール侯爵は良き貴族としての地位を確立していった。
「フィー……ハルと一緒に寝てんの?」
「うん。ハルが1人だと嫌みたいでね」
侯爵家の1番良い部屋にフィエルは住んでいる。
ハルは僕を抱っこしてスリスリしてくる。ほんと好きだねぇ。
「で?ヤったの?」
「は?」
だぁん!大きな音がしてアンバーは壁に押し付けられ、首に仕込みナイフの先端がちょこっと突き刺さり血が出ている。
「……ハル、やめてあげて。アンバーも勝てないんだから、変な事言わないの」
ナイフをすっとしまって、ハルはまた僕の後ろに回って僕をぎゅっと抱き込んだ。
「いてぇ」
「変な事言うからだろう?なんだよ、やるって。エッチするって事?」
ぺったりくっついているハルがぴくんと反応したので僕はちょっとびっくりした。
「あれ?」
「……なんだよ、フィー。気づいてないのか?ハルは……うおっ!」
アンバーはどでかい殺気をぶつけられたようで怯んでいる。レベルが上がって人の強さを感じる事が出来る様になったみたいなんだ。
「こえー!じゃあな!」
逃げ出すアンバーと、部屋に残った僕とハル。あーえー……どうしよ。
ハルは多分間違いなく、主人とテイムされた人間との枠を超えて僕を好きなんだ。流石に僕でも気づいたぞ。
ハルの手を振り払えば、ハルは弱体化して、カードに引きこもるだろうな。心が折れたって奴だ。
でもこのままだと確実に先に進むな。僕のお尻のピンチだ。はぁどうしよう。
「フィー……そばに居て……?」
「ハル。それ、天然?」
「……ちょっとだけ……」
「このやろうぅー!」
結局僕はハルを強制的にカードに戻せなかった。ちくしょう!
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