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その他の話
3 帰るか3
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「ああ、王太子は辞めて来た。今日からカイリの良き夫でありキーチェ達の素敵な父さんになったから町に住む」
「リオウ、王太子ってそんな簡単に辞められるものなのか?」
「俺が辞めると言ったら辞めるんだ」
巨大な駄々っ子なリオウをどう説得しようかと思案していたら、今度はちゃんと扉から来客はやって来た。
「リオウ様!何ですか、この書類はっ!!王太子はロゼル様へなんてそんな簡単にできるはずがないでしょう!」
あまり会ったことはないがこの国の宰相さんが真っ青な顔で書類を握り締めている。ほーらみろ、駄目じゃないか。
「馬鹿言うな、ちゃんと親父のハンコはあるし、揃ってるだろ?」
「王はこのような書類は知らぬとおっしゃっています!どうせ、勝手に忍び込んで押したんでしょう!?」
バレたか、と顔に書いてある。リオウ……何してるの……?国王様の印を勝手に使っちゃ駄目だろう?
「まあどちらにしろ、ここはキーチェや子供達に良い環境じゃない。俺は父さんだから、子供達を守る義務と権利がある。子供達の笑顔と王太子の座を比べたらどっちが大切かすぐにわかるだろう」
……どうしよう、ちょっとかっこいいな。不覚にもときめいてしまったけれど、こっちにも飛び火してきたぞ。
これと決めたら動かないリオウより、俺の方が懐柔し易いと考えるのは当たり前か。でも俺だって子供達のためにここは譲らん!
「カイリ様っお願いです止めてください!カイリ様とて研究所の事もありますし、御身の警護の事もあります!王宮にいてもらわねばなりません」
「研究所は俺がいなくてもやっていけるだろう?辞表も書いてあるし後は出すだけだ。俺の身なんて誰も狙わないよ。あとリオウは置いてくから大丈夫」
「俺は毎日狙ってるがな。置いてくな、全然大丈夫じゃないから。俺が死ぬ」
やめろ、リオウ今冗談を言う空気じゃないだろ!宰相さんが思いっきりため息をついたぞ、ほらみろ、お前呆れられてる。
「あんたら、ほんといい夫夫だよ。ともかくキーチェ様達の生活環境を整えればいいのですね!そちらの方が楽だ!家出は暫く待ってくださいッ!」
「い、いや……家出とかそういう可愛い感じじゃなくて……」
「黙って!!2日で良いのでそのままステイ!」
「はひぃ……」
宰相さんが本気で怒ったの初めて見た……ちょっと怖いぞ。そして俺がステイを喰らってしまった。
仕方がないので鞄を下に置き、子供達の話を聞いたり、リオウを説教したりした。
「まあ少し前まで俺は良い王太子じゃなかった。何度もロデルに王太子を譲るって言ったけど、親父は認めなかった」
「えっと、ハイラムさんには譲らないの?向こうが第二王子なんでしょう?」
順番から言えばロデルよりハイラムだろう。どうしてハイラムを飛ばすんだ?そこに何か原因があるのか?と俺は首を傾げて聞いてみる。
「まず、ハイラムは側妃の子だから後ろ盾が割れる可能性がある。後は本人の力量がイマイチなんだよなぁ」
「そ、そうなの?」
「ジュライ妃は獅子の家系なんだ。近い種故に混じるんだよ、ハイラムとヒルデは虎と言うよりライガーで、混種の良くない点が出ちまってる。王には推せない」
「そう、なのか」
リオウは残念そうに頷いた。意外と的確な分析をしている所に俺はちょっとびっくりする。こいつ、脳みそ入ってたんだ……俺と子供達のこと以外も考える容量あったんだな。
「性格に波があって機嫌の良い時と悪い時の差が激しいし、ヒルデは誰に対しても攻撃的だ。ハイラムの息子達はキーチェも会っただろう?」
「会ったよー!あいつらおかしいんだ。しかも絶対3人で来るし。一人の時は俺から逃げるんだもん」
ぷうっと頬を膨らませるキーチェ。ふむ、子供同士の小さなケンカと見守っても居られなくなって来た。
「俺、最初から平民育ちだって教えてるのに、どうして毎回会う度に平民って言ってくるんだ?何回教えても覚えられないみたいなんだよね」
「それは……」
平民出だからと馬鹿にしたいんだろうな。多分、それくらいしかキーチェに勝てる所が無いから……。
「いい加減返事するのも飽きて来たし。だから町へ帰ろうよ」
キーチェの中で「平民」は馬鹿にされる存在じゃない。王族だろうが、平民だろうが一人の人間であり、尊い存在なんだ。だからいくらハイラムの息子達がキーチェを平民だと罵っても、キーチェには意味がない。
「2日待ってくれって言われたからなぁ。それくらい我慢できるか?」
キーチェはうーん、と考え込んで
「あのさいしょーさんから俺、クッキー貰ったことあるんだ……しかも2回。うん、そのオンギは返さないと!」
「そうか」
恩義とは一体何処で覚えて来たのか……。しかしだ。
「おやつは貰ったら言えって言ってるよな?」
「あっ!しまった!」
勝手に貰って食べるのは良くないぞ、キーチェ。
「リオウ、王太子ってそんな簡単に辞められるものなのか?」
「俺が辞めると言ったら辞めるんだ」
巨大な駄々っ子なリオウをどう説得しようかと思案していたら、今度はちゃんと扉から来客はやって来た。
「リオウ様!何ですか、この書類はっ!!王太子はロゼル様へなんてそんな簡単にできるはずがないでしょう!」
あまり会ったことはないがこの国の宰相さんが真っ青な顔で書類を握り締めている。ほーらみろ、駄目じゃないか。
「馬鹿言うな、ちゃんと親父のハンコはあるし、揃ってるだろ?」
「王はこのような書類は知らぬとおっしゃっています!どうせ、勝手に忍び込んで押したんでしょう!?」
バレたか、と顔に書いてある。リオウ……何してるの……?国王様の印を勝手に使っちゃ駄目だろう?
