61 / 113
61 怖かったのか?
しおりを挟む
「どうしてフランをあんなにしたんだ?レント。すぐわかっただろ?フランが戦士じゃないってことくらい」
俺はこの城の中で俺の部屋として与えられている場所へレントと向かっている。レントは王子だが戦士だ。戦いで遅れをとる男じゃない。父さんや脳筋達とやりあう実力の持ち主なのに、なんでだ。
「なあ、リーヤ。フランはどうして俺の前に立ったんだ?」
「え……」
「リーヤの父さん、皇帝は「リーヤと結婚したければ私を倒してからだ!」って言った。だから俺は全力であの皇帝を叩きのめした。強かった……あそこにいた奴ら全員「リーヤを連れて行きたければ俺達を倒せ」って言った。だから戦った。あの連中は俺の腕とか性格なんかを見たくてリーヤを方便に使った奴らも多かったし……ただ、単に殴り合いたかった奴らもいた」
はは、脳筋らしいや。とりあえず勝負して勝った方が強いみたいな、単純明快なやつら。父さんもそのくくりなんだな。
「俺はどう見てもフランはお前の為に俺の前に立ったとは思えなかったんだ。だからムカついた」
「え……どういうことだ?」
「あいつは、フランはリーヤを選びきれなかった自分の後悔の為、お前への思いを断ち切る為……自分の為に俺の前に立って、最初から負けることを選んだようにしか感じられなかったんだよ。最初から勝つ気もなく、やられるためだけに俺の前に立つなんて。俺はそれも許せないし」
まだなんかあるのか、レント。なんだなんだ。
「あいつ、どうしてお前をまっすぐ見ない?」
「……」
俺とフランはあの日、貧民街で別れてから会話らしい会話をしていない。フランから形式だけの挨拶をされただけだ。ただ、それだけだ。
「……多分、俺とフランはそういう運命だったんだよ……」
すれ違う、そういう運命のだったんだ。
「ふうん?それでいいならそれでいいが。なら、俺はもうフランを恐れなくても良さそうだ」
「え?レントってフランが怖かったのか?」
驚いて聞き返すと、少しバツが悪そうな顔で視線を逸らした。なんだなんだ?俺様ラインはどこいった??
「そりゃ……まあ、嫁が気になっていたとかいう奴がいたら、警戒して何が悪い……」
「警戒……」
「しかも会った事もない奴だからな。絶対に負けない自信はあっても、どうなるか分からん事はある」
意外なレントの内心を知って、俺はちょっと面白くなった。
「なんだぁ?俺を無理やり手籠めにした奴の言葉とは思えんな!」
これ、一生レントに言い続けてやるつもりのやつ。なんかあったらこれで言う事を聞いてもらうぜ。
「……自信があたったら無理やりとかしねえし……」
「ん?」
「なんでもねえよ!」
耳があがったり下がったり忙しく動いている。それを見ながらなんだか少し笑ってしまった。
「俺さ、でかい犬を飼いたいって思ったことあったんだ。まあでかい猫で我慢するかって思うんだけどどうよ?」
「ぁあん!?誰がペットだコラァ!泣かすぞ」
へっ!やれるもんならやってみろってんだ。眼鏡か脳筋に頼んでマタタビ持ってきてもらうぞ!情けないにゃんこ姿でもみんなに晒してしまえばいい!……この世界にマタタビ生えてるか知らないけど。
俺はこの城の中で俺の部屋として与えられている場所へレントと向かっている。レントは王子だが戦士だ。戦いで遅れをとる男じゃない。父さんや脳筋達とやりあう実力の持ち主なのに、なんでだ。
「なあ、リーヤ。フランはどうして俺の前に立ったんだ?」
「え……」
「リーヤの父さん、皇帝は「リーヤと結婚したければ私を倒してからだ!」って言った。だから俺は全力であの皇帝を叩きのめした。強かった……あそこにいた奴ら全員「リーヤを連れて行きたければ俺達を倒せ」って言った。だから戦った。あの連中は俺の腕とか性格なんかを見たくてリーヤを方便に使った奴らも多かったし……ただ、単に殴り合いたかった奴らもいた」
はは、脳筋らしいや。とりあえず勝負して勝った方が強いみたいな、単純明快なやつら。父さんもそのくくりなんだな。
「俺はどう見てもフランはお前の為に俺の前に立ったとは思えなかったんだ。だからムカついた」
「え……どういうことだ?」
「あいつは、フランはリーヤを選びきれなかった自分の後悔の為、お前への思いを断ち切る為……自分の為に俺の前に立って、最初から負けることを選んだようにしか感じられなかったんだよ。最初から勝つ気もなく、やられるためだけに俺の前に立つなんて。俺はそれも許せないし」
まだなんかあるのか、レント。なんだなんだ。
「あいつ、どうしてお前をまっすぐ見ない?」
「……」
俺とフランはあの日、貧民街で別れてから会話らしい会話をしていない。フランから形式だけの挨拶をされただけだ。ただ、それだけだ。
「……多分、俺とフランはそういう運命だったんだよ……」
すれ違う、そういう運命のだったんだ。
「ふうん?それでいいならそれでいいが。なら、俺はもうフランを恐れなくても良さそうだ」
「え?レントってフランが怖かったのか?」
驚いて聞き返すと、少しバツが悪そうな顔で視線を逸らした。なんだなんだ?俺様ラインはどこいった??
