【完結】廃品を直して売る俺は娼婦の息子の奴隷商。聖女でも王子でもないからほっといてくれ!

鏑木 うりこ

文字の大きさ
51 / 113

51 やらかしやがった!

しおりを挟む
「うぇーい!やってられっかぁ~ばっきゃろー!誰が姫だぁーフランの馬鹿たれぇーやり逃げ男ぉ~~」

「おいおい、どう言う事だ?」

「それがさぁ~~フランっつーちょっーーと良い奴がいたんだけどぉ~~」

 俺、酔っ払ってる!しかもものすんげーー!楽しいけど、フラフラふわふわしてるぅ!うん!酒は良い!楽しい!何でも楽しい!

「俺、振られたの!知ってる?傷心!」

「そうかそうか可哀想にな。慰めてやろうか?」

「うんーーー!」

 俺はレントに抱きついた、お前良い奴だなぁ!酔っ払いすぎた俺を寝る部屋まで運んでくれるんだって!気が利いてる~!

「でもな?リーヤ。それにはつがい契約だ」

「つがいけいやくぅ?なんだそれ」

 おうおう、獣人特有のナンカかぁ?

「獣人は浮気しない。コレと決めた相手とは添い遂げる。獣人同士なら良いけど、片方が人間だと何かと問題になりやすい」

「はぁー人間は浮気するってかぁ?俺はそんな事しねーよぉ!でも、悪くねぇなぁ」

 ずーっと一緒かー。なんつーか良いな。もう苦しい思いをしなくて良いもんな。

「だろう?だからコレを飲んで」

「んー?」

 部屋についてベッドの上に下ろされると良い匂いのする酒を渡される。ちっちゃいコップ一杯分だ。

「飲んだーうめー!」

 とろりと柔らかく何年も寝かせた高い酒の味がした。

「そうか……じゃあ、

「良いぞぉーー!」

 俺はなぁんにも考えて居なかった。

「確かに」「確かに」「確かに」

 あれぇ?この部屋にまだ人がいたのか?レント、こらぁどうなってんだぁ?

「アジェントの酒は美味いか?」

 おおう?さっきの奴ぁ?

「おーうめーな!」

「そうか。

「ひゃん」

 俺はレントとはヤらない、とあれだけ拒否してたこともすっかり忘れて、大人しく足を開いた。


「えぅ……うっ!」

「リーヤ!リーヤ!」

 あ、やべ。俺、レントと寝てる。酔った勢いでやっちまった!しかも

「す、すごっん!な、なんでぇ……んんっ?やぁっ」

 なんか変だ。凄く、凄く気持ちが良い。奥が熱くってぐちゃぐちゃしてて、そこを突かれるだけでイきそうになる。

「れ、レントぉ!レントぉ!な、なに、なにこれぇ!」

「リーヤ、起きたか?とりあえず、イっとけ」

「ふあっ……何言って……やぁん!やぁあっ!!い、イーーーーーっーー!」

 奥を突かれ、あっという間に弾けた。目の前が真っ白に飛んで、全身が強ばる。力一杯背中に爪を立て、締め上げて息が詰まった。

「いい……いい……っ、すご、きもち、いいよぉ……」

 ナカにびゅくびゅくと出される精液が物凄く熱くて気持ちいい。中出しってこんなに良かったっけ?ああ、レントと、つがいと子作りするのってなんて気持ちいいんだろう!

「どうしよ……さいこう……」

「俺も気持ちいい……つがいとヤるのは全然違うな。だからこそのつがい契約だけど」

「そおなんだ、ねえ、もっとして?」

 俺の熱に浮かされた頭は、大事な事を聞きそびれている。でも、気持ち良くて。強い蒼い目で俺を見ているレントが愛しくて堪らない。

「勿論。孕むまで抜いてやらないよ」

「孕む……?俺、赤ちゃん出来るの?」

「ああ、お前は俺の子を、獅子の子を産むんだ」

 なんだか、とんでもない事を言われた気がするけど、その時の俺は阿呆で、レントの広い背中に腕を回した。

「うん、分かった。俺、レントの子供産むよ」

 それが自然で、それが一番良い事だと思ったんだ。

 レントとの交尾は三日三晩続き、四日目にして、俺はやっと正気に返った。

「ふぁ?!ど、ど、ど、どう言うことかな……?!」

「孕ませちゃ駄目とは言われてないもんで」
 
 けろりと俺をまだ組み敷いたまま、レントは牙を見せて、憎たらしい笑みを見せた。

「そ、そ、んな!確かに言ってないけどっ!!あんっ!」

「ココ良いだろ?あと、こっちも」

「ひゃぁんっ!!」

 俺の弱い所、良い所を調べ尽くされていて、良いように弄ばれる。

「後、どうだ?凄くイイだろ?」

 く、悔しいけど……っ!