「まあどちらにしろ、ここはキーチェや子供達に良い環境じゃない。俺は父さんだから、子供達を守る義務と権利がある。子供達の笑顔と王太子の座を比べたらどっちが大切かすぐにわかるだろう」
……どうしよう、ちょっとかっこいいな。不覚にもときめいてしまったけれど、こっちにも飛び火してきたぞ。
これと決めたら動かないリオウより、俺の方が懐柔し易いと考えるのは当たり前か。でも俺だって子供達のためにここは譲らん!
「カイリ様っお願いです止めてください!カイリ様とて研究所の事もありますし、御身の警護の事もあります!王宮にいてもらわねばなりません」
「研究所は俺がいなくてもやっていけるだろう?辞表も書いてあるし後は出すだけだ。俺の身なんて誰も狙わないよ。あとリオウは置いてくから大丈夫」
「俺は毎日狙ってるがな。置いてくな、全然大丈夫じゃないから。俺が死ぬ」
やめろ、リオウ今冗談を言う空気じゃないだろ!宰相さんが思いっきりため息をついたぞ、ほらみろ、お前呆れられてる。
「あんたら、ほんといい夫夫だよ。ともかくキーチェ様達の生活環境を整えればいいのですね!そちらの方が楽だ!家出は暫く待ってくださいッ!」
「い、いや……家出とかそういう可愛い感じじゃなくて……」
「黙って!!2日で良いのでそのままステイ!」
「はひぃ……」
宰相さんが本気で怒ったの初めて見た……ちょっと怖いぞ。そして俺がステイを喰らってしまった。
仕方がないので鞄を下に置き、子供達の話を聞いたり、リオウを説教したりした。
「まあ少し前まで俺は良い王太子じゃなかった。何度もロデルに王太子を譲るって言ったけど、親父は認めなかった」
「えっと、ハイラムさんには譲らないの?向こうが第二王子なんでしょう?」
順番から言えばロデルよりハイラムだろう。どうしてハイラムを飛ばすんだ?そこに何か原因があるのか?と俺は首を傾げて聞いてみる。
「まず、ハイラムは側妃の子だから後ろ盾が割れる可能性がある。後は本人の力量がイマイチなんだよなぁ」
「そ、そうなの?」
「ジュライ妃は獅子の家系なんだ。近い種故に混じるんだよ、ハイラムとヒルデは虎と言うよりライガーで、混種の良くない点が出ちまってる。王には推せない」
「そう、なのか」
リオウは残念そうに頷いた。意外と的確な分析をしている所に俺はちょっとびっくりする。こいつ、脳みそ入ってたんだ……俺と子供達のこと以外も考える容量あったんだな。
「性格に波があって機嫌の良い時と悪い時の差が激しいし、ヒルデは誰に対しても攻撃的だ。ハイラムの息子達はキーチェも会っただろう?」
「会ったよー!あいつらおかしいんだ。しかも絶対3人で来るし。一人の時は俺から逃げるんだもん」
ぷうっと頬を膨らませるキーチェ。ふむ、子供同士の小さなケンカと見守っても居られなくなって来た。
「俺、最初から平民育ちだって教えてるのに、どうして毎回会う度に平民って言ってくるんだ?何回教えても覚えられないみたいなんだよね」
「それは……」
平民出だからと馬鹿にしたいんだろうな。多分、それくらいしかキーチェに勝てる所が無いから……。
「いい加減返事するのも飽きて来たし。だから町へ帰ろうよ」
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「2日待ってくれって言われたからなぁ。それくらい我慢できるか?」
キーチェはうーん、と考え込んで
「あのさいしょーさんから俺、クッキー貰ったことあるんだ……しかも2回。うん、そのオンギは返さないと!」
「そうか」
恩義とは一体何処で覚えて来たのか……。しかしだ。
「おやつは貰ったら言えって言ってるよな?」
「あっ!しまった!」
勝手に貰って食べるのは良くないぞ、キーチェ。
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