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動物に異様に好かれる手
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「シロウ」
熱っぽい声で呼ばれた。知っているこれは合図の一つだ。
「シロウ」
声は優しいし、俺はこの人の奴隷じゃない。奴隷用の服従魔法は消されていて、俺はこの人に逆らう事ができるって知っている。
「なあ、シロウ。噛んでいいだろう?」
「そ、それは……嫌」
だって痛いもの……見たでしょう?俺の首はぼろぼろだ。噛まれても噛まれなくても変わりはしないのに、みんな俺を噛むんだ。痛くて痛くて血が出る。そのまま噛み殺される気がして、いつも恐ろしかった。
「そうか、じゃあ今日は噛まない」
良かった。それだけでほっと力が抜ける。
「舐めるくらいはいいだろう?可愛いシロウ」
「う、うん……」
多分、嫌がったらやめてくれる。人間よりざらついた舌でべろりと首筋を舐めてくるレジールさんは俺のご主人様ではない。だから、本当に嫌と言えばやめてくれる気はする。
「ふふ、いい匂いだ。なんの匂いだろうな?俺の好きな匂いがする」
すんすんと耳元で鼻を鳴らされて、ぞくりと刺激が駆け上る。
「あの、あの……やめてぇ……」
「どうして?良いじゃないか。悪い事をしている訳でもあるまいし」
囁かれる声、かかる吐息が耐えきれない。
「うう……っあぅ……」
しばらくご無沙汰だったとは言え、抱かれるのに慣れた体は簡単にスイッチが入ってしまう。性交から早く解放されるには相手をイかせて満足させるのが手っ取り早いって知っている。
ああ、嫌だ。嫌だ嫌だ。嫌な記憶が蘇る。それでも俺は死ねなかった。
「あ、ああ、あ、シたい、イれて」
「シロウ?」
「お願い、キモチ良く、して」
レジールさんは、驚いて目を丸くした後、俺をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、そうか。お前はそういう風に仕込まれているのか。可愛くて可哀想なシロウ!やっぱり俺のモノにしよう」
暖かくて大きな手と尻尾まで使ってくるりと包み込んでくれる。
「だ、抱いて」
「うん」
抱き締める腕に力がこもる。
「そ、そうじゃなくて……あの、ヤろう」
「はは、シロウの誘い文句は可愛いな」
抱き締められたまま、すりすりと頬擦りされる。違う、そうじゃなく!
「あの、あの!」
「匂いつけくらいはしておかないとなぁ。他の奴の匂いがしたら、怒りが抑えられんかもしれない」
ぎゅうぎゅうと苦しいくらい抱きしめられる。
「く、苦しいです、レジールさん」
「悪いな。つい」
少しだけ力が緩まるが、離してはくれなかった。
「あの……あの」
我慢すればすぐ終わる。上手く啼けば殴られない、大丈夫大丈夫。俺は出来る。獣人はそこまで酷く扱わないのを知っている。怖いのは人間だから、獣人は良い子だと褒めてくれる。だから大丈夫。
「つがい……いや、違うな。シロウは人間なんだから結婚しよう、シロウ。俺が死ぬまで守ってやる、ずっと一緒にいよう」
「え?」
「お前が恐れる人間から守ってやる。獣人からだって守ってやる。だから俺の嫁になれ」
「え、でも俺、男……」
「そんなのどうでもいい。俺がそうしたいからそうするんだ」
俺はどうしていいか分からなかった。結婚ってあの結婚だよな……この世界に来て、誰かの所有物になったことはあっても、結婚を申し込まれたことは初めてだった。
「少し、考える時間はやる。でもそう長くは待てない。俺はあんまり気が長い方じゃないからな」
抱きすくめられたまま、そう言われた。
「さあ?どうする?決まったか?」
考える時間はそんなにもらえなさそうだった。
熱っぽい声で呼ばれた。知っているこれは合図の一つだ。
「シロウ」
声は優しいし、俺はこの人の奴隷じゃない。奴隷用の服従魔法は消されていて、俺はこの人に逆らう事ができるって知っている。
「なあ、シロウ。噛んでいいだろう?」
「そ、それは……嫌」
だって痛いもの……見たでしょう?俺の首はぼろぼろだ。噛まれても噛まれなくても変わりはしないのに、みんな俺を噛むんだ。痛くて痛くて血が出る。そのまま噛み殺される気がして、いつも恐ろしかった。
「そうか、じゃあ今日は噛まない」
良かった。それだけでほっと力が抜ける。
「舐めるくらいはいいだろう?可愛いシロウ」
「う、うん……」
多分、嫌がったらやめてくれる。人間よりざらついた舌でべろりと首筋を舐めてくるレジールさんは俺のご主人様ではない。だから、本当に嫌と言えばやめてくれる気はする。
「ふふ、いい匂いだ。なんの匂いだろうな?俺の好きな匂いがする」
すんすんと耳元で鼻を鳴らされて、ぞくりと刺激が駆け上る。
「あの、あの……やめてぇ……」
「どうして?良いじゃないか。悪い事をしている訳でもあるまいし」
囁かれる声、かかる吐息が耐えきれない。
「うう……っあぅ……」
しばらくご無沙汰だったとは言え、抱かれるのに慣れた体は簡単にスイッチが入ってしまう。性交から早く解放されるには相手をイかせて満足させるのが手っ取り早いって知っている。
ああ、嫌だ。嫌だ嫌だ。嫌な記憶が蘇る。それでも俺は死ねなかった。
「あ、ああ、あ、シたい、イれて」
「シロウ?」
「お願い、キモチ良く、して」
レジールさんは、驚いて目を丸くした後、俺をぎゅっと抱きしめた。
「ああ、そうか。お前はそういう風に仕込まれているのか。可愛くて可哀想なシロウ!やっぱり俺のモノにしよう」
暖かくて大きな手と尻尾まで使ってくるりと包み込んでくれる。
「だ、抱いて」
「うん」
抱き締める腕に力がこもる。
「そ、そうじゃなくて……あの、ヤろう」
「はは、シロウの誘い文句は可愛いな」
抱き締められたまま、すりすりと頬擦りされる。違う、そうじゃなく!
「あの、あの!」
「匂いつけくらいはしておかないとなぁ。他の奴の匂いがしたら、怒りが抑えられんかもしれない」
ぎゅうぎゅうと苦しいくらい抱きしめられる。
「く、苦しいです、レジールさん」
「悪いな。つい」
少しだけ力が緩まるが、離してはくれなかった。
「あの……あの」
我慢すればすぐ終わる。上手く啼けば殴られない、大丈夫大丈夫。俺は出来る。獣人はそこまで酷く扱わないのを知っている。怖いのは人間だから、獣人は良い子だと褒めてくれる。だから大丈夫。
「つがい……いや、違うな。シロウは人間なんだから結婚しよう、シロウ。俺が死ぬまで守ってやる、ずっと一緒にいよう」
「え?」
「お前が恐れる人間から守ってやる。獣人からだって守ってやる。だから俺の嫁になれ」
「え、でも俺、男……」
「そんなのどうでもいい。俺がそうしたいからそうするんだ」
俺はどうしていいか分からなかった。結婚ってあの結婚だよな……この世界に来て、誰かの所有物になったことはあっても、結婚を申し込まれたことは初めてだった。
「少し、考える時間はやる。でもそう長くは待てない。俺はあんまり気が長い方じゃないからな」
抱きすくめられたまま、そう言われた。
「さあ?どうする?決まったか?」
考える時間はそんなにもらえなさそうだった。
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