「イイ、です……っ!何でぇ、こんなにイイのぉ」

 突っ込まれたらやっぱり違和感とかあるのに、まるで計算されたように、レントのアレはピッタリ嵌る。

「俺も最高に気持ちいいんだけど、これがつがい契約の効果だ。つがいとの相性を最高にしてくれるから、絶対に浮気しなくなる」

「す、すご」

 契約って言うから破ったら罰でもあるのかと思えば、良すぎてつがい以外とやりたくなくなるらしい。なんか凄い契約だな!

「……待て」

「んんー?どうしたぁ?嫁」

「もしかして、俺はレント以外とヤってもここまで気持ち良くならないのか?」

 くん!と奥をいたずら気味に突かれる。あっ!イイ!体が反応してぎゅっとレントのモノを締め付けた。そんな事したらレントが喜ぶだろうが!

「そうだぞ。なにせ俺達はつがいだからな。子供は何人いても良いぞ」

「ま、待て?待て?それは、つまり。俺はお前のつがいで、そんでお前の子供を孕むって事?それは一般的には結婚して嫁にする事ではないのか?」

「おう、そうだな。嫁」

 あれ?なんかおかしくないか?俺、いつレントと結婚したんだ?

「な、なあ……俺、お前と結婚するって言ったっけ?」

「まだ言ってねぇなぁ。大丈夫、すぐ言う気になるよ」

 いや待て?おかしいだろ?

「レント、俺、怒るけど素直に言えよ。お前、色々俺を騙したな?正確には酔っ払ったのを良い事に色々やってくれたな??ん?」

「仕方ねえ、怒られてやるけど、そう言う事だ。だってお前可愛いんだもん、絶対逃したくねーんだもん」

 太い腕でぎゅっと抱きしめてきたってなぁ……。

「なあ、一応確認すっけど、つがい契約って解除は……?」

「どっちが死ぬまで無理だぞ!」

「はぁ……」

 仕方がない。俺もレントの背中に腕を回した。厚い体、太い腕。俺がレントの前に抱かれた男とは全く違う体。
 もやもやとした思いもあるけれど、今はこの腕の中の暖かい体が最高に気持ちいい。

「リーヤ」

 俺の名前を呼んで、機嫌よくパタパタと揺れる尻尾すら可愛いと思うから、重症かもしれん。

 俺、好きって気持ちに気がつくの結構鈍いかもな。俺、多分俺を庇って大虎に噛まれた時から、お前の事好きだったみたいだ。

「最初にぶっかけられたのは血だったな」

「ん?なんだ。あの時、俺に惚れたか?」

 冗談めかして聞いてくるので、そうだと答えてやれば、は?まじか?なんて狼狽えるのもおかしい。

「何とも思わない奴をご丁寧に治してやる程俺はお人好しじゃねーって事かなぁ」
 
 失恋で心にでかい穴が空いた気がしたけど、埋めても溢れるくらいでっかいのが住み着いた。
 ライオンが旦那でも悪くねーな。
しおりを挟む
感想 207

あなたにおすすめの小説

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

超絶美形な悪役として生まれ変わりました

みるきぃ
BL
転生したのは人気アニメの序盤で消える超絶美形の悪役でした。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。

【完結】伴侶がいるので、溺愛ご遠慮いたします

  *  ゆるゆ
BL
3歳のノィユが、カビの生えてないご飯を求めて結ばれることになったのは、北の最果ての領主のおじいちゃん……え、おじいちゃん……!? しあわせの絶頂にいるのを知らない王子たちが、びっくりして憐れんで溺愛してくれそうなのですが、結構です! めちゃくちゃかっこよくて可愛い伴侶がいますので! ノィユとヴィルの動画を作ってみました!(笑)  インスタ @yuruyu0   Youtube @BL小説動画 です!  プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったらお話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! ヴィル×ノィユのお話です。 本編完結しました! 『もふもふ獣人転生』に遊びにゆく舞踏会編、完結しました! 時々おまけのお話を更新するかもです。 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている

迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。 読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)  魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。  ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。  それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。  それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。  勘弁してほしい。  僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。

処理中です...