「そりゃ……まあ、嫁が気になっていたとかいう奴がいたら、警戒して何が悪い……」
「警戒……」
「しかも会った事もない奴だからな。絶対に負けない自信はあっても、どうなるか分からん事はある」
意外なレントの内心を知って、俺はちょっと面白くなった。
「なんだぁ?俺を無理やり手籠めにした奴の言葉とは思えんな!」
これ、一生レントに言い続けてやるつもりのやつ。なんかあったらこれで言う事を聞いてもらうぜ。
「……自信があたったら無理やりとかしねえし……」
「ん?」
「なんでもねえよ!」
耳があがったり下がったり忙しく動いている。それを見ながらなんだか少し笑ってしまった。
「俺さ、でかい犬を飼いたいって思ったことあったんだ。まあでかい猫で我慢するかって思うんだけどどうよ?」
「ぁあん!?誰がペットだコラァ!泣かすぞ」
へっ!やれるもんならやってみろってんだ。眼鏡か脳筋に頼んでマタタビ持ってきてもらうぞ!情けないにゃんこ姿でもみんなに晒してしまえばいい!……この世界にマタタビ生えてるか知らないけど。
109
あなたにおすすめの小説
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
ドジで惨殺されそうな悪役の僕、平穏と領地を守ろうとしたら暴虐だったはずの領主様に迫られている気がする……僕がいらないなら詰め寄らないでくれ!
迷路を跳ぶ狐
BL
いつもドジで、今日もお仕えする領主様に怒鳴られていた僕。自分が、ゲームの世界に悪役として転生していることに気づいた。このままだと、この領地は惨事が起こる。けれど、選択肢を間違えば、領地は助かっても王国が潰れる。そんな未来が怖くて動き出した僕だけど、すでに領地も王城も策略だらけ。その上、冷酷だったはずの領主様は、やけに僕との距離が近くて……僕は平穏が欲しいだけなのに! 僕のこと、いらないんじゃなかったの!? 惨劇が怖いので先に城を守りましょう!
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
公爵家の五男坊はあきらめない
三矢由巳
BL
ローテンエルデ王国のレームブルック公爵の妾腹の五男グスタフは公爵領で領民と交流し、気ままに日々を過ごしていた。
生母と生き別れ、父に放任されて育った彼は誰にも期待なんかしない、将来のことはあきらめていると乳兄弟のエルンストに語っていた。
冬至の祭の夜に暴漢に襲われ二人の運命は急変する。
負傷し意識のないエルンストの枕元でグスタフは叫ぶ。
「俺はおまえなしでは生きていけないんだ」
都では次の王位をめぐる政争が繰り広げられていた。
知らぬ間に巻き込まれていたことを知るグスタフ。
生き延びるため、グスタフはエルンストとともに都へ向かう。
あきらめたら待つのは死のみ。
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました
* ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。
BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑)
本編完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
きーちゃんと皆の動画をつくりました!
もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。
インスタ @yuruyu0 絵もあがります
Youtube @BL小説動画
プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら!
本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
身代わりになって推しの思い出の中で永遠になりたいんです!
冨士原のもち
BL
桜舞う王立学院の入学式、ヤマトはカイユー王子を見てここが前世でやったゲームの世界だと気付く。ヤマトが一番好きなキャラであるカイユー王子は、ゲーム内では非業の死を遂げる。
「そうだ!カイユーを助けて死んだら、忘れられない恩人として永遠になれるんじゃないか?」
前世の死に際のせいで人間不信と恋愛不信を拗らせていたヤマトは、推しの心の中で永遠になるために身代わりになろうと決意した。しかし、カイユー王子はゲームの時の印象と違っていて……
演技チャラ男攻め×美人人間不信受け
※最終的にはハッピーエンドです
※何かしら地雷のある方にはお勧めしません
※ムーンライトノベルズにも投稿しています
すべてを奪われた英雄は、
さいはて旅行社
BL
アスア王国の英雄ザット・ノーレンは仲間たちにすべてを奪われた。
隣国の神聖国グルシアの魔物大量発生でダンジョンに潜りラスボスの魔物も討伐できたが、そこで仲間に裏切られ黒い短剣で刺されてしまう。
それでも生き延びてダンジョンから生還したザット・ノーレンは神聖国グルシアで、王子と呼ばれる少年とその世話役のヴィンセントに出会う。
すべてを奪われた英雄が、自分や仲間だった者、これから出会う人々に向き合っていく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる