【完結】油揚げの動画配信サービス始めます。妖怪はwebの海を行く。

鏑木 うりこ

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31 シラスたんきゃわわ

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「どうぞ」

 私は鞄を漁って中でにんまり笑っていたシラスを掴み上げ、ダークマカロンさんの手のひらの上に乗せた。

「ぎゃあああああああああああああああ、生シラスーううううう!ぎゃわ、ぎゃわいいいいいいいい!」

「かなさん!?」

 まなやんさんと、多分鞄の中で油揚げとぽんたがびっくりして飛び跳ねたと思う。でも私はこのダークマカロンさんと会った時からシラスを渡そうと思っていたんだ。

「かなさん!?良いんですか!シラスさんの恥ずかしい写真がアップされますよ!」

「そ、そんな恥ずかしい写真はアップしませんよ!そう言うのは個人的に楽しみます!!」

「かなさああああん!!」

 ぶっ飛んだ人だぁ……。

「絶対にシラスの事可愛がってくださいね」

「勿論ですッ!!!あああ、さあ、シラスたん。お家に帰ってお着替えしようねええ、へっへっへ」

 ダークマカロンさんは伝票を華麗に持って、会計を済ませ喫茶店から出て行ってしまいました。早いなあ。

「か、かなさん!」

「大丈夫ですよ、まなやんさん」

 とても心配そうにまなやんさんは聞いてくるんですが、きっと大丈夫。

「まなやんさんと同じ感じがするんです」

 そう、まなやんさんの頭の上にぽんたが飛んで行った時と同じく、あるべきものがあるべきところに、会うべき人にあった、そんな感じが。

「待ってください、かなさん。かなさんはどんな目で僕を見てるんですか?僕はぽんたに変な服を着せて遊ぶ趣味はないですよ?」

「……ごめんなさい、言い方を間違えました……」

 確かにあのダークマカロンさんと一緒にされたのでは、まなやんさんが怒ってしまいますよね!すいません……。



「かなさん!かなさん!!どうしてあの人にシラスさんを渡しちゃったんですか!?シラスさん、エッチな事されちゃうんですか!?」

 家に帰ると、油揚げが泣きべそをかきながら突撃してきた。お前もか。

「多分大丈夫だよ。きっとあのダークマカロンさんはシラスと相性がいいんだ。私はそう思った、絶対にシラスを大事にしてくれるって」

「でも、でもおおおお!」

「大丈夫、きっと大丈夫だよ、油揚げ」

「ひいいん……シラスさんが心配です……」

 その日は油揚げが転がって起きる気も無くなったとかで動画の撮影はなしにした。

「あ、ダークマカロンさんだ」

 メッセージがなって、マカロンさんのサイトのアドレスが乗ってきている。見てみると

〈シラス姫です。可愛いでしょう?〉
 
 というタイトルでシラスがドレスを着ている。羊毛フェルトなのに。あんな小さいのに良くドレスなんて作ったなあ!

「姫になってる……ふふふ」

 それでも写真のシラスはまんざらでもないような顔をしているのがとても不思議だった。ダークマカロンさんはどうやら知る人ぞ知る有名な人形の服作家さんらしくて

「マカさんが羊毛フェルトに服は珍しいですね」「でも可愛いです」「シラス姫超ラブ」「これアイチューバーの?」

 なんてたくさんのコメントが寄せられていた。大体が可愛いとか素敵とかシラスを攻撃するようなものはなくて、とても安心した。多分、私の勘は間違っていないはず。


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