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16 何故、家の前に?
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「……あれ?」
「あーーー!おーじさまだあ!」
カイリとキーチェはあの後少しして王都から旅立った。途中やけに親切な旅人にあったり、魔石を高値で買い取ってくれる人に出会ったりと、ものすごく順調な旅を続けてあの小さな町へ帰ってきた。
「お帰り。カイリ、キーチェ」
「ただいま戻りました」
すれ違う町の人達が妙にニコニコしているのが不思議だったが、懐かしい我が家が見えて来たところで気が付いた。家の前に誰か立っている事に。カイリより遠目が利くキーチェはすぐに気が付いて走り寄った。
「キ、キーチェ!」
「おーじさま、どうして僕の家の前にいるのー?」
カイリが止める前にキーチェは走り出し、その男の元へついてしまった。2.3、話をしていたが、キーチェが何やら紙切れを手に戻ってきた。
「ママ、おーじさまがママにこれ見せてって」
恐る恐る受け取り見てみるとそこには「話しかけても良いだろうか」と書いてある。
何を言われるのかと恐怖する。そして色々な事が頭をぐるぐる回り始めた。彼は何のためにここに現れたのか、やはり気が付かれた?キーチェはどう見ても虎の血を引いている。どうしよう、キーチェを連れていかれたら……。キーチェがいない生活なんて考えられない。何かあればキーチェだけでも逃がさなくちゃ……!
ぐっと下唇を噛みしめ、カイリは腹に力を入れる。
「何か、御用ですか?」
とにかく冷静に。何も相手にバレていない事を祈りながら。
「あ、あの……まず、君の嫌がる事は……しない。とりあえずそれを信じて欲しい……とても信じられないかもしれないが」
「っ!? 」
全てバレている。頭が真っ白になった。それでもカイリは家に男を招き入れた。外でする話ではないからだ。せめて町の人達に迷惑はかけたくない、その一心だけだった。
「おーじさま、どうして家に来たの-?」
「キーチェ!こっちに来て!!」
走り寄ろうとするキーチェを鋭い声で止める。いつもと違う様子に、キーチェはびっくりして耳の毛を逆立てたが、素直にカイリの傍に走って足にしがみついた。
「マ、ママ……?」
「あ、あの……何か御用ですか……っ」
青褪めるカイリの顔と王子様の顔を交互に見て、キーチェは不安でいっぱいになる。一体ママは何に怖がっているの?と。
「君の名前はカイリ、というのだろう?名前だけは知っていたんだ、教えてもらったから。ずっと探していた……生きていてくれてありがとう……まずは感謝を」
ぽつりぽつりと話す男とカイリの間の緊迫感はまだ薄れない。あまり太くないカイリの太ももにキーチェはぎゅっと抱き着く。
「……その子の名前はキーチェ……父親は俺で間違いないだろうか」
事実を一つ一つ確認するように口にする。どう答えるべきかカイリは上手く返事をすることが出来ず、沈黙していた。
「今の体調はどうだろうか……何か痛い所や苦しい所は、ないだろうか……」
「それは、ありません。今は何の問題もない、です」
「そうか……」
しん、と静寂が降りてしまう。
「あーーー!おーじさまだあ!」
カイリとキーチェはあの後少しして王都から旅立った。途中やけに親切な旅人にあったり、魔石を高値で買い取ってくれる人に出会ったりと、ものすごく順調な旅を続けてあの小さな町へ帰ってきた。
「お帰り。カイリ、キーチェ」
「ただいま戻りました」
すれ違う町の人達が妙にニコニコしているのが不思議だったが、懐かしい我が家が見えて来たところで気が付いた。家の前に誰か立っている事に。カイリより遠目が利くキーチェはすぐに気が付いて走り寄った。
「キ、キーチェ!」
「おーじさま、どうして僕の家の前にいるのー?」
カイリが止める前にキーチェは走り出し、その男の元へついてしまった。2.3、話をしていたが、キーチェが何やら紙切れを手に戻ってきた。
「ママ、おーじさまがママにこれ見せてって」
恐る恐る受け取り見てみるとそこには「話しかけても良いだろうか」と書いてある。
何を言われるのかと恐怖する。そして色々な事が頭をぐるぐる回り始めた。彼は何のためにここに現れたのか、やはり気が付かれた?キーチェはどう見ても虎の血を引いている。どうしよう、キーチェを連れていかれたら……。キーチェがいない生活なんて考えられない。何かあればキーチェだけでも逃がさなくちゃ……!
ぐっと下唇を噛みしめ、カイリは腹に力を入れる。
「何か、御用ですか?」
とにかく冷静に。何も相手にバレていない事を祈りながら。
「あ、あの……まず、君の嫌がる事は……しない。とりあえずそれを信じて欲しい……とても信じられないかもしれないが」
「っ!? 」
全てバレている。頭が真っ白になった。それでもカイリは家に男を招き入れた。外でする話ではないからだ。せめて町の人達に迷惑はかけたくない、その一心だけだった。
「おーじさま、どうして家に来たの-?」
「キーチェ!こっちに来て!!」
走り寄ろうとするキーチェを鋭い声で止める。いつもと違う様子に、キーチェはびっくりして耳の毛を逆立てたが、素直にカイリの傍に走って足にしがみついた。
「マ、ママ……?」
「あ、あの……何か御用ですか……っ」
青褪めるカイリの顔と王子様の顔を交互に見て、キーチェは不安でいっぱいになる。一体ママは何に怖がっているの?と。
「君の名前はカイリ、というのだろう?名前だけは知っていたんだ、教えてもらったから。ずっと探していた……生きていてくれてありがとう……まずは感謝を」
ぽつりぽつりと話す男とカイリの間の緊迫感はまだ薄れない。あまり太くないカイリの太ももにキーチェはぎゅっと抱き着く。
「……その子の名前はキーチェ……父親は俺で間違いないだろうか」
事実を一つ一つ確認するように口にする。どう答えるべきかカイリは上手く返事をすることが出来ず、沈黙していた。
「今の体調はどうだろうか……何か痛い所や苦しい所は、ないだろうか……」
「それは、ありません。今は何の問題もない、です」
「そうか……」
しん、と静寂が降りてしまう。
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