【完結】廃品を直して売る俺は娼婦の息子の奴隷商。聖女でも王子でもないからほっといてくれ!

鏑木 うりこ

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14 変な物を拾ってしまった

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「まあ!ユバル国の第二王子フラン様じゃないの!だめよ、リーヤ。勝手に拾って来ちゃ。早くユバルに返して来なさいって、あ、ユバル滅亡したんだったわ。どこに返せば良いかしら?」

「母さん……」

 何でか知らんが母さんはこの人の名前を知っていたし、拾ってきた犬みたいな扱いだ。
 俺が柔らかい布でこの人の傷んだ銀髪をゴシゴシ吹いていた時現れた母さんの第一声がそれだった。

 一気に言い当てられて、買ってきた3人は顔を青くしたし、俺とローザ姉さんは

「本当に王子様だった……」

 と、度肝を抜かれる。母さん一体どこでそんなことを知ったんだ??

「母さんが男も取り扱いたいのかと思って」

「あら?要らないわよ。あ、でも姫がいるなら王子が居ても良いのかしら!良いわよ、いても!」

「母さん……」

 割と適当なんだよな、母さんは。

「でな?治し過ぎると色々面倒……」

「駄目よぉ~痛そうじゃない、治して上げなさい!追っ手がかかったら逃げれば良いのよぉ~~!息子と愛の逃避行なんて素敵~~!」

「さ、流石フローラ母さん……度胸が最高だよ!!」

 ローザ姉さんは母さんの信者みたいなものだから、母さんを絶対に否定しない。メグ姉さんもそうだし。

「やだー!リーヤ!そっちに転がってるのって王子の側近の騎士団長の息子と魔導士じゃない!……もしかしてリーヤの旦那様かしら?!」

「ちげーし!俺は結婚するなら女とするって!」

 あと、奴隷商のゴミの山から無料で貰ってきた旦那様とかいらねーわ。

「つまんない……」

「母さんっ!!」

 うちの母親は一体なんなんだ!!


「あ、喋れる……」

「まあまあ!可愛い声ね。ふふ、初めまして。わたくしこの娼館、翡翠館の女将、フローラでございます。こちらが不肖の息子リーヤとよく出来た娘のローザですわ。お見知り置きを」

 昔とった杵柄なのか、母さんはスカートの裾をつん、と持ち上げて優雅に礼をして見せる。こんな貧民街の汚い奴隷商の部屋なのに空気が少し変わって、高貴な香りがするようだ。気のせいだけど。

「申し遅れました。私は元ユバル国、第二王子だったフランと言うものです。これから、貴女の元で働かせてもらう事になります。よろしくご鞭撻お願い致します」

 バランスの取れない体でぺこりと頭を下げるフラン元王子も所作が美しい。そして心がとても強い人だった。

「まあまあ!素敵!リーヤ!旦那様にするならフランの方が良いわ!そうしなさい」

「しねーから!!」

「そしたらフランも私の息子なのにぃ」

「そう言うことか!しねーし!」

「ま、まあフローラ母さん。ここで働く奴らはみんな母さんの子供みたいなもんだよ!大丈夫!」

 ローザ姉さんが訳の分からない慰めをしてくれる。ほんとわけわからん。

「あ!そうね!今日から母さんって呼んでね!フラン」

「あ、はい。フローラ母さん」

 ……俺がおかしいのか?でも見れば王子の側近だという2人もぽっかり口を開けているから、やっぱり母さんとフランが変なんだろう。

 俺は相当変なモノを持って帰ってしまったようだ。

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