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種の章
29 その責任が苦しいから
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遠くから、黒い雲が近づいてきて、雨を降らせた。
「わあ!お空から水が降ってきた!」
村の子供達は大はしゃぎで駆け回る。辺りが砂漠に囲まれた場所だ、雨も少なかったんだろう。
子供達がはしゃぐ様子を見ていると、なんだか僕まで嬉しくなる。この子達はこの世界で生まれて生きているんだ。前の世界は知らない子供達。
アレを知ったらこの子達はどう思うんだろう。見せてあげたいな、と思う。
好きにしたら良い。
これって自由だ。でも自由だからこそ、全て責任は僕になる。選ぶのも全部、僕だ。
今の僕はその責任が、苦しい。
「フィエル」
僕に声をかけたのはリフェリスだった。
「フィエル、行こう」
差し伸ばされた腕を掴んでから、僕は尋ねた。
「リフェリス、どこへ行くの?」
「フィエルはまだ疲れている、俺にはそうとしか見えない」
ふわりと僕を抱き上げ、大きな木の幹に近づく。リフェリスが手を翳すと、そこは幹のはずなのに、扉が一つできて開いた。
「リフェ……」
微笑んだまま、その扉を潜る。後ろで扉はしまり、ただの幹に戻った。ここは木の中。降って行けば僕がずっと寝ていた場所につく。
「アシェは出しておいてくれない?俺たちは精霊だ。100年でも200年でも大したことはないから」
リフェリスはどんどん下へ降ってゆく。ああ、僕が寝ていた豆のベッドだ。その上にリフェリスは僕を下ろす。
「もう少し寝たほうが良い。あいつらには俺が話しておくから」
「……うん……」
僕は大きな豆の鞘の中で丸まった。
「おやすみ、フィエル。その心の怪我がもう少し癒えるまで」
とろりとした眠気がやってくる。リフェリスとアシェが笑っている顔が見えるけれど、二人ともどこか辛そうでなんだか申し訳ない気持ちになってしまう。
「この世界はまだフィエルには早すぎたんだ。時の癒しを待とう」
「そうだね、私もそう思う。おやすみ、フィエル。私達の大事な人、大好きだよ」
瞼が落ちるのと同じくらいに、豆の蓋を閉じる気配がする。僕はそれっきり眠ってしまった。
「あいつら多分怒って暴れるけど、どうする?」
「知らないよ、地上の事なんて。人の子はすぐ死んでしまうのに、もたもたしているあいつらが悪いんだ。テイム解除されなかっただけありがたいと思って欲しいな。それに俺はフィエルが起きるまでもう地上には出ないから顔もみたくないね!地上と出入りできる穴も塞いじゃうよ」
「そうだね。私もそうしよっと」
精霊たちはざわざわと揺れ、地上との関りを断ってしまった。精霊には珍しくないことだし、長い間待つことも苦にはならない。大きな豆の鞘を撫でながら
「元気になるんだよ」
願いはたった一つ。
種の章/終
「わあ!お空から水が降ってきた!」
村の子供達は大はしゃぎで駆け回る。辺りが砂漠に囲まれた場所だ、雨も少なかったんだろう。
子供達がはしゃぐ様子を見ていると、なんだか僕まで嬉しくなる。この子達はこの世界で生まれて生きているんだ。前の世界は知らない子供達。
アレを知ったらこの子達はどう思うんだろう。見せてあげたいな、と思う。
好きにしたら良い。
これって自由だ。でも自由だからこそ、全て責任は僕になる。選ぶのも全部、僕だ。
今の僕はその責任が、苦しい。
「フィエル」
僕に声をかけたのはリフェリスだった。
「フィエル、行こう」
差し伸ばされた腕を掴んでから、僕は尋ねた。
「リフェリス、どこへ行くの?」
「フィエルはまだ疲れている、俺にはそうとしか見えない」
ふわりと僕を抱き上げ、大きな木の幹に近づく。リフェリスが手を翳すと、そこは幹のはずなのに、扉が一つできて開いた。
「リフェ……」
微笑んだまま、その扉を潜る。後ろで扉はしまり、ただの幹に戻った。ここは木の中。降って行けば僕がずっと寝ていた場所につく。
「アシェは出しておいてくれない?俺たちは精霊だ。100年でも200年でも大したことはないから」
リフェリスはどんどん下へ降ってゆく。ああ、僕が寝ていた豆のベッドだ。その上にリフェリスは僕を下ろす。
「もう少し寝たほうが良い。あいつらには俺が話しておくから」
「……うん……」
僕は大きな豆の鞘の中で丸まった。
「おやすみ、フィエル。その心の怪我がもう少し癒えるまで」
とろりとした眠気がやってくる。リフェリスとアシェが笑っている顔が見えるけれど、二人ともどこか辛そうでなんだか申し訳ない気持ちになってしまう。
「この世界はまだフィエルには早すぎたんだ。時の癒しを待とう」
「そうだね、私もそう思う。おやすみ、フィエル。私達の大事な人、大好きだよ」
瞼が落ちるのと同じくらいに、豆の蓋を閉じる気配がする。僕はそれっきり眠ってしまった。
「あいつら多分怒って暴れるけど、どうする?」
「知らないよ、地上の事なんて。人の子はすぐ死んでしまうのに、もたもたしているあいつらが悪いんだ。テイム解除されなかっただけありがたいと思って欲しいな。それに俺はフィエルが起きるまでもう地上には出ないから顔もみたくないね!地上と出入りできる穴も塞いじゃうよ」
「そうだね。私もそうしよっと」
精霊たちはざわざわと揺れ、地上との関りを断ってしまった。精霊には珍しくないことだし、長い間待つことも苦にはならない。大きな豆の鞘を撫でながら
「元気になるんだよ」
願いはたった一つ。
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こんにちわ!
すごいですよね!「人権無視」ぜひ広めましょう……!(問題発言)
タグってつけるの悩んじゃいますが、つけた方がいいですしね!
(*ノωノ)早く次作くださいっ!あっでもアップリケ頑張ってください!でもでも人権無視作品ドキドキします!