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1 社畜の私、カビの生えた油揚げに絡まれる
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今日は金曜の夜。ハッピーフライデーとか伝説の生物みたいな物が存在した時代もあったそうだが、私はお目にかかった事がない。
疲れて疲れて帰り道を歩いていた私は、深夜に闇に紛れて出されたゴミ袋に蹴つまずいて派手に転んでしまった。やっと休みの土日……の前にトドメとばかりに最悪の大安売り。
ああ、生ゴミだ、最悪。鞄もゴミまみれだ。
「さいあく……」
疲れた体を引きずっていつもより数十倍は重いと感じる鞄を持ち上げ、何とか家についた。
「ああ。……疲れた」
明日は休みだ。この汚いゴミだらけの体を洗いたかったけれどもう限界。何もせず、ベッドに倒れ込み気を失った。
「臭い……」
次の日の昼頃、意識を取り戻すようにして起き上がった私は、自分の惨状を見て悲しくなった。
頭の上にりんごの剥いた皮が乗っている。
「そうだった……昨日…ゴミ被っちゃったんだっけ……シャワー浴びよ……」
昨日は最悪だ。仕事もあり得ない量を抱え込まされ、人員の補充はなし。それでも何とか皆と頑張って頑張って部署を回していたら
「回るんなら、人要らないよね」
だって。もう無理、もう無理よ。あの時、全員の顔に死相が出たわ。きっと週明けは2.3人辞めてる。私も辞めたい。でも、やめて暮らしていける蓄えはない。
今の会社じゃお金は貯まらない。もう負の無限ループじゃない。
深いため息をつきながらシャワーから出る。頭を拭きながらふと視線を下に降ろすと愛用の鞄がある。なめし革のお気に入り。私が奮発して買った、たった一つの高い物。これの支払いもまだ終わってないのよね……。でも、このご褒美の為、もう少し頑張ってみようかなって思えるからとても大事だ。
「ん?え、えええーー?!」
そのお気に入りのキャラメル色に艶めいてきた皮の、目立つところに!べったりと四角い濃い何かが!何かが張り付いている!
「え……な、何これ……あ、油揚げ……?」
しかも、黒い点々がある。……うげ、カビだ。え?待って?待って?!油分を吸いやすい皮のバッグにそんなもんつけられたら!
私は飛びついて油揚げを引っ剥がした。
「あーーーーー!!」
私の大事な大事な鞄に長方形の油染みができてしまった。
「わ、私の……私の……鞄が……」
目の前が真っ暗になって倒れかける。
「ま、誠に申し訳ありません……動こうにも動けず、一晩そこに張り付いてしまいました……」
部屋の隅から知らない人の声が聞こえる。
「ヒッ!」
私の部屋には私しかいないのに、すまなそうな男性の声がするのだ!どどどど泥棒!?
「申し訳ない……出て行こうにも、もう動く力もなく……あともう少しで消滅すると思うのですが……」
動く力もない?私はそっと部屋の隅を覗き込むと、油揚げが落ちていた。
「げ」
油揚げだ。しかも小さいやつじゃなくて大きいやつ。
「すいません……」
「あ、油揚げが喋ったーーーー!」
私はその油焼けをして、美味しくなさそうな大判油揚げを割り箸でつまみ上げる。じゅうたんに、油染みは出来ていなかった、良かった。な、なに??この喋る油揚げは!?
疲れて疲れて帰り道を歩いていた私は、深夜に闇に紛れて出されたゴミ袋に蹴つまずいて派手に転んでしまった。やっと休みの土日……の前にトドメとばかりに最悪の大安売り。
ああ、生ゴミだ、最悪。鞄もゴミまみれだ。
「さいあく……」
疲れた体を引きずっていつもより数十倍は重いと感じる鞄を持ち上げ、何とか家についた。
「ああ。……疲れた」
明日は休みだ。この汚いゴミだらけの体を洗いたかったけれどもう限界。何もせず、ベッドに倒れ込み気を失った。
「臭い……」
次の日の昼頃、意識を取り戻すようにして起き上がった私は、自分の惨状を見て悲しくなった。
頭の上にりんごの剥いた皮が乗っている。
「そうだった……昨日…ゴミ被っちゃったんだっけ……シャワー浴びよ……」
昨日は最悪だ。仕事もあり得ない量を抱え込まされ、人員の補充はなし。それでも何とか皆と頑張って頑張って部署を回していたら
「回るんなら、人要らないよね」
だって。もう無理、もう無理よ。あの時、全員の顔に死相が出たわ。きっと週明けは2.3人辞めてる。私も辞めたい。でも、やめて暮らしていける蓄えはない。
今の会社じゃお金は貯まらない。もう負の無限ループじゃない。
深いため息をつきながらシャワーから出る。頭を拭きながらふと視線を下に降ろすと愛用の鞄がある。なめし革のお気に入り。私が奮発して買った、たった一つの高い物。これの支払いもまだ終わってないのよね……。でも、このご褒美の為、もう少し頑張ってみようかなって思えるからとても大事だ。
「ん?え、えええーー?!」
そのお気に入りのキャラメル色に艶めいてきた皮の、目立つところに!べったりと四角い濃い何かが!何かが張り付いている!
「え……な、何これ……あ、油揚げ……?」
しかも、黒い点々がある。……うげ、カビだ。え?待って?待って?!油分を吸いやすい皮のバッグにそんなもんつけられたら!
私は飛びついて油揚げを引っ剥がした。
「あーーーーー!!」
私の大事な大事な鞄に長方形の油染みができてしまった。
「わ、私の……私の……鞄が……」
目の前が真っ暗になって倒れかける。
「ま、誠に申し訳ありません……動こうにも動けず、一晩そこに張り付いてしまいました……」
部屋の隅から知らない人の声が聞こえる。
「ヒッ!」
私の部屋には私しかいないのに、すまなそうな男性の声がするのだ!どどどど泥棒!?
「申し訳ない……出て行こうにも、もう動く力もなく……あともう少しで消滅すると思うのですが……」
動く力もない?私はそっと部屋の隅を覗き込むと、油揚げが落ちていた。
「げ」
油揚げだ。しかも小さいやつじゃなくて大きいやつ。
「すいません……」
「あ、油揚げが喋ったーーーー!」
私はその油焼けをして、美味しくなさそうな大判油揚げを割り箸でつまみ上げる。じゅうたんに、油染みは出来ていなかった、良かった。な、なに??この喋る油揚げは!?
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