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92 ゆるりでも時は流れる
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「負けるか!ぜぇぜぇ」
「そっちこそ!はぁはぁ!」
術後の回復も張り合っていて、経過も良好だった。
フランはそのままクォンツに居着いてしまい
「おい、暇人!サボってんじゃねーよ!」
「私はもう働かないんですー」
とかなんとか言いながら、レントと一緒にクォンツの手伝いをしてくれている。
「有望な奴らはクォンツで修行して、帝国に帰り、またクォンツに行ってしまう~~!」
と、帝国行政陣が嘆いているが、そろそろ帝国も波風が吹き荒れそうになって来ている。
「あーーー!フラン様に振られたぁーー!ちくしょうめでございますわーーーぁーー!!」
「ひぃー!」
あの小さかったリュンがルンを蹴落として皇帝に上り詰めたようだ。
「リュンじゃいつまで経ってもリーヤちゃんの色気には勝てなかったぁーー!悔しぃーーー!」
「やめろ!痛い!痛いーー!」
「どーせ、ルンもメグ姉ちゃんもこの後クォンツに行くんでしょーー!引退したらクォンツへ!ってなんかの標語かぁーー!」
大暴れして騎士団をボコボコにしたとか情報が入って来ている。うん、帝国はますます繁栄しそうだ。
「ルーフェルトとルティーナを置いて行くから!」
「生贄か!?」
「私達だってクォンツに行ってリーヤおじさんで遊びたい!」
ルンには全然似ていない、メグ姉さんのいい所ばっかり受け継いだ2人の兄妹は帝国に残されるらしい。
メグ姉さんのいい所?を色濃く受け継いで困ったもんだ。なんだよ、俺で遊ぶって!
この辺りは戦争もなく、平和になっていったが、試練の洞窟からはどんどん恐竜は湧き続ける。腕利き達はクォンツに集まるし、近隣諸国の玄関口として帝国も栄えて行った。
レントとフランが張り合ってクォンツの政治を回しているみたいに、ウチのカリウス父さんとレントのアダライム義父様も相変わらずだ。
そろそろ頭に白い物が混じり始めたのに、二人ともムッキムキで
「ひよっこどもめ!死合いの邪魔だ!」
「今日こそお前を殺す!」
と、やり合っているらしい。でもそれもそろそろ終わりそうだ。
「リーヤ。私の可愛いリーヤ」
「やめてくれ、母さん。俺ももう立派なおじさんだよ」
「あら?何年経ってもあなたは私の可愛いリーヤよ」
母さんがベッドから起き上がれなくなった。
もうおばあちゃんになって久しい母さんだけど、何となく品があるし、悪い事をした孫を叱る気概もある。それでも体は言う事を聞かない。
「昔っからリーヤはどこかふわふわしていて、なんだかこの世界の人じゃないみたいな、どこかにふーっと飛んで行ってしまいそうだったわ」
「はは……」
流石、母さんは鋭いなぁ。
「レントって言う重しがついて、フランもくっ付いてやっと地に足が付いた気がする。母さんじゃリーヤの重しになれなかったわ」
「そうかい?」
まあ、母さんには甘えてしまうからなぁ……。
「母さんが死んだら多分自動的に父さんも死ぬから」
「はは!あり得そうだな」
今でも母さんに執着してるカリウス父さん。あの執着は尊敬に値するが、それを笑って「可愛いでしょ」なんて言う母さんの方が凄いと思う。
「そっちこそ!はぁはぁ!」
術後の回復も張り合っていて、経過も良好だった。
フランはそのままクォンツに居着いてしまい
「おい、暇人!サボってんじゃねーよ!」
「私はもう働かないんですー」
とかなんとか言いながら、レントと一緒にクォンツの手伝いをしてくれている。
「有望な奴らはクォンツで修行して、帝国に帰り、またクォンツに行ってしまう~~!」
と、帝国行政陣が嘆いているが、そろそろ帝国も波風が吹き荒れそうになって来ている。
「あーーー!フラン様に振られたぁーー!ちくしょうめでございますわーーーぁーー!!」
「ひぃー!」
あの小さかったリュンがルンを蹴落として皇帝に上り詰めたようだ。
「リュンじゃいつまで経ってもリーヤちゃんの色気には勝てなかったぁーー!悔しぃーーー!」
「やめろ!痛い!痛いーー!」
「どーせ、ルンもメグ姉ちゃんもこの後クォンツに行くんでしょーー!引退したらクォンツへ!ってなんかの標語かぁーー!」
大暴れして騎士団をボコボコにしたとか情報が入って来ている。うん、帝国はますます繁栄しそうだ。
「ルーフェルトとルティーナを置いて行くから!」
「生贄か!?」
「私達だってクォンツに行ってリーヤおじさんで遊びたい!」
ルンには全然似ていない、メグ姉さんのいい所ばっかり受け継いだ2人の兄妹は帝国に残されるらしい。
メグ姉さんのいい所?を色濃く受け継いで困ったもんだ。なんだよ、俺で遊ぶって!
この辺りは戦争もなく、平和になっていったが、試練の洞窟からはどんどん恐竜は湧き続ける。腕利き達はクォンツに集まるし、近隣諸国の玄関口として帝国も栄えて行った。
レントとフランが張り合ってクォンツの政治を回しているみたいに、ウチのカリウス父さんとレントのアダライム義父様も相変わらずだ。
そろそろ頭に白い物が混じり始めたのに、二人ともムッキムキで
「ひよっこどもめ!死合いの邪魔だ!」
「今日こそお前を殺す!」
と、やり合っているらしい。でもそれもそろそろ終わりそうだ。
「リーヤ。私の可愛いリーヤ」
「やめてくれ、母さん。俺ももう立派なおじさんだよ」
「あら?何年経ってもあなたは私の可愛いリーヤよ」
母さんがベッドから起き上がれなくなった。
もうおばあちゃんになって久しい母さんだけど、何となく品があるし、悪い事をした孫を叱る気概もある。それでも体は言う事を聞かない。
「昔っからリーヤはどこかふわふわしていて、なんだかこの世界の人じゃないみたいな、どこかにふーっと飛んで行ってしまいそうだったわ」
「はは……」
流石、母さんは鋭いなぁ。
「レントって言う重しがついて、フランもくっ付いてやっと地に足が付いた気がする。母さんじゃリーヤの重しになれなかったわ」
「そうかい?」
まあ、母さんには甘えてしまうからなぁ……。
「母さんが死んだら多分自動的に父さんも死ぬから」
「はは!あり得そうだな」
今でも母さんに執着してるカリウス父さん。あの執着は尊敬に値するが、それを笑って「可愛いでしょ」なんて言う母さんの方が凄いと思う。
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